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09月07日-02号

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  1. 高山市議会 2016-09-07
    09月07日-02号


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    平成28年  9月 定例会(第4回)平成28年第4回高山市議会定例会会議録(第2号)========================◯議事日程 平成28年9月7日(水曜日)午前9時30分開議第1 会議録署名議員の指名第2 一般質問  ================◯本日の会議に付した事件 1 日程第1 会議録署名議員の指名 1 日程第2 一般質問     22番 谷澤 政司君      9番 岩垣 和彦君     12番 松山 篤夫君     13番 上嶋希代子君     24番 牛丸 尋幸君      4番 沼津 光夫君  ================◯出席議員(24名)   1番         伊東寿充君   2番         谷村昭次君   3番         西田 稔君   4番         沼津光夫君   5番         榎 隆司君   6番         山腰恵一君   7番         渡辺甚一君   8番         北村征男君   9番         岩垣和彦君  10番         中筬博之君  11番         倉田博之君  12番         松山篤夫君  13番         上嶋希代子君  14番         車戸明良君  15番         松葉晴彦君  16番         木本新一君  17番         溝端甚一郎君  18番         水門義昭君  19番         橋本正彦君  20番         中田清介君  21番         藤江久子君  22番         谷澤政司君  23番         今井武男君  24番         牛丸尋幸君  ================◯欠席議員(なし)  ================◯説明のため出席した者の職氏名  市長          國島芳明君  副市長         西倉良介君  危機管理室担当部長   北村泰気君  企画管理部長      西田純一君  財務部長        亀山裕康君  ブランド海外戦略部長  田中 明君  市民活動部長      高原 透君  福祉部長        下畑守生君  市民保健部長      矢嶋弘治君  環境政策部長      浦谷公平君  農政部長        橋本哲夫君  商工観光部長      清水孝司君  基盤整備部長      東 泰士君  水道部長        村田久之君  会計管理者       丸山永二君  教育長         中村健史君  教育委員会事務局長   井口智人君  消防長         赤野智睦君  ================◯事務局出席職員氏名  事務局長        森下 斉君  次長          橋本 宏君  書記          藤白 稔君  書記          新家恭子君  書記          奥原貴慶君  自動車運転職員     櫻本明宏君  ――――――――◯――――――――     午前9時30分開議 ○議長(水門義昭君) これより本日の会議を開きます。  ================ △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(水門義昭君) 日程第1 会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において、松山篤夫議員、牛丸尋幸議員を指名します。  ================ △日程第2 一般質問 ○議長(水門義昭君) 日程第2 一般質問を行います。 質問の順序及び時間につきましては、議会運営委員会の決定に従って、それぞれ許可したいと思いますので、御了承願います。 それでは、谷澤議員。   〔22番谷澤政司君登壇〕 ◆22番(谷澤政司君) おはようございます。 それでは、通告に基づき質問に入ります。 最初、1番、将来を見据えた行政運営についてです。 國島高山市長におかれましては、私が市会議員として平成11年5月に就任したときには課長をされておりまして、その後は出世されまして、部長、さらには副市長にも就任されました。現在の高山市長に就任されてからは6年経過されています。 その間、長年にわたり高山市役所の職員、管理職をされまして、豊富な経験、知識を持たれて仕事をされており、市長に就任されてからも、その豊富な経験、知識を活用されるとともに、高山市のためにとの強い思いを持たれて、フットワークのよさから、岐阜県庁、国会、各省庁及びそれぞれの出先機関などへ市長自らが要望などに行かれて成果を上げられています。 さらに、知人、友人などを訪ねて市長としての要望活動もされていますことで、すばらしい人脈をつくられておりますことに対し、高山市民の多くの皆さんからは高く評価をされていることであります。 市町村合併した高山地区はもちろん、各旧町村地区へも同じく自らが足を運び、住民らとの話し合いの場を持ちましたり、自分の目で確かめるために現地を視察する活動におきましても、住民からは大変高く評価されています。 高山市のような地方は、全国的にも景気低迷が続き、市民生活が年々厳しくなることを思いながら、経済の活性化を図ることから、全国並びに海外の旅行会社などへもトップセールス強行的スケジュールで努力をされています。その活動のおかげさまで、観光客も毎年増加傾向で、高山市の経済効果にすごく反映されています。それらの市長の活動には、議会人の私からも心より高く評価するとともに感謝申し上げます。 高山市の現状としては、全国的にも同じような自治体の課題があります。少子高齢化による人口減少問題が大きな課題であり、そのことも含めて、高山市の行政運営の取り組みなど、関連するさまざまな面から順に質問をさせてもらいます。 まずは、ただいま話しました人口減少についてですが、現在の高山市行政運営を執行しています基本の第八次総合計画において提示されていますように、現在の人口約9万人に対し、30年後には約6万5,000人になることが予想されています。 そこでお聞きしますが、1番の少子高齢化により人口減少が進展する上で、それらについての取り組みをお伺いいたします。   〔22番谷澤政司君質問席へ移動〕 ○議長(水門義昭君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) おはようございます。 議員さんから御説明がありましたように、約30年くらい先には人口が3万何千人減ってくるという推測を今いたしております。 人口が減少していく流れ自体は逆らうことができないものと考えておりますが、これをしっかりと受けとめながらも、できる限り人口の減少傾向を抑制していく、そして、人口が減少する社会に柔軟に対応したまちづくりを進めていく必要があると考えております。 平成17年に合併をいたしましたときは9万7,000人でございました。今、消費の考え方をちょっと取り上げますと、1人1年間で消費する金額というのは約100万円から200万円の間くらいじゃないかと推測をいたしております。そういたしますと、7,000人近く人口が現状でも少なくなっているというときには、17年のころに年間で市内で消費されている消費金額よりも現在は百数十億円消費が少なくなっているという現実であります。 これがさらにまだ2万人、3万人と少なくなってくるということですから、市内における消費金額はさらに何百億円も少なくなってくるということであります。すなわち、地域経済の活性、これが非常に危惧される。それを何で補っていくかということがこれからの大きな課題であります。 そこで、昨年の10月に高山市まちひとしごと創生総合戦略を策定いたしまして、3つの基本目標に対応した施策を講じていくことにいたしました。これは、議会の皆様方に議論をいただき、御承認をいただいたことでございます。 具体的には、飛騨高山にまず人を呼び込む。そして、そこで消費を促し、人口減で少なくなった市内消費の額をカバーする。さらには、移住、定住の促進によりまして、定住人口もふやしていく。それから、国内外からの誘客促進や大学連携の推進によりまして、交流人口を増加させていくんだということが1つであります。 もう一つは、飛騨高山の物を売り込むということで、飛騨高山ブランド力を高め、発信することによりまして、地場産品をお金にかえて、市内にお金を持ってくるということが大事なのではないか。 最後には、それらの2つの経済的な効果を踏まえながらも、住みやすく働きやすい飛騨高山をつくるとして、協働のまちづくりの推進などによりまして、住みなれた地域の維持向上、子ども子育て支援の充実を図っていきたい、こう考えているところでございます。 こうした取り組みを通じまして、誰もが住んでよかった、住み続けたいと思えるような持続可能なまちづくりに皆さんとともに取り組んでまいります。 ○議長(水門義昭君) 谷澤議員。 ◆22番(谷澤政司君) それでは、次に入りますが、このところの高山市の行政運営におきましては、さまざまな基金が設けられておりまして、毎年確実に増額されています。そのことは、将来を見据えて次世代への思いやりを持たれた財政運営であると思います。 例えば、家庭でのお金の資金繰りについても、自分の子どもたちを大切に思いまして、貯金をふやしていくことが一般的に進められているところであります。その子どもたちがこの地元に暮らしていかれることを望んでいる家庭も多くあることと思います。 若者たちが高山市に住みたくなるような夢と希望を持ち、安定した暮らしができるための軽減策や、現在も実施されていることとあわせて、今後の取り組みも必要と思います。 そこでお聞きしますが、②次世代への負担軽減策と若者が住みたくなる高山市まちづくりに向けた取り組みについてお伺いいたします。 ○議長(水門義昭君) 清水商工観光部長。   〔商工観光部長清水孝司君登壇〕 ◎商工観光部長(清水孝司君) おはようございます。 それでは、お答えをさせていただきます。 高山市におきましては、若者の定住を促進するための施策を積極的に実施しておりますが、35歳未満のUIJターン就職者に対して家賃の一部、月額1万5,000円を限度に最長3年間を助成します若者定住促進事業補助金のほか、同じく35歳未満のUターン就職者に対して10万円を支給するUターン就職支援金を行っております。 さらに、今年度からは、35歳未満のUIJターン就職者の奨学金の返済に対して、年額24万円を限度に最長5年間助成をいたします奨学金返済支援事業補助金を創設したところでございます。 このほか、3親等以内の経営を継承、または経営に参画した45歳未満の農業後継者に対して100万円を支給いたします農業後継者就農支援給付金、農業経営者を目指す新規就農者に対して年額150万円を限度に最長5年間支給します青年就農給付金など、新規就農者等育成支援事業や、第2子の保育料を軽減し、第3子以降の保育料を無料といたします保育料軽減事業、また、子育て家庭が新たに多世代同居するため住宅を新築、取得、改築する場合に100万円を上限に助成いたします子育て住環境整備事業など、さまざまな事業を実施しているところでございます。 今後も、高山市の将来を担う若者が住みたくなるまちを目指し、これらの支援策等の活用を図りながら、若者のニーズをしっかりと捉え、定住促進につながる施策を積極的に実施してまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(水門義昭君) 谷澤議員。 ◆22番(谷澤政司君) それでは、次に入ります。 今ほども言いましたことと、全国的に地方の自治体は年々景気低迷が続いていることで、高山市民の年間所得も同様な状況であるのが現実と思います。そのために、景気対策の向上に毎年各事業において取り組まれていますことには大変評価しますが、これからも引き続き取り組みをされることも必要と思います。 そこでお聞きしますが、③市民生活向上につながる経済対策、観光産業及び地場産品等の販売拡大への取り組みについてお伺いいたします。 ○議長(水門義昭君) 清水商工観光部長。   〔商工観光部長清水孝司君登壇〕 ◎商工観光部長(清水孝司君) 高山市では、商工業の振興策といたしまして、市内の地場産品の販路拡大と観光誘客を目的としました飛騨高山展の開催を始め、産学官、異業種連携によります新製品や新技術、また、生産方法などの研究開発を促進するため、産学官等連携事業、起業家を育成するための起業セミナーの開催ですとか、創業支援資金融資特定創業支援事業補助金によります支援のほか、中心市街地活性化事業企業誘致対策事業など、関係機関と連携しながらさまざまな施策に取り組んでいるところでございます。 また、観光産業の振興策といたしまして、誘客、宣伝事業を関係団体等と連携し、国内はもとより海外においても積極的に展開をしているほか、全国、国際規模のコンベンションやスポーツ大会などの誘致、山岳観光や教育旅行など、地域資源を活用した滞在型、通年型の観光地づくりに努めているところでございます。 このような取り組みによりまして、高山市の市民所得においては、リーマンショック後の平成21年を底に、統計が発表されております平成25年までの間につきましては上昇基調にあるところでございます。 今後も、人口減少や労働力人口の減少、消費者ニーズの変化など、社会経済情勢の変化を的確に捉え、新たな取り組みも含め、効果的な施策を積極的に展開してまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(水門義昭君) 谷澤議員。 ◆22番(谷澤政司君) 次に入りますが、今ほども話がありましたように、高山市の観光関連産業におかれては、高山市経済を総合的に支えている大事な産業であります。その観光関連産業において、市におきましても、民間事業者と大きく連携しながら高山市経済を牽引していくことがこれからも大きく重要なことと思います。そのためには、同じように、全国各地の観光地においても積極的に取り組まれ、誘客や地場産品などの販路拡大に努められまして、生き残りをかけていくことと思われます。 高山市においては、豊富な自然豊かなことと歴史的伝統文化において、ことしの4月に國島高山市長並びに関係各位によりまして、日本遺産に登録されました「飛騨匠の技こころ―木とともに、今に引き継ぐ1300年―」におきましては、新たな観光資源の掘り起こしにつながるものと思います。 また、この数か月後には、高山市の春秋の高山祭の屋台がユネスコ世界文化遺産に登録されることも予想されています。これにつきましても、世界的に観光資源として情報発信することで大きく経済効果につながるものであります。 そこでお聞きしますが、④観光資源の新たな掘り起こしへの考えと取り組みなどについてお伺いいたします。 ○議長(水門義昭君) 清水商工観光部長。   〔商工観光部長清水孝司君登壇〕
    商工観光部長(清水孝司君) 広大な市域を有します高山市は、自然景観ですとか伝統文化を始めとするさまざまな観光資源がたくさんございます。 文化庁から、ことし4月、「飛騨匠の技こころ」を日本遺産として認定いただきました。日本遺産を活用した誘客といたしましては、木とともに生きた1,300年の歴史を体感する物語として、国府地域ののどかな田園風景ですとか、国宝、安国寺の経蔵、熊野神社本殿などの建築様式、また、飛騨の匠の技術の伝承が息づく高山祭の屋台、飛騨春慶ですとか、一位一刀彫などに光を当てた情報発信を展開しているところでございます。 また、年末には、議員おっしゃるとおり、高山祭のユネスコ無形文化遺産登録が審査をされることとなっております。改めて高山市の魅力を世界に向けて情報発信できる絶好の機会でもございますので、新たな観光資源として関係団体と連携し、積極的に営業活動につなげていきたいと考えておるところでございます。 今後も、観光客のニーズを的確に把握し、同じ観光資源であっても隠れた魅力の掘り起こしを行うことで再度訪問を促すというような仕掛けですとか、ふだんの生活の中で当たり前のものとして感じ、これまで観光資源として捉えていないならわしですとか、景観などについても、地域の皆さんや観光協会など関係団体と連携し、新たな観光資源としての掘り起こしに努めたいと考えておりますし、ターゲットを絞るなど、効果的な誘客活動を行っていきたいというふうに考えているところでございます。 ○議長(水門義昭君) 谷澤議員。 ◆22番(谷澤政司君) 次に入ります。 高山市は、障がい児者の福祉についても、民間事業者と連携をとりながら、時代、ニーズや地域特有の問題等に取り組まれております。 具体的に例を挙げますと、私は、県立飛騨特別支援学校の入学式、卒業式、運動会などに出席しておりまして、多くの子どもたちのほとんどは高山市の子どもでありますことから、県立でありましても高山市の行政機関を代表して教育長様に出席をお願いしましたら、その後も引き続き大方出席くださるようになりました。改めて、高山市の障がいを持たれている大切な子どもたちを思っていただきました式典や行事などの出席に対しまして、心より敬意と感謝を申し上げます。 國島市長様におかれましても、毎年障がい児者が親亡き後、ひとり立ちできることを強く思われていまして、6年前の市長就任時から、私は市長様に、就労支援事業所施設へお誘いして現地へ行ってもらうことをお願いしてきましたら、毎年足を運んでいただいております。 さらに、そのような各事業所が参加しています団体と市長さんと語る会をお願いしても、必ず出席されて意見交換をされています。改めて、障がいを持たれている皆様、御家族、施設等の関係皆様を代表して、心より厚く御礼申し上げるものでございます。 そこでお聞きしますが、⑤の障がい児者の福祉向上に向けて、これまでも取り組まれておりますことには、対象の皆様と御家族様からは評価されていますが、新たな課題等にも積極的に取り組まれますことをお願いして、その考えについてお伺いいたします。 ○議長(水門義昭君) 下畑福祉部長。   〔福祉部長下畑守生君登壇〕 ◎福祉部長(下畑守生君) おはようございます。 高山市では、相談支援体制や障がい福祉サービスの充実、生活の自立に向けた支援強化、住まいの確保の促進、虐待防止や差別解消等、これまでも障がい児者を取り巻く環境の変化に対応し、さまざまな取り組みを行ってきたところでございます。 例えて申しますと、これまで福祉サービスや生活などに関する相談を総合的に対応する窓口がなかったため、新たにワンストップで市民の皆様の悩みや御相談に応じる福祉サービス総合相談支援センターを開設いたしました。また、重症心身障がい児を持たれる御家族の悲願であった医療的なケアが受けられる事業所に対しまして、事業開始に向けた施設整備の支援を行ったところでございます。 近年は、発達障がい児者の増加が問題となっておりますが、障がいの有無にかかわらず、成長の段階に応じて切れ目のない支援を行うためのサポートブック「たかやまっ子 成長のあしあと」を作成し配布するとともに、妊娠期から自立までを総合的に支援する新システムの構築に向けて取り組んでいるところでございます。 今後におきましても、障がい児者の皆さんが住みなれた地域で安心して生活できるよう、関係機関との連携を強化しながら、さまざまなニーズに応えられるよう、障がい児者の福祉の向上に向け、事業を進めてまいります。 ○議長(水門義昭君) 谷澤議員。 ◆22番(谷澤政司君) 1番の質問について総合的に聞かせていただきましたところ、國島高山市長の行政運営は、数々の課題も意識しながら、将来を見据え、すばらしい行政手腕で行われておりまして、そのことは県内の自治体でもトップクラスであると私は思っております。 同様に、姉妹都市、友好都市などの市長からも大変評価されています。特に観光産業による外貨獲得は、さすがに高山市民にとりましてもありがたいことですから、これからも引き続き活動されていきますことで市民からも大きく評価されますことを申し上げまして、次の質問に入りたいと思います。 2番の熊本地震からの教訓による防災対策についてでございます。 熊本県では、ことし4月14日にマグニチュード6.5の地震が発生し、2日後にはマグニチュード7.3のさらに大地震が発生して、熊本県は大きな災害に遭われました。 それから2か月後の6月15日までにマグニチュード1以上の地震が約1,700回余り発生し、現在におきましても、これまで約2,000回余りが発生しておりまして、歴史上類を見ない非常に恐ろしい事態になりました。 特に熊本県におきましては、一連の地震発生による大災害と、同じく2か月間余りは恐ろしい大雨がたびたび降りまして、山の土砂崩れなどにより死亡した方も含め、大きな二次災害もたびたび重なって起きていました。 私も、当時のテレビニュースや新聞報道で熊本県の各市町村の災害状況が知らされましたので、高山市も以前には全国各地から多く災害ボランティアが来ていただいておることに感謝の心を持っておりますので、そのことから他人事ではないので、熊本市や西原村へ災害ボランティア活動に1人で行きました。 被災地では恐ろしい雨も多く降りましたが、被災された皆様のために精いっぱいボランティア活動で頑張ってまいりました。現地で昼休みには学校体育館の避難所へ訪問して、子どもたちや高齢者の皆様方にもお会いしまして、激励をしてまいりました。 さて、岐阜県におきましても、今回の熊本大震災からの教訓により、直下型地震被害想定見直しから新たに地震防災対策の強化について、116項目の取り組みの方針を新たにまとめられました。 そこで、熊本地方の被災地において、自分の目で見た数々の恐ろしい現場などを思い、高山市でも万が一熊本地方のような大きな被災状況になる場合を考え、市民への安心安全への防災対策と災害に強いまちづくりの視点から何点か順に質問してまいります。 まずは地震の関係からですが、岐阜県には多くの活断層がありまして、具体的に申し上げますが、高山大原断層帯について、県の報告によりますと、県下において、例えば冬の朝5時に最大震度7の地震が発生したら、死者は870人、負傷者は7,800人、全壊の家屋棟数は1万7,000棟の大被害が起きると予想されております。 今回の熊本県におきましては、死者や負傷者についてはそれだけの被害はなかったけれども、家屋など建物においては同じような被害状況が出ておりました。 さらに、飛騨地域にあります各断層帯について話しますが、国府断層帯は、荘川町、清見町のほうへ、三尾断層、夏厩断層、滝ヶ洞断層、牧ヶ洞断層がその方向に断層がつながっております。高山断層帯においては、江名子断層、宮峠断層、源氏岳断層、ヌクイ谷断層、宮川断層に断層がつながっております。ほかにも、猪之鼻断層は高根町につながっております。 そこで、高山大原断層帯については、マグニチュード7.2程度が30年間における発生率は5%と言われています。しかし、ことし4月に発生した熊本県阿蘇山から南側にあります布田川日奈久断層帯につきましては、マグニチュード7.6程度で30年間における発生率は6%と言われ、高山大原断層帯と同じようなレベルの断層帯でありますが、この4月に発生した熊本県阿蘇山から南側の断層帯大震災は、ちょうど5年前の東日本大震災より大きな災害が発生したわけでございます。 そこでお聞きしますが、①高山市近郊には高山大原断層帯など多くの断層帯がありますが、その地震発生時の危機に対する意識啓発についてどのように取り組まれていますか、お伺いいたします。 ○議長(水門義昭君) 北村危機管理室担当部長。   〔危機管理室担当部長北村泰気君登壇〕 ◎危機管理室担当部長(北村泰気君) ただいまの議員御紹介のように、市内には、高山大原断層帯を始め多くの活断層が存在しておりまして、熊本地震のような内陸直下型の地震災害は、本市においても決して他人事ではないという危機意識を持っております。 今ほど発生確率について触れていただきましたが、その発生確率の高い低いにかかわらず、そういったいつ起こるかわからないという意識を持つことが非常に大切であるというふうに捉えております。 地域防災計画におきましては、内陸直下型地震も想定して地震対策について定めているところでございまして、毎年の総合防災訓練のほか、市民向けの研修会や講習会、出前講座、広報、ホームページなどを通じて、市民の皆様の意識啓発に努めるとともに、国、県、関係団体などとの意識の共有、連携の強化に努めているところでございます。 今後も、引き続きさまざまな機会を通じまして、地震災害を始め、火山災害、風水害など、自然災害に対する市民の皆様の意識啓発、関係機関などとの連携の強化に防災体制の充実を図ってまいりたいというふうに思っております。 ○議長(水門義昭君) 谷澤議員。 ◆22番(谷澤政司君) 次に入ります。 家屋などの建物についてですが、熊本地方の古い木造の瓦屋根の建物やトタン屋根の建物のほとんどは、倒壊や傾きにより危険度が高く、その所有者たちは住めなく、避難所へ行かれています。それぞれの家屋には、赤色と黄色などの応急危険度判定してある張り紙が玄関口に張ってありました。 一方では、その空き家を狙った強盗もおりますことから、全国から応援に来ていました警察官らが見回りをしていました。 そこでお聞きしますが、②高山市における建物応急危険度判定を行う体制についてお伺いいたします。 ○議長(水門義昭君) 東基盤整備部長。   〔基盤整備部長東泰士君登壇〕 ◎基盤整備部長(東泰士君) 家屋の応急危険度判定は、県より登録されました被災建築物応急危険度判定士が現地調査の上、危険、要注意、調査済みの3区分に判定して、結果を建築物の見えやすい部分に張りつけることで建物所有者などへ注意を促し、余震等による二次災害を防止することを目的としまして実施されるものでございます。 高山市においては、大地震が発生した場合には、市に被災建築物応急危険度判定実施本部を設置いたします。判定が必要な棟数、判定指数を算出しまして、県へ判定士の派遣について支援を要請することとなっております。全国的に、国、県、市や民間の建築士団体等が連携して、広域に支援体制が確保される仕組みが構築されております。 この広域支援の一環で、本年4月の熊本地震発生の際には、当市からも2名の職員を熊本市へ応急危険度判定士として派遣しております。 災害発生時には、国、県を通じまして円滑に支援が受けられるよう、本年7月には、岐阜県及び飛騨管内3市1村の担当者による研修会を実施しております。また、被災建築物応急危険度判定士の資格を市職員が取得する取り組みも進めているところでございます。 今後も、こうした活動を継続しまして、市の体制整備や国、県等の連携強化を進めていきたいというふうに考えております。 ○議長(水門義昭君) 谷澤議員。 ◆22番(谷澤政司君) 次に入ります。 熊本大震災地震で全半壊した家屋などの公費解体の申請を受け付けている熊本県内では、約1万4,000件ある中で2か月経過した時点で解体撤去工事を終えた建物は約58件にとどまっております。業者不足もあり工事がおくれておりまして、全て完了するまでには2年程度かかるそうであります。 これらの結果について、ある自治体の担当者と話をしましたところ、解体業者は特定地域に集中しており、さらに廃材置き場が十分に確保できていない実情も挙げられており、半壊以上の建物が多過ぎて、地元業者だけでは手が回らないので、県外からも業者に来てほしいと言われておりました。 そこでお聞きしますが、③家屋の倒壊や傾きなどによる解体撤去や修繕を行う体制確保及び廃材置き場についてお伺いいたします。 ○議長(水門義昭君) 北村危機管理室担当部長。   〔危機管理室担当部長北村泰気君登壇〕 ◎危機管理室担当部長(北村泰気君) 私のほうから、解体事業者の関係についてお答えをさせていただきます。 市では、岐阜県土木建築解体事業協同組合飛騨支部様との災害応援協力に関する協定を締結しておりますが、その内容は、倒壊家屋などから被災者救出の支援、それから、社会基盤施設の応急復旧となっておりまして、家屋の解体や修繕についての協力については取り決めがないのが現状でございます。 家屋の解体や修繕につきましては、大規模な災害時においては、事業者の方々のネットワークを活用し応援体制をとる、そういったことを協定に加えることができないか、関係の組合と御相談をさせていただきます。 ○議長(水門義昭君) 浦谷環境政策部長。   〔環境政策部長浦谷公平君登壇〕 ◎環境政策部長(浦谷公平君) 私のほうからは、廃材置き場の件についてお答えいたします。 地震災害発生時における廃棄物の仮置き場につきましては、資源リサイクルセンター、久々野クリーンセンター、丹生川、荘川及び上宝の各埋立処分地を想定しております。 また、平成27年度に岐阜県が災害廃棄物処理計画を作成しており、高山市におきましても、その計画に準じて、瓦れきの発生量、収集、運搬及び処理体制などについて検討をしているところでございます。 なお、当該計画では、高山市のみで処理が困難となった場合に他市へ搬入する広域処理を行うことも想定されております。 ○議長(水門義昭君) 谷澤議員。 ◆22番(谷澤政司君) 次に入ります。 熊本大地震により発生後4か月経過した現在、住宅被害は約16万3,350棟余りありまして、県下で地震発生時に一時的に避難所へ行かれた方は18万人を超えたと言われておりました。 熊本県の大きな被災地と高山市の山間地は地形的にもよく似ているところがあると思いますことから、熊本のような今回の大災害が発生したときに、近年の防災対策から、関心を持ち、高山市の各地区においても、多くの住民らは自らの安全確保から早急に避難所へ駆けつけることが予想されております。また、避難所でも揺れがしょっちゅう起きておるということで、車での車中泊をされておる方も多くみえました。 そこでお聞きしますが、④市内の各避難所の大災害発生時における緊急利用者数増加対策と、車中泊用駐車場の事前指定への取り組みについてお伺いいたします。 ○議長(水門義昭君) 北村危機管理室担当部長。   〔危機管理室担当部長北村泰気君登壇〕 ◎危機管理室担当部長(北村泰気君) 災害発生時におきましては、最初に、小中学校の体育館などを指定避難所として開設いたしまして、被害の規模や避難者数など、状況を見ながら近隣の他の指定避難所を開設し、避難者の増加に対応することといたしております。 避難所の運営には、その担当職員が当たることとしておりますが、被害の規模や避難者の数など、状況によっては担当職員が不足するような場合も想定をされます。職員全体の配置を調整し、他の部署から応援を送るほか、災害応援協定を結んでいる自治体や、国、県などの応援を要請することといたしております。 また、地域の皆様による自主運営の御協力もお願いしなければならない場面もあるというふうな判断をいたしております。 車中泊避難者の対応につきましては、できる限り徒歩による避難と、指定避難所の建物内での避難生活をお願いすることを基本といたしてはおりますが、先般、市において取りまとめました熊本地震の検証や県の検証を踏まえまして、指定避難所の駐車可能台数のリスト化や、指定避難所近隣の駐車場の調査を行うほか、車中避難者の把握方法や心身のケア方法などについて、避難所運営マニュアルの見直しなどを進めてまいります。 ○議長(水門義昭君) 谷澤議員。 ◆22番(谷澤政司君) 次に入ります。 同じく、今回の非常に恐ろしい熊本大地震が発生してから、気象庁におきましては、これまでの情報発信が合わなくなりました。 具体的に申しますと、これまでの発表方法は、最初に発生した大地震が最大で、その後はより小さい地震が起きる本震から余震型を前提としていました。しかし、熊本地震では、4月14日にマグニチュード6.5の地震が発生した2日後にさらに大きいマグニチュード7.3の地震が起こり、大きな被害が出ました。そのことから、今後は余震という言葉は、揺れが小さいとの誤解を与えるとして、余震という言葉を使うのをやめて、同じく確率何%を表に出さず、平常時の約50倍などと危険度が高まっていることを強調する表現に変えられました。 そこでお聞きしますが、⑤の気象庁の地震情報の見直しに対する市の取り組みについてお伺いします。 ○議長(水門義昭君) 北村危機管理室担当部長。   〔危機管理室担当部長北村泰気君登壇〕 ◎危機管理室担当部長(北村泰気君) 気象庁では、大きな地震の発生後にはそれよりも小さい余震が発生するという従来の前提を見直しまして、最初の大地震と同程度の地震への注意を呼びかけること、平常時よりも地震の危険度が高まっていることを伝える内容とすることを基本に、現在、地震情報の発表についての改訂作業を進められているところでございます。 気象庁から発表される情報の内容が決まりましたら、変更内容の周知に努めるとともに、大地震の発生後にどのような危険があるのか、どのような情報がどのような理由で発表されるのかを把握いたしまして、気象庁から発表される情報を日ごろからの備えや災害時の対応に活用してまいります。 ○議長(水門義昭君) 谷澤議員。 ◆22番(谷澤政司君) 以上をもって、熊本大震災からの教訓による質問は終わりまして、次に入ります。 先ほども観光産業等に対する考えは聞きましたので、次の質問については、簡潔にテーマを絞って入りたいと思います。 それでは、3番、歴史的伝統文化の継承活用についてです。 今回の質問は、高山市一之宮町にあります水無神社や、荘川町などにあります各神社を例に挙げて質問に入ります。 水無神社様におかれましては、今から約1,150年前から飛騨国一宮水無神社として名高く、昭和10年よりは国費をもって造営がなされ、現在の社殿が完成しています。 また、全国神社会のトップクラスの熱田神宮様が、昭和20年、大東亜戦争で戦火が及ぶようになったとき、戦火を避けて水無神社へ疎開して御動座されたことは有名な歴史的出来事でありました。 さて、県内では飛騨地区にしかありません神社の歴史伝統文化であります式年大祭についてですが、本来ですと五十年に一度催行されますところでありましたが、参集殿建設など諸般の事情で、今回の式年大祭は57年ぶりに来年5月3日より6日まで催行されます。同じく、5年前には三十年に一度開催しておる櫻山八幡宮におきましても、式年大祭を催行しています。 さて、ほかにも高山市や飛騨市などの各神社でも式年大祭を催行されていまして、その氏子の役員や住民皆様におきましては、それぞれの神社におきまして、5年から10年ほど前から神様を中心にさまざまな準備に入りまして、歴史的伝統文化の継承などに大切に取り組まれています。 もう一点の無形文化財である荘川町、黒谷地区の白山神社、一色地区の白山神社、野々俣地区の野々俣神社などで行われる、300年の歴史のある村芝居や、清見町上小鳥地区の上小鳥神社のひねりの舞におきましては、人口減少などの影響でしばらくできなかった行事を数年ぶりに復活されております。 それぞれの地区住民皆様の神様を敬う心を持って、若者や子どもたちのふるさとを思う心を養って次世代へ文化の継承をされています。私は、自ら各地区に足を運び、大切な神社の歴史的伝統文化継承への奉納芸能などを鑑賞及び関係者とも話をしております。 そこでお聞きしますが、①地域全体における歴史的伝統文化の現状と課題及び継承への取り組みについてお伺いいたします。 ○議長(水門義昭君) 井口教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長井口智人君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(井口智人君) 高山祭など各神社で行われる祭礼行事、寺社や民間信仰関係の年中行事及び伝承芸能などの歴史的伝統文化は、先人より受け継がれ、地域住民の活動を中心に維持、継承されてまいりました。 また、これら歴史的伝統文化は、長い歴史の中で生まれ育まれてきた地域の貴重な財産であり、そこに住む人々に精神的な豊かさや誇りを与えるものであります。 しかしながら、近年、社会情勢の変化などにより保存意識の低下や後継者不足が進み、歴史的伝統文化の保存、継承が困難となることが危惧されているところでございます。 市としましては、この歴史的伝統文化が次の世代に誇りを持って継承されるよう、地域などにおける取り組みを進める必要があると考えているところでございます。 御質問にございますように、地域の取り組みにつきましては、市としましても承知しているところでございまして、一之宮町子ども会鶏闘楽伝承会や、清見町のひねりの舞保存会などの伝承芸能や、祭礼活動の保存会への支援を継承するほか、荘川の舞台芸能や水無神社の神事芸能などの無形民俗文化財等の映像記録を作成し、保存、伝承活動への活用を図ってまいります。 また、保存活動に取り組んでいる団体や個人を認証する美しいふるさと認証制度による保存意識の啓発に引き続き取り組んでまいります。 ○議長(水門義昭君) 谷澤議員。 ◆22番(谷澤政司君) 次に入ります。 一之宮町の水無神社や荘川町各神社の伝統文化は歴史的にも貴重な文化であります。それらを観光客誘致に取り組むことで、それぞれ地域の経済の活性化と雇用の場創出にも大きくつながることと思います。 そこでお聞きしますが、②経済活性化につなげる取り組みについてお伺いいたします。 ○議長(水門義昭君) 清水商工観光部長。   〔商工観光部長清水孝司君登壇〕 ◎商工観光部長(清水孝司君) ただいま御紹介がありました一之宮町の飛騨一宮水無神社で57年ぶりに催行されます式年大祭、また、荘川町の各神社で行われる村芝居などの祭礼行事ほか、市内の各地域にはさまざまな伝統文化が守り伝えられておりまして、観光資源としても大変魅力的なものというふうに考えておるところでございます。 これまで、旅行商談会や旅行会社へのセールスなどにおいて、パンフレットや企画書を作成して、新たな高山の文化資源として紹介をさせていただいております。また、観光ガイドブックやホームページなどでも紹介をさせていただいているところでございます。 今後も、今まで観光資源として注目されない昔から地域で継承されている伝統文化のさらなる掘り起こしを行い、観光資源として関係団体と連携して積極的に誘客活動に取り組んでいきたいと考えているところでございます。 ○議長(水門義昭君) 谷澤議員。 ◆22番(谷澤政司君) 最後になりますが、今回の質問に対しても、行政の市長様始め皆様におかれては、積極的に取り組まれておる答弁をいただきました。 これをもちまして、質問を終わります。 ○議長(水門義昭君) 以上をもって、谷澤議員の質問を終わります。 次に、岩垣議員。   〔9番岩垣和彦君登壇〕 ◆9番(岩垣和彦君) おはようございます。 それでは、早速でありますが、通告に基づいて質問させていただきます。 まず1点目でありますが、生産年齢人口の減少、市民所得が鈍化している実態から必要な施策とはということで通告をしております。 今ほどの谷澤議員の質問、人口減少に絡んだ質問でありました。私は、全体的に総合的な見地を持って質問を組み立てておりますので、よろしくお願いいたします。 まず1点目でありますが、生産年齢人口の減少で地域産業の人手不足にどう向き合い、産業を維持、発展させる考えなのかということであります。 経済センサスによりますと、市内には6,657余りの事業所が存在をしております。その従業者数は4万4,200人余りというふうに言われています。平成27年の生産年齢人口の推計値を見ますと4万9,900人であります。これが、今から9年後、2025年になりますと4万4,100人というような状況が推計をされております。したがいまして、今から9年後には必然的に全体の事業者が必要とする就業者の絶対数が不足をする状況となります。 また、生産年齢人口と労働者人口の定義は 異なっておりますから、労働者の絶対数がその9年よりも相当早く不足する状況は現実であります。 これによりまして、既存企業が慢性的な人手不足から従前の経営が困難となるばかりではなく、地域全体の産業構造が継続できない可能性もあります。産業や雇用のあり方を根本的に、構造的に変革しなければならないことが想定をされます。目の前に迫りくる産業全体の労働力不足に対して、雇用政策、産業政策をどう整え、この難題に挑んでいく考えなのか、伺いたいと思います。   〔9番岩垣和彦君質問席へ移動〕 ○議長(水門義昭君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) 市の人口ビジョンにおきまして、今後も生産年齢人口の減少傾向は続くということが推計されておりまして、おっしゃられるように、労働力の確保は、持続可能な地域経済を形成していく上で重要な課題であると捉えております。 少子高齢化、人口減少時代を迎えまして、経済を持続的に発展させるためには、労働生産性を高めることが必要でございまして、労働生産性を高めるためには、効率を上げることと付加価値を高めることが重要でございます。 効率を上げるために、商工会議所、商工会などと連携したセミナーの開催だとか、新技術開発のための産学金官連携に対する助成、あるいは設備投資に係るいろいろな助成なども取り組んでまいります。 あわせまして、生産性、その生産年齢層の大幅な幅を広げるという必要もあるというふうに考えておりまして、高齢者の雇用の促進、これも重要なことではないかというふうに思います。したがいまして、積極的に高齢者の就業を可能とするような環境づくり、これにも取り組んでまいります。 また、付加価値を高めるためには、地域団体商標制度の活用や見本市への出展など、ブランド強化に対する支援、推奨、土産品の登録あるいは名称認定など、地域の魅力を高める取り組みを行ってまいりました。 今後さらなる付加価値の向上が必要と考え、飛騨高山ブランド戦略を策定いたしまして、ブランド力の向上に取り組んでいるところでございます。 先ほども答弁で申し上げましたけれども、地域の経済を支える大きな力というのは、地域における消費の金額であります。地域の中でお金が循環するしっかりとした環境を構築することが必要ではないかと感じております。 それともう一つは、地元出身者はもとより、他の地域の方々からも憧れを持ってもらえる地域とする必要がございます。そのためには、いろいろな施策が総合的に実施される必要があろうと思います。 1つの例でとれば、子育てしやすい環境が整っている、あるいは可処分所得がふえるような賃金体系が高山市では構築されているというようなもの、それから、新たな起業を行う場合に起業しやすい環境が整っている等々、総合的な課題によって、他地域からの人々の就業意欲を喚起する、そんなような施策も必要ではないでしょうか。 今後も、事業者の労働生産性の向上、これとあわせて各種施策を組み合わせながら、産業の維持、発展に努めてまいります。 ○議長(水門義昭君) 岩垣議員。 ◆9番(岩垣和彦君) 市長からいろいろお話をいただきました。 当然こういう状況になりますと、人手不足の中で、生産性の向上と付加価値の向上ということでお話をされました。 労働生産性の向上は、私も非常に重要な視点だというふうに思っています。ただ、付加価値の向上策ということでブランド戦略のお話がございました。これも、商品ブランドとか、そういう特定のブランドをやはり外に周知するというのは非常に重要なものだと思いますし、1つのものを売るために、収益を上げるためにそういうことをすることは非常に大事な視点だというふうに思っているんですが、地域の活動のもとのブランドというものをやはり外に売るというのは非常に難しいハードルがあるというふうに思います。 それ以前に、市民の皆さんがそのブランドに対する意識をどれだけ持っておられるのかというところが議論になってくるのではないかと。 特に、もしそういうブランド戦略を掲げておられるのであれば、いつまでに、どういう状況に達成をするのがブランドの向上に該当するんだというところが若干見えないところが、私は、なかなかジレンマを覚えるところではないかなというふうに思います。 したがって、市長が申し上げられましたブランド戦略の話も、たしか文教産業委員会のほうにも協議もされたというふうに思っておりますが、議会のほうでもそれに対しての意見というのを幾つか述べたようでありますが、そのことに対するまた考え方というのを行政のほうからは私も伺ったことはありません。その辺についての市長のお考え方、もう一度お伺いしたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) 御質問の件でございます。 私ども、報告を伺っております。今、御指摘いただいている件については、早急にそれぞれの方向を定めるべく、調査研究を今しているところでございます。 前から申し上げておりますけれども、ブランドを外に売り出すためには、私ども自身が自信を持って郷土の歴史伝統文化、さらには地域そのものに私たちが誇りを持たなければならない。それが訪れた方々に空気の中で感じていただける、そういう地域づくりが必要ではないか。そのためには、商工業、観光業というところにこだわらずに、いわゆる学校教育の中でも必要であろうと思いますし、地域活動の中にもそれが反映されなければならない。そういう総合トータルの仕組みづくりをこれから構築できるような具体的な施策について、今、検討させていただいているところでございます。 ○議長(水門義昭君) 岩垣議員。 ◆9番(岩垣和彦君) 確かにおっしゃるように、総合的な観点で取り組まれることは非常に大事な視点だというふうに私も思っています。 ただ、その中で、地域の活動の中で、やはり地域住民がいろんな伝統や行事を継承していくという姿は、やはり素朴にそれを培ってきた人たちが子や孫の世代にしっかりとしたものを教えて、決してブランドを高めるためにやるわけではなくて、それを孫や子どもに歴史的に教えていく、このことこそが一番素朴にやっている地域の活動だと私は思っているんです。 したがって、そういう活動を売るということよりも、行政がやっぱり心してやってほしいことは、継続できるようなシステムをどうやって下支えできるかという水面下の話だと私は思いますので、ぜひともそういうことの視点に立って、やはり地域を支える取り組みを今後とも取り組んでいただきたいなというふうに私は申し上げておきたいと思います。 それでは、次、市民所得が増加しない要因はどこにあるのかというふうで通告をしております。 この問題につきましては、6月議会でも質問をしておりますけれども、前回は、格差や貧困が拡大しているのではないかという問いに対しまして、市長のほうから、平成23年に1人当たりの平均所得ということで253万円というようなお話がございました。今後の調査を含めて、内部協議に時間を要するというようなお話もございました。 今回は、雇用、経済、産業という再生の視点で質問をしております。   〔パネルを示す〕 前回も質問で取り上げておりますけれども、ここに平成20年度と27年、黒が平成20年、赤が平成27年で、縦軸が市民所得の総額であります。単位は100億円単位であります。横軸が所得階層区分で200万円以下から200万円超を超える部分であります。 この棒グラフのパーセンテージは、グラフの下の所得階層の納税義務者数がどの程度の所得階層に割合を持っているのかというパーセンテージであります。 これを見ますと、圧倒的に200万円以下の層が75%以上を占めているのが実態でありまして、特に平成27年を見ますと、若干200万円以下の層が減りましたけれども、逆に減った分、200万円から300万円、300万円から400万円という所得層が若干ふえている。しかしながら、400万円から700万円を超える層では、これは団塊の世代が退職したということもあると思いますが、若干減っているということであります。 特に、平成20年は総所得額で約1,166億円ありまして、平成27年には1,070億円まで減少しているのが実態であります。こういったことを含めて、やはりいろんな状況が酌み取れるわけであります。 これはあくまでも所得階層、所得課税ベースでの数字でありますので、これが全ての数字だというふうな私も認識を持っておりませんけれども、1つのデータとしてやはりこれらを見ていく、傾向を見ていく必要があるのではないかというふうに思っております。 全体的に所得が小ぢんまりする、そういったことによって、特に高所得者層が減少している傍ら、所得層が低位から中位に集まって、全体的に、小さくまとまるような方向が見受けております。 そこで、市民所得の水準の低下というのは、市内のGDPに直結して低下しているような状況もございます。全体の所得やGDPが下降しているような要因をどのように捉えて、今後対策をとられていくお考えなのか、伺いたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 清水商工観光部長。   〔商工観光部長清水孝司君登壇〕 ◎商工観光部長(清水孝司君) 住民税におけます所得金額というのは、課税を行うための基準で算出されておりますので、その時々の税制改正の影響も受けておることから、所得の分析にはこの所得金額をもって分析するというのは限界があるというふうに考えてはおりますが、議員おっしゃるとおり、全体の方向性を見る資料としては参考になるものであるかなというふうには考えております。 住民税におけます1人当たりの市民所得につきましては、平成21年を底に、近年、3年連続して上昇しているような状況でございます。 また、県が発表しております市町村民経済計算結果によりますと、市民所得は、公表されております最新データが平成25年度の数値でございますけれども、平成20年度に対しましてマイナス0.2%と、リーマンショック前とほぼ同水準まで回復をしてきているということでございますし、その間、人口は減少しておりますので、1人当たりの市民所得ということで見ますと、平成21年を底に毎年上昇しておりまして、現在は平成20年度を上回っているというような状況になっております。 リーマンショックですとか、東日本大震災によりまして大きな影響を受けました市内の経済でございますけれども、人口減少というマイナス要因を乗り越えて、着実に回復してきているというふうに分析はしております。 ○議長(水門義昭君) 岩垣議員。 ◆9番(岩垣和彦君) 回復をしているというような断言をされました。 確かに平均値で見れば、確かに回復をしているのかもしれません。ただ、私が言いたいのは、去年よりもことしは所得が、収入が1万円ふえたから、2万円ふえたからよかったのか悪かったのかという話をしているわけではないわけです。 通告が、所得が減少しているのでというような通告だったので、そうじゃないんだというお話かと思いますけれども、所得の階層がやはり中位に集まってきている、これは低所得者のほうは当然非正規から正規に移ったり、そういう状況や環境が変わってきたのでよかったというふうに思います。 先ほど市長が、年間1人当たりの消費は100万円から200万円だとおっしゃいました。収入が200万円の人が、100万円使いませんよ、現実に、消費のために。だから、所得が多い人は、それだけ200万円使って、さらに300万円使う。そういうような状況をいかに組み立てていくかという方向性が大事なんじゃないですか。 私は、去年よりもことし、1万円ふえたからよかった悪かったという話をしているわけではないので、大局的に、総合的にどういった政策が、そういう高所得者層もどんどん伸びてもらって、稼いでもらう。低位の人たちはやはり中位に持っていく。そういう総合的な取り組みが必要ではないかなということを申し上げたわけであります。ぜひとも、今後ともそういった方向性を持って、見識を高めてもらって研究してもらいたいというふうに思います。 次に、人口減少社会においての所得の増加、先ほども市長のほうから答弁がありました。労働生産性の向上が重要と考えるわけであります。市民所得の増加のために市が公共投資を積極的に行う考えはないかというような趣旨であります。 GDPの減少要因としましては、やはり消費の低迷や設備投資の減少、新築、住宅着工数の減少、一般的な見方、数々あります。市民や民間で自ら需要が喚起できないとなれば、やはり公共投資を行い、その投資効果に即した一般の需要を喚起する方法が必要であります。言いかえれば、その背景によっては、公共が投資しなければGDPはふえないとも言えます。 今後、生産年齢人口の減少で余剰となる労働者がいなくなることは、既存産業の振興や発展の希望が見えなくなるわけであります。 1人当たりの労働生産性を向上させ、生産力を向上させる対策を打つことは絶対条件であります。そのための公共投資、生産向上性のための公共投資は非常に重要であると認識をしております。 特に、広範な面積を有する高山市の重要な視点としては、1つは、交通インフラの整備であります。移動時間の短縮は、やはり生産コストを縮める。これは明らかであります。特に中部縦貫道、平湯から松本間の工事着工の要請、市内における道路網の整備、特に国府見座線や宮トンネルの完成、それから国道361号の全線開通、市内には江名子松之木線の話も出ています。石浦バイパスの工事の計画もあります。まだ中部縦貫道、坊方から平湯間の交通インフラの整備も大変重要な視点というふうに思っています。 もう一つの視点は、生産向上のための企業の設備投資など、市として支援が整えられるのであれば、やはり行政が行える一つ一つの産業に対しての生産性向上への視点と考えるべきでもあります。これが結果的に実質賃金の上昇に結びついていく施策だというふうに思います。 今回の補正予算にもありましたけれども、介護ロボットの導入、こういった人工知能、非常に技術が革新的に飛躍をしております。こういったものの導入の支援補助を企業に対して積極的に打ち出していくことが1つの生産性の向上だというふうに思います。 こういった公共投資に関して積極的に行うべきというふうな認識でおりますが、どういった見解をお持ちなのか、伺いたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 清水商工観光部長。   〔商工観光部長清水孝司君登壇〕 ◎商工観光部長(清水孝司君) 生産年齢人口が減少していく中で市民所得を増加するためには、労働生産性の向上が大事だということは、この前にも申し上げたとおりでございます。 ただいま御紹介のありました道路の関係ですけれども、輸送時間、輸送コストの縮減を図るというのは大変大きな課題でありまして、有効な手段でございますので、そういったための道路整備というのも非常に大事だというふうに考えておりますし、事業の効率化のための最先端技術の導入というのも非常に重要な課題であろうというふうに思っております。 これらを駆使して労働生産性の向上を図ることが、減少する労働力を補う有効な手段であるというふうに考えております。 商工会議所または商工会、市内金融機関などと連携強化を図りまして、事業者への積極的な設備投資の支援を行ってまいりたいと考えております。 ○議長(水門義昭君) 岩垣議員。 ◆9番(岩垣和彦君) 特に道路については、やはり公共でしかできないという、国や県や市しかできない、商工会議所も協働してやるというのは、やはり経産省の補助金を含めてやれる部分は多々あるんだと思いますが、そういったことも必要ですけど、公共しかできないところは、道路とかそういった基盤環境に特化しますから、ぜひともそういった視点を重点に置いて投資をお願いしたいなというふうに思います。 次の質問に入ります。高山市の都市像ということで通告をしております。 これまでも議会の一般質問の中でも、6月議会には中筬議員、3月議会には水門議員が公共施設の総合管理計画や、コンパクトシティ立地適正化計画等々について質問がされております。 私も、こういった八次総合計画や都市計画の問題、それから都市再生特別措置法、こういった絡みの中で、今後どうやって地域づくり、都市づくりがされるのが本来の姿なのかという視点で質問をさせていただきます。 合併の検証から支所地域の将来像をどう描き、それに責任を持って地域に住み続けられる取り組みを本気で整えようとしているかということであります。 こういった地域を大切にしなければいけないという視点は、皆が共通な視点だと認識をしております。そのために、やはり地域ごと、支所地域ごとの人口の推計がどうなっていくのかということも、現場実態としては非常に大事な視点だというふうに思いますし、その上で必要な産業政策、地域政策、雇用政策、居住を続けられる政策、どのように踏み込んで考えておられるのか。やはり高齢化は地域の中では待ったなしの状態であります。支所地域の将来像をどう描いているのか、合併の検証から地域政策として必要な政策、これが見出されたものは一体何なのか。 また、先ほども言いましたけれども、そういった遠隔地を含めて新設道路のあり方というのは非常に大事な視点だというふうに思いますし、合併当初は、高山市内全域から市中心部まで30分圏構想という、そういった構想も言われておりました。これらの背景を踏まえて、やはり地域に対してどういった方向性を描いて、そのために市として取り組んで、地域を活性化するために取り組む、そういった考えが、どういった考えがあるのか、伺いたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 西倉副市長。   〔副市長西倉良介君登壇〕 ◎副市長(西倉良介君) 私のほうからお答えさせていただきます。 まず、合併10年後のどういった検証をしておるのかということでございます。 昨年の9月の定例会におきまして、市長のほうから合併10年を振り返ってということで見解を示させていただいております。 再度繰り返させていただきますが、合併後の10年間、個性ある地域の連携と協調というのを柱としまして進めさせていただいたと。地域の資源を共有し、強みとして対外的に売り込むこともでき、また、いろんな面で連帯感を持つということによって、よい関係が生まれて、大きな地域としてまとまってきた、そういった趣旨をお答えさせていただいております。 合併後の10年というものは、各地において、市民と行政がさまざまな課題への対応を模索しながら連携し、一体感と連帯感あるまちづくりを進めてくることができたというふうに捉えさせていただいております。 しかしながら、議員お話しのとおり、その間、地域によっては急速に人口減少が進んでいる地域もございます。今後、地域の担い手が不足し、地域コミュニティーの維持が困難になるとともに、経済活動が縮小し、産業が衰退するなど、地域振興全体に対する影響も懸念してきております。 誰もが住みなれた地域で生活できる環境であることが望ましい、それは願うものではございますが、ただ、全ての地域が一様に同じ環境を整えて、その地域のみで生活が完結する、そういった状況をつくっていくということは、今後、要するに持続していくということは大変厳しい、難しい状況にあるのではないかというふうに思っております。 そうした意味で、各地域が持続可能な地域であるためにも、地域の特徴を生かした個々の地域づくりに加えまして、今後は地域の枠を超えて、相互の特徴と役割を生かし補完し合う、そうした方向性も重要であるというふうに考えております。 そのためにも、今手がけてきております八次総を中心とする実施計画の着実な進行ですとか、さらには、公共施設の総合管理計画、そして、先ほど来お話があったとおり、アクセスとしての公共事業、土木事業の推進、そうしたものも非常に貴重な要素となってきておりますので、そうしたものを真剣に、積極的に、また市としては取り組んでいく所存でございます。 ○議長(水門義昭君) 岩垣議員。 ◆9番(岩垣和彦君) 副市長のほうからお話がありました。私も全く同感でありまして、確かに地域を大事にしなきゃいけないということは現実にありますけれども、そこで独立していくというのは非常に困難な問題でもある。したがって、道路のアクセスというのは非常に大事である。当然道路をつけることによって失われるものも当然出てくると思います。ただ、そのことによってまた課題が見出されるわけで、それをまた課題として捉えて、どうやったら課題解消ができるのかというのは、何かが、事案が発生するからそれに向かっていけるわけで、やはりそのことを繰り返してローリングするしかないというふうに思いますので、ぜひとも積極的な取り組みをお願いしておきます。 次に、立地適正化は、都市機能の配置の枠組みを変えることで土地利用を進める計画でもあると。この是非は、ふだんからこの議場や委員会の中でも議論があります。 この議論は別としても、都市基本計画の目的と一定のところでは合致するということがありますので、都市の将来像を模索するために、もう一度都市基本計画のあり方を再認識すべきではないかというふうな思いがありますが、どういった考えでおられるのでしょうか。 従来の都市計画というのは、やはり人口増加を背景に経済を成長させて、人口を適切に都市空間にフィットさせていくことが都市計画の役割とされてきたというふうに思います。しかし、人口が減少に転じたことで、これまでは都市空間を拡大させましたけれども、今後は人口減少を迎えることに当たって、都市空間が余り始めてくる、こういった現状があります。 そのことを踏まえて、やはり八次総の中でも盛り込まれておりますまちづくりの考え方として、インフラ整備の選択と集中、土地利用の複合化、施設の再配置など、立地適正化が掲げるコンセプトと同じ意味合いを持っているという認識を受けます。立地適正化計画の是非は別としても、市は既に八次総合計画の中に、立地適正化を掲げる目標と同じ意味合いの考え方を共有していると認識をしております。 これらから、立地適正化の考えは既に八次総で一部踏襲され、もう一つ言えば、都市基本計画は、これらの施策を誘導できる計画であるということを考えるべきであるというふうに思います。 目標とする都市像をつくり上げるための計画であることを前提として、都市基本計画の重要性を再認識して、実効性ある都市基本計画を見直すことを視野に入れて、将来都市像を描くべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ○議長(水門義昭君) 東基盤整備部長。   〔基盤整備部長東泰士君登壇〕 ◎基盤整備部長(東泰士君) 高山市都市基本計画、いわゆる都市マスタープランにつきましては、都市計画法18条の2の規定に基づき、当市における都市計画に関する基本的な方針を定めたもので、この立地適正計画との関係につきましては、これは都市マスタープランの一部というふうに位置づけられているところでございます。 おおむね20年後を展望する長期的な視点に立った計画で、今の計画は、平成24年3月、都市計画区域の拡大に伴って見直しているところでございます。それ以降、第八次総合計画を策定いたしましたが、今ほど議員おっしゃられたように、基本的な取り組みの方向性は変わりないというふうに思っております。 現在のこのマスタープランにおきましても、やはり人口の減少を背景とした、それを大きな課題と捉えまして、都市機能が集積した集約型の市街地の形成、中心市街地の活性化、歩いて暮らせるまちづくり、既存ストックの活用、あるいは市街地と周辺区域のアクセス道の整備など、コンパクトプラスネットワークという視点での立地適正化計画の方向性と同様の方針が掲げられているというふうに私ども認識しておるところでございます。 また、各種都市計画事業の推進にも支障がないというふうに判断しているため、現在は見直しは進めておりません。 しかしながら、今後見直すに当たりましては、岐阜県の定める、これは都市計画区域マスターというものがございますが、それとの整合を図っていく必要があるため、その改定のタイミングを見計らって見直しを進めていきたいというふうに考えております。 ○議長(水門義昭君) 岩垣議員。 ◆9番(岩垣和彦君) 県や国の体系的な仕組みとは当然整合性をとらなきゃいけないというお答えでありますけれども、やはりこういった都市マスタープランの位置づけというのは、やはり都市の将来のあり方としては非常に大事な取り組みで、国や県が全てを担保するなんていうことはあり得ないわけですから、やはりぜひとも高山市の責任を持った都市像のあり方を模索していただきたいというふうに思います。 それで、次の質問でありますが、高山駅周辺エリアの都市活動拠点の形成や、中心市街地への都市機能の集積など、長期展望に立った将来都市像をどう考えているのかということであります。 これまでは、先ほども申し上げましたが、経済成長のための都市づくりでありましたが、人口減少の中では、経済成長を前提にした都市のありようを模索することには検討する必要な時代になった。今後、都市空間が余ってくる段階の中で、都市はどう使われ、都市計画はどう機能すべきなのかが問われることになります。 重要なことは、都市のために都市を縮小するのではなくて、主体的にそこに住む人々が都市を使いながら適切に縮小して、このときに必要な都市計画をどう組み立てるのかが行政として大きな課題だというふうに思います。市民や事業者を政策誘導することで、にぎわうまちづくりを実施し、地価の向上に結びつけることも大変重要です。 また、中心市街地区域にあっては、一時の判断によって中心市街地のエリアの拡大や縮小、これは将来の都市像を考えるに適切だとは言いがたく、中長期を視野に入れた都市づくりの方向性が定まってはいないのではないかというふうな疑問を抱かざるを得ません。 本年10月2日に高山駅の自由通路が供用開始となります。西口は、街路事業等の整備が整い道路も広くなったことや、区画整理事業が生かされて、著しく発展を遂げることが十分に考えられます。既に外部資本による新たな計画も出ています。これらを踏まえ、今後、東口、東側、西側の都市機能の集積とすみ分けをどう考えて、また、中心市街地との連携をどう図って都市を構築する考えなのか、また、地価を上昇させることは経済活動を営む上で都市計画に求められる重要な役割でもあるというふうに思います。これらを視野に入れた市中心部における都市像をどう考えているのか、伺いたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 東基盤整備部長。   〔基盤整備部長東泰士君登壇〕 ◎基盤整備部長(東泰士君) 今、駅周辺地区で整備を行っておりますが、これまではどうしても駅の東、駅の西ということで、それぞれ2つの地域があるように思っておりますが、今、JRアンダーパスの開通や、あるいは東西自由通路が開通することによりまして、駅の東西というのは密接な関係ができまして、多分駅の周辺地区は一体というふうな、今からのそこが1つ大きな拠点となるだろうというふうに思っております。 これらを踏まえますと、やはりこれらの事業が十分にその効果を発揮しますように、引き続き駅の西側の部分につきましても、地域の発展、あるいはまちのにぎわいという観点で、その部分は拡大していくことを期待しているところでございます。 あと、中心部のまちのあり方についてでございますが、今ほど話しました駅の周辺地区、これは1つの拠点というふうに、私、今申しましたが、そこが拠点であるならば、現在の川の東にある観光地区を中心にするのも今までの拠点だというふうに思っております。 今新たな駅の拠点ができることによりまして、両方の拠点をそれぞれがにぎわいを持たせることに、またそれを連絡させる施策を進めることによって、より中心市街地の活性化、にぎやかなまちがつくれるだろうというふうに考えております。 まず、1つは、先ほど御質問がありましたが、中心市街地の拡大という部分につきましては、活性化基本計画に定めております中心市街地の活性化の区域につきましては、コンパクトシティという観点から、やはり今の区域の拡大をせずに今の区域を維持していきたいというふうに考えております。 ○議長(水門義昭君) 岩垣議員。 ◆9番(岩垣和彦君) 中心市街地区域は、エリアは拡大をしないというお話でしたけれども、確かに部長おっしゃったように、西側と東側がやはり一体感を持って形成できる中心市街地の形成が可能であれば、それはエリア拡大は必要がないかというふうに思いますけれども、コンパクトシティの話とこの中心市街地のエリアの話は、若干ニュアンス的には違うんじゃないかなというふうに私は思いますので、将来的な都市像のあり方というのを通告しておりますので、ぜひともそういった20年、30年先の長期のスパンの中で、高山市の都市のあり方がどうであるかということを想定しながら、やはり計画をつくり上げてほしいなというふうに申し上げておきたいと思います。 それでは、次に、4点目でありますが、平成24年3月に拡大した都市計画区域に対する徴税への考え方と、描く都市像を実現するための都市計画事業をどう考えているかということであります。 都市計画税は、都市計画エリアにおけます都市計画事業によって発生する受益者のエリア内の土地や構築物に課税をしておられます。その課税を、清見、丹生川、国府の一部の地域について、以前、徴税については10年間据え置くという考え方でありました。今5年か6年後になると思いますが、10年後の徴税についてどう考えておられるのでしょうか。 また、現在まで生活インフラや道路インフラがある程度整っている実態を踏まえて、さらに支所地域間の独自性がまだまだ色濃くある中で、公平性が享受できる都市計画事業といったものは、具体的にどういったものがあるのか、伺いたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 東基盤整備部長。   〔基盤整備部長東泰士君登壇〕 ◎基盤整備部長(東泰士君) 都市計画税につきましては、街路整備や下水道整備といった都市計画事業、土地区画整理事業に要する費用に充てるための目的税で、課税の区域は都市計画区域でございます。 平成24年3月に拡大しました都市計画区域においては、都市計画事業等を実施する計画がないため、都市計画税については平成31年度まで賦課を見送っているところでございます。そのときに、どうして都市計画区域を指定したのかということでございますが、中部縦貫自動車道や国道41号高山国府バイパスの整備に伴う周辺の乱開発等が懸念され、適切な土地利用の促進、建築確認の実施などにより、住環境の保全が必要との判断により都市計画区域に追加したものでございます。 都市計画事業でございますが、現在のところ、拡大しました丹生川、清見、国府地域において、具体的な都市計画事業の予定はありませんが、今後、都市環境の変化等を踏まえ、検討していきたいというふうに考えております。 ○議長(水門義昭君) 岩垣議員。 ◆9番(岩垣和彦君) 今後検討していくというようなお話でありますけれども、先ほども申し上げましたが、確かに道路整備や道路交通網が発達してエリアを拡大せざるを得なかったということはあると思いますけれども、先ほども言いましたけれども、人口が減少し、都市空間が余ってくる中で、やはり今後どういった事業と整合性がとれるのかというところは、これは議論があるところだと私は思いますので、そういった課税は誰しも喜ぶものではありませんけれども、そういったことが、整合性がとれるような事業というのは、非常に今後難しくなってくるんじゃないかなという、私は認識を覚えます。 今後、この議論については注視をしなければいけないというふうに申し上げておきます。 次に、広範な高山市の将来像は、交通政策と密接に連携した新たな都市基本計画の策定、住み続けられる地域の将来像の実現を目指し、もう一歩踏み込んで議論を本格化させる必要はないかということで通告しております。 道路交通政策を念頭に置きまして、都市の将来像を考えることは、道路建設から企業立地、居住、移転など都市計画を誘導する都市基本計画の変更の議論が重要となってきます。 また、地域と中心部を連絡する道路交通政策が高山市の都市の将来像と密接に絡むことは必然であります。市内各地から移動時間が短縮をされることで、多様な新たな枠組みが形成されるばかりではなくて、そこから住環境や就労環境に変化が生まれることによって、市民の捉え方も発展的に変わっていくことが考えられます。 これら地域における問題の解決策を大局的に捉えて対策を整える必要があるのではないでしょうか。 特に、物理的不条理、移動距離と移動時間に対する解決が地域を救うこと、先ほども申し上げましたけれども、第一歩と認識をしております。今後、国道361号線の早期完成、江名子松之木線の計画など、これらもあわせて、特に中部縦貫道の坊方平湯間のルートにおいて、上宝本郷地区を経由し、栃尾、新穂高地域を結ぶことによって、住民生活や観光振興にもつながってくるというふうな捉え方をします。 これらのルートの位置づけに対して、市はどう考えておられるのか。これらの実現によって、道路政策や公共交通政策による移動の時間の問題を通じて、都市のあり方、中心部と支所地域を結びつける都市のあり方が導き出されるのではないかと考えますが、見解を求めたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 東基盤整備部長。   〔基盤整備部長東泰士君登壇〕 ◎基盤整備部長(東泰士君) 議員仰せのとおり、支所地域を連絡する道路、あるいは都市間を結ぶ高速道路や地域間を結ぶ幹線ネットワークを整備することにつきましては、人や物の交流が活発に行われるとともに、持続可能な社会を構築するためには重要な政策だというふうに考えております。 今ほどお話がありました中部縦貫自動車道の丹生川平湯間のルートにつきましては、現時点では決定しておりません。したがいまして、私どもは、中部縦貫自動車道のルートが決定した段階で、高山市としての道路網の整備方針を検討、整理し、必要な対応を進めてまいりたいというふうに考えております。 なお、市としましても、中部縦貫自動車道の先ほどの丹生川平湯間のルートにつきましては、早期に決定していただきますよう、引き続き国のほうへ要望してまいりたいというふうに考えております。 ○議長(水門義昭君) 岩垣議員。 ◆9番(岩垣和彦君) この丹生川平湯間の問題については、これまでもいろんなところで各種団体も、いろんな要請も要望も意見も出されていることは認識していますけれども、先ほどから理事者の皆さんも御答弁にあるように、地域と中心部、どう結ぶかというのがやはり最大の議論で、そこに支所地域がそれぞれ独立していくというのが非常に難しい考え方を一方では示されたわけです。したがって、そういうものを少なくとも連絡していける、そういった道路交通網の整備というのは非常に大事な視点だと思います。 私は、市の考え方としてそこは明らかにした上で、あとは協議の段階になりますので、それはどこに落としどころを定めるかというのはこれからの話です。しかし、そこの視点が高山市になければ、その議論は始まらないんです。初めから落としどころありきでそこに向かっては、やはり次の話が私は進まないというふうな認識でおりますので、ぜひともそこには見解を持っていただいて、市の方向性を出していただきたいというふうなことをお伝えしておきます。 最後に、公契約について質問をいたします。市が行っている公契約全般において課題は捉えていないのかということであります。 私が公契約、特に公共工事に対してのいろんな事業者からの御意見もいただいております。その中で、幾つかの疑問やそういった声をいただいております。幾つか紹介をさせていただきますけれども、議会や委員会の中でも、常にそういった意見は頻繁に出されておりますが、繰り返しになりますが、特に事業者さんからは、やはり発注、工事の時期が重なっていないか、年間を平均して公共工事があるのか、また、現場の労働者の人材不足が慢性化していないか、公共事業における労働者の賃金が適正に配分されているのか、予定価格などは適正に積算をされているのか、十分な工期が与えられているのか、また、工事評定は県や国のレベルよりも厳し過ぎるのではないか、市の工事を敬遠したがる業者が今では結構ふえてきている、こんな実態も聞こえてきます。 また、契約変更、変更工事の協議など、発注者と受注者の間において、お互いの立場を尊重した上での協議がどれだけ行われているのか、公共工事に関して、事業者から発注者への意見や要望はどれだけ取り入れられているのか、現場労働者の確保策や、知識や技術継承等に関する企業努力が適正に評価をされているか、真に公平な競争がされているのか、幾つも疑問や課題が出されていると私は認識をしておりますが、これらの意見について、市はどういった認識を持っておられるのか、伺いたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 亀山財務部長。   〔財務部長亀山裕康君登壇〕 ◎財務部長(亀山裕康君) ただいま議員さんのほうから、契約全般についてさまざまな御意見があるというお話でございました。 私どもも、関係団体や事業者の皆様からお話を伺ったりする中で、そのような御意見があるというようなことについては十分認識をしております。 そうした点を踏まえまして、これまでも発注の平準化であるとか、受注機会の確保、適正な価格の積算、十分な工期の確保など、入札契約制度そのものや、また、予算のあり方等についても、いろいろ見直しを行ってきたところでございます。 公契約のあり方については、これでよいというような形はないものというふうに考えております。今後とも、社会経済情勢の変化や、また、関係団体や事業者の皆様方の御意見等を踏まえ、発注者としての市、それから受注者としての事業者の皆様、双方にとってよりよいものとなるように努めてまいります。 ○議長(水門義昭君) 岩垣議員。 ◆9番(岩垣和彦君) さまざまな視点で認識をされているということでありました。 最後になりますけれども、県が公契約条例を制定しました。こういった市や事業者の責任と役割を明確にするためにも、こういった条例が高山市でも議論をすべきではないかということで、この問題、何回も質問をさせていただいておりますが、これまでも市の考え方としては、県が定めたそういった条例を含めて、理念としての意義や認められるものの実効性や波及効果、調査等にかかわる事務処理など、多くの課題もあると。また、最低賃金法や労働関係法令に規定されているとおり、労働者の賃金を決定して、労働者の生活の安定や労働力の資質向上を図ることは国の責任で行われるべきと、国と地方の役割分担の観点からも直ちに条例を制定する考えはないというふうにされております。 また、県が制定をした公契約条例においても、制定の経過は注視をしておるけれども、同条例は理念条例であって、条例で規定される受注者、発注者の責務等は、それぞれの建設関係法令に基づく基本方針や指針等を遵守することで一定程度果たすことができるため、条例の制定の考えはないというふうにされました。 市としては、労働者の生活安定や労働力の資質向上策は国の責任だと、国と地方の役割を明確にすべきという考えであります。 しかし、これによって現場では、先ほども申し上げました、数々の課題を抱えながら、解決策に糸口を見出せずに、協議や議論などこういった行う場面も少ないのも事実であります。 また、公契約は、発注者と受注者間の契約によるものでありまして、建設関係法令に基づく指針のみで解決できる問題でもないというふうに思っています。発注者と事業者の役割と責任を明確にすることで、公の契約として建設関係法令が生かされるものと考えます。 そこで、市は、公契約条例に関しての考えは依然変わらないのか、伺いたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 亀山財務部長。   〔財務部長亀山裕康君登壇〕 ◎財務部長(亀山裕康君) 公契約条例につきましては、実効性や波及効果、最低賃金法や労働関係法令との関係、または国や地方の役割分担等の課題が指摘をされている中で、市の責務として、公共サービスの実施に従事されている皆さんの適正な労働条件の確保、その他労働環境の整備に関し、さまざまな観点から取り組みを進める一方で、公契約条例そのものについての議論も進めてきたところでございます。 御案内のとおり、他市で制定されている公契約条例を見てみますと、賃金の最低基準を定め、その支払いを義務づける内容を盛り込んだ条例、あるいは発注者や受注者の責務をうたうなどにとどまる理念的な条例、大きくいってこの2つに分類されるというふうに考えております。 今ほどお話がありました岐阜県が制定をいたしました公契約条例は、後者の理念的な条例に分類されるというものと考えております。 市といたしましても、理念的な内容にならざるを得ないとしても、公契約条例という形で、公契約に関する基本的な考え方や、市及び事業者等の責務を明らかにして、ともに共有し取り組んでいくということは、事業者等の経営の安定、公契約に従事する皆様の適正な労働条件の確保等、労働環境の整備等の取り組みの促進に寄与するものと考えておりますので、関係団体や事業者の皆様の御意見を伺いながら、公契約条例の制定に向け、前向きに取り組んでいきたいと考えております。 ○議長(水門義昭君) 岩垣議員。 ◆9番(岩垣和彦君) 部長のほうから、前向きに検討を進めていきたいというお話がありました。 大変ありがたいことだというふうに思いますし、私も、条例を制定すれば、全てが万々歳にいくなんてことは思っていません。ただ、いろんな事業者からの課題、そして市の責務、こういったものを両者で補完し合って、いい公契約になることを願うものであります。 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(水門義昭君) 以上をもって、岩垣議員の質問を終わります。  ―――――――――――――――― ○議長(水門義昭君) 休憩します。     午前11時27分休憩  ――――――――◯――――――――     午前11時39分再開 ○議長(水門義昭君) 休憩を解いて一般質問を続行します。  ―――――――――――――――― ○議長(水門義昭君) 次に、松山議員。   〔12番松山篤夫君登壇〕 ◆12番(松山篤夫君) 早速、通告に基づきまして、市の組織のあり方について質問させていただきます。 日本の基幹産業として高い技術力で世界を席巻してきた家電、電子産業は、なぜこんなに短期間に凋落してしまったのだろうか。その答えを探すことは、私たちにとって大切なことではないかと考えます。なぜならば、現時点で競争力を持っている産業も、いつ同じ境遇に陥るかわからないからであります。 その点で、ジリアンテット氏が展開する『サイロエフェクト』という組織論は貴重な示唆を与えてくれます。サイロとは、牧場で見かける牧草や穀物の貯蔵庫のことです。組織が大きくなると専門化した部署同士の交流が乏しくなり、サイロのような孤立した部署がたくさんできやすくなり、その結果として問題を多々発生させてきました。 この本の中で、サイロがイノベーションの芽を摘んだ典型例として、真っ先にソニーが紹介されています。同社は、デジタル音楽プレーヤーの開発に必要な人材、技術、関連組織を全て持っていましたが、アップルに大敗しました。サイロ化により、かつては創造力にあふれていたソニーの技術者たちは、際限のない縄張り争いに巻き込まれ、協力する意思や能力を失ってしまったからです。 他方で、サイロ問題は金融危機の原因にもなりました。欧米の金融当局や大手銀行の幹部は、心理的な視野狭窄やセクショナリズムに陥り、情報を共有できなかったため、危機につながるリスクを管理できなかったのです。 現在では、まだこの問題は企業組織の問題であって、国や地方自治体の組織の問題とは違うのではないかという認識が一般的ですが、行政にも長年の課題である縦割り組織の弊害をいかにして克服するのかという課題があります。 サイロエフェクトとは、高度に複雑化した社会に対応するための組織が専門家たちの縦割りのサイロになり、その結果、変化に対応できなくなってしまうことを指します。 今の世界はどんどんとつながってきており、全く別の分野で起きていることが自分の専門領域に影響を与えていることも多く、物事がいろいろとつながっていることや、常に変容を起こすことをきちんと理解することを求められます。さもなければ、未来への準備ができなくなります。 かつてニューヨーク市役所で副市長を務めたボブスティール氏は、何よりも重要なのは、自分の属するサイロの外側にいる人やアイデアとの出会いに対してオープンな姿勢を保つことです。日々の生活の中で、予想もしない人や物との出会いを進んで受け入れていくと、知らず知らずのうちに自分の文化的レンズが変わっていくのですと語っています。 そこでお伺いいたします。 市の解決すべき課題が複雑になり、多部門にわたって問題の共有と対応が求められています。従来の組織体制でさまざまな課題に柔軟でスピーディーな対応が可能なのでしょうか。市役所や市の職員のための組織という考えではなく、市民のための組織という視点で市役所の組織のあり方を考え直すのが時代の潮流とも考えられます。市のお考えをお伺いいたします。   〔12番松山篤夫君質問席へ移動〕 ○議長(水門義昭君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) 市ではこれまでも、多様化あるいは複雑化する市民ニーズの対応あるいは時代の変化との対応などに迅速、的確に対応していくために、機会を捉えて組織の見直しは実施してきているところでございます。 近年では、危機管理室や、あるいは海外戦略部、さらには環境政策部の設置なども行ってまいりましたし、窓口としては包括支援センターの総合窓口をつくらせていただいたり、いろいろその時期、その時期に合わせての対応をしてきたところでございます。 組織体制につきましては、市民にとってはわかりやすく、さらに具体的に効果がある、あるいは職員が政策実現に向けて意欲を持って取り組めるなど、さまざまな要素が求められると感じております。うまく機能しない場合には、既存の組織体制にとらわれることなく、柔軟に見直しをしていくことが大切であると考えております。 市民ニーズや時代の変化などに迅速、的確に対応できる効率的で機能的な組織体制の見直しにつきまして、先般、担当部署に指示をしたところでございます。 ○議長(水門義昭君) 松山議員。 ◆12番(松山篤夫君) 組織運営で大切なことは、部門間のコミュニケーションがあり、柔軟に対応できる弾力性ではないでしょうか。壁の厚い対応が難しい問題でも、職員のクリエーティブで新しい着想が生かされて道が切り開かれていく組織のあり方を期待いたします。 企業は目的集団、行政は福祉の向上を担い、住民サービスを提供するには、法体系というか、法の縛りがあるので、民間企業と同列には捉えられない面もあろうかと思いますが、例えば、これからの自動車産業のあり方を見るのも参考になります。自動車業界には、今でも鉄の板を曲げてつくるのが自動車だという考え方を持っている人もいるようですが、これからの自動車はそういうものではなく、ITと製造業と環境問題と都市計画が全て収れんした先に本当の自動車があり、製造部門、IT部門、法務部門、環境部門、マーケティング部門、CSR部門などがばらばらになっていては、あすの自動車はつくれないと言われています。 また、フェイスブックの例を見てみますと、彼らの歴史はまだ浅いのですが、規模は急拡大しております。そして、その中では、事業が分裂するのを避けるように、あえて社員が大部屋で働くようになっております。会社の中で自由に行き来させて、いろいろな部門でアイデアを交換していく努力をしています。 職員が自分の部署の仕事のみに固執して視野狭窄にならないように常に配慮をお願いしたいと思います。 次の質問に移ります。 縦割り組織にあって臨機応変な対応の事例を隣の富山市に見ます。富山市では、昨年7月にさまざまの部署から集められた女性7名の職員でプロジェクトチームをつくりました。彼女たちに与えられた課題は、シングルマザーが働きながら子育てしやすいまちにするためにはどういう施策が不足しているのかということでした。 いろいろな提案がなされ、その提案された全てが昨年の当初予算に予算化されました。女性でしか気がつかないような視点から提案されたのが、がんばるママに「ありがとうと花束」事業です。ひとり親家庭の子どもたちに花束贈呈券というものを配りました。この券で花束を買うと花束代は市が払います。そうすると、例えば母の日に、ママありがとうと言って花束を渡したり、お母さんの誕生日に花束を渡すことができます。890人の子どもがお母さんに花束を贈りました。お母さんはうれしかったと思います。気持ちが前向きになり、あしたから頑張るぞという気持ちになります。 そのほか、緊急時にSOSをコンタクトできる24時間の相談窓口をつくり、全ての小中学生に案内カードが配られました。昨年、隠岐に住んでいた親子が川崎へ引っ越して、いじめられて亡くなりました。お母さんは一生懸命シングルマザーで頑張って、忙しくて忙しくて子どもの思いに気づかなかったのです。子どももお母さんに心配かけたら嫌だと思って、ああいうことが起きました。そういうことが起きないように、子どもたちがいつでも相談の窓口に連絡できるようにフリーダイヤルにされました。 また、シングルマザーの雇用奨励金をつくり、事業主がシングルマザーを雇用した場合に月1万2,000円を2年間事業主に市が応援するという制度です。 このような成果がいろいろ出てきたので、今年度からきちんとした形で組織の壁を越えて、いろいろなテーマの施策をつくり上げるために、タスクフォース、特定の課題に取り組むために設置された特別チームが4つつくられました。 そこでお伺いさせていただきます。 組織の壁を越え、さまざまな部局から人をピックアップし、組織に閉じこもらない視点でいろいろなテーマの施策をつくり上げるプロジェクトチーム、特別チームを立ち上げることも市民ニーズに応える有効な方法であり、試みてはどうかと思いますが、市のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 西田企画管理部長。   〔企画管理部長西田純一君登壇〕 ◎企画管理部長(西田純一君) 市の抱えますさまざまな行政課題につきましては、広い行政分野にまたがる事項も大変多いことから、市では現在、全庁的または複数課の職員で構成しますプロジェクトチームや庁内推進委員会などの組織を設置し、特定の課題への取り組みや計画等の策定について協議や意見交換を行い、政策立案等に取り組んでいるところでございます。 組織の枠組みを超えて特定課題の解決を図っていくということで1つ例を挙げますと、部局を超えて関係します5つの課、具体的には企画課、子育て支援課、学校教育課、健康推進課、市民活動推進課によります子育て支援強化チームを地方創生推進本部ワーキンググループの専門チームとしてことし3月に立ち上げ、課題の情報共有、その改善に向けた取り組みの検討等を継続的に実施しておりますが、これも議員がおっしゃられたタスクフォース型のプロジェクトチームに当たるのではないかというふうに考えております。 また、今年度は、職員研修の一環として、市のさまざまな部局にまたがる若手職員に企画政策能力研修を受講していただき、政策提案や事務改善などについて、幾つかのグループに分かれて約3か月間のグループワークを行った後、その検討結果を発表してもらい、提案を事務事業などに反映していくことを予定しておりますが、この取り組みにつきましては、若手職員の仕事に対する情熱とか創造性、使命感、こういった若手の職員が持つ潜在的なパワーを引き出すことによって、若手職員のモチベーションの高揚や組織の活性化を図っていくことを目的としております。 このように、組織の枠組みを超えて特定課題の解決を図っていくことや、女性や若者などの目線での政策形成を行っていくことは大変重要であるというふうに考えており、今後さまざまな形で推進していきたいというふうに考えております。 ○議長(水門義昭君) 松山議員。 ◆12番(松山篤夫君) プロジェクトチームの様子を今お聞かせいただきましたけれども、計画をつくって終わりではなくて、横串だけではなく本当に実行し、検証していくあり方、そこのところがこれからプロジェクトチームによって求められていくのではないかと思います。 そして、プロジェクトチームをつくる際には、顔の見える形にして、きちんとした手続をとっていただく、そのことも要望し、職員の皆様の本当に熱いパッションと仕事に対する強いミッションによる課題への取り組みに期待して、この質問を終えさせていただきます。  ―――――――――――――――― ○議長(水門義昭君) 松山議員の質問の途中でございますが、休憩します。     午前11時55分休憩  ――――――――◯――――――――     午後1時00分再開 ○副議長(倉田博之君) 休憩を解いて一般質問を続けます。  ================ ○副議長(倉田博之君) 松山議員。   〔12番松山篤夫君質問席から質問〕 ◆12番(松山篤夫君) 午前中に引き続いて、午後は漆文化再興、こういうことでお伺いさせていただきます。 漆は、約6,800年前の縄文時代から漆器の制作に用いられてきた天然塗料であり、また、接着剤などとして使われてきました。現在も、国宝や重要文化財の美術工芸品や建造物の修理、高級漆器の制作に欠かせない存在となっており、日本人の精神文化の形成に深く影響しています。 漆は、漆を育てて得られる再生可能な資源であり、有機溶媒を用いない塗料として、環境保全やエネルギー有効利用の観点から貴重な天然材料と言えるでしょう。 ところが、昨今、伝統文化を支える国産漆の供給が危機的状況にあります。現在、日本の漆消費量40.5トンのうち、約90%を中国産が占め、国産漆はわずか3%程度にすぎません。これまでその国産漆は、高級漆器の生産者らによって主に上塗りの用途に使用されてきました。こだわりのある漆器生産者は、中国漆よりも国産漆のほうが耐久性にすぐれているなどの特性を指摘しています。 日本産漆の約7割を生産しているのが岩手県浄法寺町です。ここを中心とした地域です。江戸時代は、ろうそくの原料となる果実を多く採集する必要があったため、1本の漆の木からは数年に一度の頻度で漆を採集する養生かきと呼ばれる方法が行われていましたが、現在は1年で漆の採集を終え、その後は伐採してしまう。大体15年から20年木ですが、伐採してしまう殺しがきという方法をとっています。この方法でとれる漆の量は、漆1本からたったの200グラムと言われ、大変貴重なものになっています。 そのような中、昨年2月、国の補助事業として実施する国宝重要文化財建造物の保存修理に国産漆を使用する方針を文化庁が示しました。現在の国産漆の生産量を想定した取り扱い内容となっていますが、衰退が続いてきた漆の生産者にとっては福音です。だからこそ、職人が漆の木のかき傷からすくい取った一滴一滴の漆を無駄なく採集する技術は今まで以上に重要となっています。 人材を育成して生産量をふやすことは一朝一夕にできるものではありませんが、必要とされる漆の生産量の確保は急務です。このように漆を取り巻く環境は大きく変わりつつありますが、漆生産量の現場はいまだ楽観できない状況であり、漆産地が抱える3つの課題として、資源確保、後継者育成、漆かき道具の伝承があります。 林野庁林政部の長江良明氏によれば、文化庁において文化財建造物における漆の100%国産化に向けた取り組みとして、長期需要予測調査やふるさと文化財の森システム推進事業による供給体制整備等が進められています。また、国産漆は、高級漆器の上塗りなどに使われ、林野庁としても、文化庁、経済産業省や各府県と連携を図りながら、国産漆の産地の取り組みを支援していきたいとの見解を示しておられます。 そこでお伺いいたします。 高山市の漆生産の現状はどのようになっているのでしょうか。林業の活性化のため、また、伝統的工芸品春慶塗の品質維持のため、漆林の育成、漆かき職人の育成をどのようにお考えなのでしょうか。また、漆芸家の支援策をどのように考えておられるのか、お伺いいたします。   〔実物を示す〕 最初にお見せしようと思いましたが、我が家にある春慶塗の重箱とこれを持ってまいりました。中は入っておりません。
    ○副議長(倉田博之君) 清水商工観光部長。   〔商工観光部長清水孝司君登壇〕 ◎商工観光部長(清水孝司君) 現在のところ、飛騨市河合町の地内にあります市有林におきまして、飛騨春慶連合協同組合様に漆の植栽ですとか管理を行っていただいております。本年3月に同組合において伝統的工芸品産業の振興に関する法律に基づきます第4次振興計画を策定されまして、その中で、漆の採取ですとか精製などの漆かき技術の継承及び飛騨産漆の復活に向けた取り組みを始めていただいているところでございまして、市もそれらの取り組みについて支援を行っているところでございます。 本年は、これまでに精製前で約5キログラムの漆が採取されているところでございます。 また職人への支援というようなことでございますけれども、漆を取り扱う職人に限定した支援策はございませんが、今年度より伝統的工芸品産業における後継者確保、育成に向けて、技術習得費及び研修事業所への助成制度を拡充しており、8月から1名の研修員の方が現場で研修に入られているところでございます。 ○副議長(倉田博之君) 松山議員。 ◆12番(松山篤夫君) 次に、漆器のブランド問題について触れさせていただきたいと思います。 以前、ある英国人が京都の有名なお店の人から、すばらしい日本の技術だと勧められて高級な京漆器を購入。後日、その漆器に使われている漆は中国産であると判明。英語では漆のことをジャパンというほどですから、日本の伝統技術イコール漆だと一部の外国人は思っており、それが実際には中身がチャイナだったというのは大きな衝撃だったそうです。漆は中国産かもしれませんが、塗ったのは日本人の職人だから、すばらしい日本の技術だという売り文句にうそはないだろうと思う方もいるかもしれません。 確かに伝統工芸品には原材料まで表示する義務はないので、法的には問題ありません。普通の製品なら目くじらを立てる必要はないと思うのですが、これを世界に誇るとか世界一などの宣伝文句で売って、最初から最後まで日本の職人がつくったと思わせるような値段設定をしている場合、見過ごすことができない問題が出てきます。きちんと原材料の表示義務を課して、安物には安い値段、本物には高い値段をつけ、消費者に選ばせるべきだと思います。 漆を世界遺産にする動きがあるとのことです。工芸作家などが提唱しているようで、その理由は、日本文化の漆文化は世界に誇るべきものであり、そもそも漆は、先ほど申し上げさせていただきましたが、英語でジャパンと呼ばれるほどだから当然との説明です。 本物の伝統漆器は、まず山から始まるんだと思います。漆の苗を植える、漆をかく、その道具をつくる、塗る、それら全てが日本の伝統技術を取得した日本人によって行われ、初めて日本伝統の漆器と言えるのではないでしょうか。 日本の漆で日本の職人がつくった器、中国の漆で日本の職人がつくった器と、中国の漆で中国の職人がつくった器の違いをしっかり表示して、それぞれの価値に見合った価格をつけるべきだと言われています。 京都において、これはあくまで京都の話ですから誤解のないようにお願いいたしますが、これらの3つの製品が全て京漆器という名前で一くくりにされて売られています。これは、客である外国人観光客から見ると産地偽装にしか見えません。 そこでお伺いいたします。 高山における春慶塗の場合、その漆は全て国産品なのでしょうか。それとも、やはり中国産がかなり使われているのでしょうか。もしそうであるならば、どの程度中国産が使われているのでしょうか。そして、日本産の漆を使用した春慶塗と中国産を使用した春慶塗をきちんと表示しているのでしょうか。また、その値段はどのようになっているのでしょうか。お伺いいたします。 ○副議長(倉田博之君) 清水商工観光部長。   〔商工観光部長清水孝司君登壇〕 ◎商工観光部長(清水孝司君) 飛騨春慶におけます漆の産地別の使用比率につきましては明確なデータがございませんが、国産漆の価格が中国産漆の7倍から8倍というような状況であることから、中国産漆の比率が高くなっているというように考えております。 また、飛騨春慶におけます漆の年間使用量というのは、昨年で約220キロほどというふうに聞いております。国内産漆の国内総生産量が約1トンという現状において、必要量を確保することは非常に困難であるというふうに考えております。 そうしたことから、現在では、製造工程において国産漆のみで仕上げることは少なく、下地塗りを中国産漆で行って、仕上げ塗りを国産漆で行うということが一般的になっている状況でございます。 国指定の伝統的工芸品としての表示規定におきましては、漆は天然漆を使用することとなっておりますが、産地を特定しておりませんので、漆の産地表示については実施をしておりません。また、使用した漆による異なる価格設定ということについても行っていない現状でございます。 ○副議長(倉田博之君) 松山議員。 ◆12番(松山篤夫君) 2点行われていないというものをぜひ行うような方向で支援策、推進策をお願いしたいと思います。 次の質問に移ります。 3と4を一括でお伺いいたします。 飛騨高山ブランドとしての春慶のあり方としてはどのように定義しておられるのでしょうか。よりブランド価値を高めるためにも、日本産のみを使用する春慶を推し進めていくお考えはあるのでしょうか。 春慶の飛騨高山ブランドに対する現状と今後の展望についての市の御見解をお伺いいたします。 ○副議長(倉田博之君) 田中ブランド海外戦略部長。   〔ブランド海外戦略部長田中明君登壇〕 ◎ブランド海外戦略部長(田中明君) 飛騨春慶は、国で既に伝統工芸品として認められておりますので、市として、飛騨高山ブランドとして改めて何らかの規定を設けるなどの、飛騨春慶をブランドとして定める考えというのは今のところ持っておりません。 ただ、議員御指摘のとおり、飛騨春慶に限らず、飛騨高山でつくり出される産品の原材料につきまして、飛騨高山もしくは国内で産出されたものに限定することは、ブランドの価値の向上につながるというふうには考えております。 ただし、現実には、天然資源の減少であるとか、漆を調達する森林産業の衰退などによりまして、国内産の原材料の不足と値上がりが進みまして、国外産を活用しないと産品そのものが失われる可能性があるということもございます。 そうした現状を踏まえまして、飛騨春慶においても、生産者組合とともに、原材料や産品のあり方を含めて、ブランド化について考えていくことが必要であるというふうに捉えております。 また、現状と展望につきましてですけれども、飛騨高山の歴史とかかわりや、その独自の技法によりまして、国指定の伝統工芸品として認定されておりますので、市内の各所でも代表的な地場産品として販売されております。 ただ、しかしながら、先ほど商工観光部長が述べましたような伝統工芸品の規定を満たしていない商品も売られているという現状もございます。今後は、そうした現状を踏まえまして、生産者組合の方々と相談をしながら、産品本来の魅力あるいは価値を磨き上げて、ブランド化していくことが重要であるということを考えておりますので、その上で原材料にこだわっていただくなどの産品の高付加価値化の取り組みに対しても支援をしてまいりたいというふうに考えております。 ○副議長(倉田博之君) 松山議員。 ◆12番(松山篤夫君) 国内で春慶塗というのは、飛騨春慶のほかに秋田県能代市の能代春慶、茨城県城里町の栗野春慶等があり、この3つを日本三大春慶といいます。 飛騨春慶は、昭和50年2月17日、通商産業省の伝統的工芸品に指定されています。高山市の誇るべき伝統工芸品、飛騨春慶を守り抜くために、しっかりとした支援をお願いしたいと思います。 次の問題に移らせていただきます。 次は、観光政策について、スイスのツェルマットの事例を取り上げさせていただいて質問させていただきます。 今日、世界中が先行き不安定で不透明な状態になっています。英国EU離脱を見ても、中国の先行きを見ても、そのことは明らかで、成長成長と言わずに、むしろ低成長を前提にするほうが現実的ではないかとも考えられます。 従来の成長主義、効率主義、競争主義といった価値観の転換が必要で、常に成長を考えてきた時代から、これからは低成長時代だという見方の中で、観光産業のあり方も変化が求められているのではないでしょうか。 スイス最南端、マッターホルンの麓の国際山岳リゾートであるツェルマットで、25年以上カリスマ的な観光事業者として活躍されている山田桂一郎さんという方がおられます。この方は、世界同時不況でも観光収入の減らないスイスという国、ツェルマットという地域がどのように成り立っているのか、その根源を現地で学んでこられた方で、内閣府、国交省、農水省認定の観光カリスマで、和歌山大の客員教授も務められておられます。その山田さんは、今の豊かなスイスを築き上げてきたのは、基本哲学を共有する無名の住民たちだ。その草の根の力は、地域に根差した総合産業である観光において最も威力を発揮すると話しておられます。 世界同時不況でも観光収入の減らないスイスという国、ツェルマットという国がいかに成り立っているのか、次のように言っておられます。人口約5,700人のまちに年間約200万泊という宿泊客が訪れます。しかも、顧客満足度は極めて高く、宿泊客の7割以上がリピーターというホテルも少なくない。ツェルマットにはせっかくだし、マッターホルンを見ておこうという軽い気持ちで立ち寄る方もおられると思いますが、しかし、実際に訪れると強烈に印象に残ります。美しいアルプスの景色もそうですが、何よりも住民たち誰もが自分たちの住む場所を愛し、生き生きと暮らしている姿に、お金と物だけではない本質的な豊かさを感じるのです。観光で成り立っている地域でありながら、観光客にこびて自分たちのライフスタイルを崩すようなことはせず、かといって、リゾート地にありがちな観光客からお金を搾り取ってやろうという空気もまるで感じられない。環境保全のため、ガソリン車の乗り入れは禁止されていて、まちの中は馬車とかわいらしい電気自動車が走り回っています。 ツェルマットという大変交通が不便な僻地に世界中から引きも切らず人がやってくるという現実。一度行けば長く滞在する。日本においてどこの地域でも入り込み数を重視するのが不思議です。ヨーロッパの観光統計は、全て延べ宿泊数が基本であり、泊まらない人が何人通り過ぎたって、その人たちはほとんどお金を落としていかないのだから数える意味がありません。観光バスでどっと乗りつけて、すぐ立ち去る団体客が幾らふえたところで、本当の意味で地域は潤いません。逆に1人の人が1泊するのと4泊するのとでは波及効果が全く違います。つまり、何人来たではなく、何泊したで数えるほうが実態に即しているのに、日本ではどこもそれをやっていません。 観光庁ですら、2020年訪日外国人旅行者4,000万人という目標数字を掲げていますが、最初に入り込み数ありきで、それを達成するために、例えば近くで人口の多い中国から安いツアー客を大量に呼び込もう、そのために値段を下げようというような話になりかねません。しかし、そうやってディスカウントを繰り返せば、当然サービスの質は低下し、満足度も下がります。その結果、稼働率を上げれば上げるほど利益が薄くなり、リピーターも減っていくという負のスパイラルに陥ってしまいます。 日本の観光地がだめになった原因の1つは、まさにこのような一見さんを効率よく回すことだけを考え、リピーターをふやす努力を長く怠ってきたことにあると思います。観光地として一番重要なのは、実は顧客満足度とリピート率、満足度を上げてリピート率を上げれば、お客様1人当たりの消費額も自然と上がってくるのです。日本でリピート率向上を最優先に考えている観光というとディズニーランドぐらいしか思いつきません。 個々の宿や飲食店で努力しているところはたくさんありますが、地域全体としてリピート率を上げる取り組みをしているところはほとんどありません。そこには全く目が向いていません。地域の人を巻き込む組織をつくるのは、その地域で暮らす人たちが地域経営にかかわりながら、ライフスタイルを豊かにしようとしなければ観光地としての再生もあり得ないと思うからです。 ツェルマットのように住民が幸せそうに生活している場所は、訪れた人が自分も住んでみたいと感じ、何度も足を運びたくなります。いわばテーマパークのような一時的な非日常性ではなく、地域に根づいたライフスタイルの非日常性が最大の売りポイントなのです。 そういう魅力ある地域にするためには、幅広い層の住民が主体的に参加しながら、まず地元が抱える問題点を明らかにし、長期的な視野に立った地域全体のマネジメントを話し合う場が必要です。 大変長い引用になってしまいましたが、質問させていただきます。 高山市の国内観光客の入り込み数でのリピート率は70%と聞いておりますが、宿泊客のリピート率はどれぐらいなのでしょうか。国内国外別に、国外においては国別にもお教えください。 また、顧客満足度と宿泊客のリピート率向上のために、今後どのような施策を考えておられるのかもあわせてお伺いいたします。 ○副議長(倉田博之君) 清水商工観光部長。   〔商工観光部長清水孝司君登壇〕 ◎商工観光部長(清水孝司君) 平成27年のアンケート調査によりますと、国内観光客のうち、市内宿泊者のリピート率は約66%、再来訪の意向は99%と非常に高い数字となっております。中には、10回以上訪問された観光客の割合も約14%ということになっておりまして、多くの観光客の方に満足いただいているものというふうに考えております。 また、海外からの観光客につきましては、宿泊ベースでリピート率が約12%という状況で、アジアからの観光客のリピート率が北米や欧米に比べて高く、中でも、台湾からの観光客については、約25%が2回目以上というような回答がされております。比較的近いエリアからのリピーターが多いという状況でございます。 リピート率を高めるためには、議員の御指摘のとおり、顧客満足度が大変重要であるというふうに考えております。単に風景や歴史文化施設を見学するだけではなくて、旅行先で出会う人と人との触れ合いや体験が旅行者の満足度に大きく影響するものと考えており、市では、関係団体と連携し、観光大学など研修会の提供や、子どもたちが郷土を知り、自慢と感じるような高山の歴史文化を伝える郷土教育の充実、観光ガイドの育成などに取り組みながら、市民、事業者、行政など多様な主体が一緒になって観光まちづくりとしてのおもてなしの心の醸成に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 ○副議長(倉田博之君) 松山議員。 ◆12番(松山篤夫君) 次の質問は、今答弁の中に入っているんですが、あえて質問させていただきます。 次に、ツェルマットのもう一つの大きな特徴は、延べ泊数は余りふえていないのに、観光収入が上がり続けていることです。ホテルもシーズン中ほとんどどこもフル稼働でキャパシティーいっぱいです。ここ何十年もホテルのベッド数はほとんどふえません。量的拡大をしません。自然保護地域を削ってまでホテルをふやそうとはしないので、ツェルマットでは、厳格な開発規制があるのに、売り上げも税収もふえ続けている。その理由は、単純に客単価が上がっているからです。 そこで質問ですけれども、市もツェルマットのような観光誘客のための量的拡大をしないで、今後の観光立市のために本当にしなければいけないことは何か、今こそ徹底的に見直すべきときだと思います。 先ほど紹介させていただきました山田さんが体得されてきたような観光先進国スイスの仕組みからも、今後ますます本質を学ばなくてはならないと考えますが、市のお考えをお伺いいたします。 ○副議長(倉田博之君) 清水商工観光部長。   〔商工観光部長清水孝司君登壇〕 ◎商工観光部長(清水孝司君) 高山市における観光客の入り込み数は年々増加傾向にございますが、日帰り客に比較して宿泊客の伸び率というのが小さくなっているという現状でございます。 今後、人口減少社会の本格的な到来は観光客の減少につながることから、多くの方に来訪いただくための誘客活動を展開するだけでなくて、ターゲットを明確にして、将来に持続可能な観光地として付加価値のある戦略的な取り組みが必要だというふうに考えております。 また、市域には魅力的な観光資源が数多くございますので、滞在型、周遊型の観光地づくりを進めて、宿泊滞在型観光を促進することによりまして、観光産業を始めとする地域産業の活性化につなげていきたいというふうに考えております。 ○副議長(倉田博之君) 松山議員。 ◆12番(松山篤夫君) 外国人観光客への視点、こういうことからブランド海外戦略部長からの御答弁もお願いしたいと思います。 ○副議長(倉田博之君) 田中ブランド海外戦略部長。   〔ブランド海外戦略部長田中明君登壇〕 ◎ブランド海外戦略部長(田中明君) 私が今、外国人観光客誘客にかかわって、ほかの都市と圧倒的に高山が違うのは、インバウンド、外国人観光客を迎えることは、本当に一言で言うと面倒くさいんですね。文化が違い、言葉が違い、通貨が違い、そういった方々を迎え入れることについて、高山の民間の方々は商売でもやっておられるんですけれども、それを御自分たちの生活の一部として自然にやっておられる、そこが高山はほかと違うということは、ほかの自治体の方に申し上げております。 つまり、先ほどのツェルマットの例を申されましたけれども、そういった気質というものがそのまちにあるかどうか、それもやっぱりリピート率を上げる1つの鍵になると思っていますので、少なくともそういった思いを今後高めていくというのが1つあると思います。 それと、インバウンドのお客さんは、日本人の方がこれまで、例えば伝統的に買うと言われていた地場産品であるとか、あるいはそういったもの以外に、本当に地域で売っている産品、極端なことを言いますと、私たちがふだん使う日用品であるとか、そういったものも買われますし、あと、求めるものにつきましても、ふだんの私どもの生活、例えば本当に生活感にあふれた人々の暮らしであるとか、あるいは田園風景であるとか、本当の日本の原風景を求めてやっていらっしゃる方が高山は多いというふうに感じておりますので、ブランド戦略を進める中でも、そういった1つの柱にしておりますけれども、そういったものをプライドを持って高めることによって、より引きつけるといった好循環を進め、今後、外国人観光客の方に一層訴求していきたいというふうに考えております。 ○副議長(倉田博之君) 松山議員。 ◆12番(松山篤夫君) 最後に、ツェルマットの質問をさせていただきますが、ツェルマットのもう一つの特徴は、まず地元のフラッグシップになり得る地域に合った最上級ホテル、例えば5つ星ホテルをつくり、次にほかのカテゴリーのホテル、4つ星、3つ星と広げていくことで、ラグジュアリー層からカジュアル層までを取り込むことに成功してきたことです。最初に富裕層を相手にすることでサービスの質も上がり、観光リゾート地としての全体的なレベルも向上しました。 経済の低成長の影響でしょうか、日本の各地では、B級グルメ、単発イベント、そしてゆるキャラのようなものがもてはやされています。ある意味で、B級グルメも、人が集まるだけで全く収益を生まないとも言われています。むしろ、地域の優良な資源をB級品のイメージとともにたたき売るという悲惨な状況になっているとも聞きます。 宿泊も食事も、まずはその地域で一番と言えるものを提供できるようにするべきではないでしょうか。 そこでお伺いいたしますが、富裕層をターゲットとして獲得することが市全体の観光の質を上げるということの考え方を、この考え方をどう思われるでしょうか。 そして、富裕層獲得対策としてどのような手を打っておられるのか、具体的にお伺いしたいと思います。 ○副議長(倉田博之君) 清水商工観光部長。   〔商工観光部長清水孝司君登壇〕 ◎商工観光部長(清水孝司君) 富裕層をターゲットとした観光政策というのは非常に重要な政策だというふうに思っております。これまでに富裕層獲得に向けての取り組みでございますけれども、国内旅行においては、5つ星の宿やこだわりの高級グルメなど、特別感を取り入れた高額商品の設定、催行ということですとか、海外向けの企画として、香港の旅行者に高級グルメツアーを提案し、催行していただいたというようなことがございます。 先ほどもお答えをいたしましたが、今後の観光誘客においては、ターゲットを明確にし、特別な体験ができるなど付加価値のある戦略的な取り組みが求められるところでございまして、富裕層をターゲットとした取り組みもその1つに当たるというふうに考えております。 富裕層の獲得に向けて、施設整備やおもてなしの充実など受入体制を整備するほかに、今後、関係団体や観光関連事業者と連携をしまして、付加価値を高めることにより多くの消費を生み出す仕組みづくりにも取り組んでまいりたいというふうに考えております。 また、海外に向けては、国や地域によって観光地での消費動向が異なることもございますので、データの収集や分析を行いながら、より効果的に富裕層をターゲットとした誘客活動が展開できるように取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。 ○副議長(倉田博之君) 松山議員。 ◆12番(松山篤夫君) 富裕層といえば桁外れなのが海外の富裕層です。1本500万円もするワインも購入する、そういうのが海外の富裕層なんですが、今、商工観光部長が御答弁いただきましたけれども、もしブランド海外戦略部のほうからも清水商工観光部長と違うような視点というか、見方があったらお伺いしたいと思います。 ○副議長(倉田博之君) 田中ブランド海外戦略部長。   〔ブランド海外戦略部長田中明君登壇〕 ◎ブランド海外戦略部長(田中明君) ただいま商工観光部長が申し上げたことを補足するような形にはなるかと思いますけれども、富裕層といいましても、今、議員さんおっしゃられたように、本当に1本何百万円もするワインを飲まれる方から、本当にふだんの通常の庶民よりも少し経済的な上で買い物を少しされるというような、そういった幅の広いものがございます。 私どもとしましては、経済であるとか、あるいは通貨であるとか、そういったものに左右されないような層の富裕層の方をターゲットにしたいというふうに思っておりまして、そういう意味におきましては、世界各国に、特に地域とかを限定せず、あるいは層を限定せずに、先ほど言いました分析等を通じてターゲットにしたいというふうに考えております。 また、富裕層の方々に訴求するものは何なのかということも常々考えながら、本当に、先ほども言いましたけど、ターゲットを絞ったような形でこれからも、今までもそうでしたし、これからもそういった施策を続けていきたいというふうに考えております。 ○副議長(倉田博之君) 松山議員。 ◆12番(松山篤夫君) 顧客ニーズは非常に多様化し、多品種少量化しています。そういう中で、訪れた方が自分も住んでみたいと感じ、何度も足を運びたくなるまちづくりが求められています。 さらに言えば、まちは育てるもの、まちづくりではなく、まち育てであるべきです。30年先を見越して、長中短期の目標を持った行動計画を立てて、目指すのは、誰もが自慢し、誰もが誇れるまち、そこではないでしょうか。 私の一般質問をこれで終わります。いろいろ御協力ありがとうございました。 ○副議長(倉田博之君) 以上をもって、松山議員の質問を終わります。 次に、上嶋議員。   〔13番上嶋希代子君登壇〕 ◆13番(上嶋希代子君) 皆さん、こんにちは。 通告に基づきまして、一般質問をいたします。 その前に、この一般質問を準備するに当たりまして、ひきこもり、農業のこと、高齢者の問題など準備をしてきましたが、台風災害に遭われた皆様や、そしてまた、殺人に至るまでいきました障がい施設の事件について、本当に考えさせられました。被害に遭われた多くの皆様には、一日も早く安心できる日が来ることを願っております。 一般質問に入らせていただきます。 1つ目に、誰もが安心して暮らせるまちづくりについて。 1つ目、高齢者の移動手段の確保に向けた取り組みはということで質問させていただきます。 今、介護認定要支援2以上の方や障がい者認定を受けていらっしゃる方への移動支援は、高山市でいろいろと行われております。今回は、それ以外の高齢者の方々への移動支援についてお聞きいたします。 最初に、高山市の現状ですが、現在、高齢者と言われる方々は、高山地域、支所地域ではそれぞれ何人で何%になっていますでしょうか。そのうち、介護保険、障がい者認定を受けていない人は何人ほどいらっしゃいますか。まずお聞きいたします。   〔13番上嶋希代子君質問席へ移動〕 ○副議長(倉田博之君) 下畑福祉部長。   〔福祉部長下畑守生君登壇〕 ◎福祉部長(下畑守生君) 現在の高齢者の状況でございますが、28年4月1日現在、65歳以上の人口が2万7,769名で、高齢化率は30.8%となっております。 それから、介護認定者につきましては、ちょっと今情報を持っておりませんので、また後ほど回答させていただきます。 ○副議長(倉田博之君) 上嶋議員。 ◆13番(上嶋希代子君) 今、私たちの暮らしの中では、本当に車はなくてはならない時代になっております。特に、高山のように公共交通も少ない地域にとっては一層切実なものになっています。 そうした中、のらマイカーとかまちなみバス、地域バスの運行計画の実施もいろいろ進められてきました。 しかし、地域を改めて見てみますと、近場で地域に密着し、手ごろに買い物ができるお店がなくなった、また、大型化したスーパーは遠方にといった状況があります。それに加えて大変な状況は、高齢化によって欠かせない医療機関への外出に困った人もおられるということです。 まだ元気と頑張って自転車に乗っていかれる方もおりますが、高山は冬の期間が長く、自転車も大変困難な状況があります。高山市内の業者が、買い物に出られない方への支援として移動販売を始められ、住民の皆さんには喜ばれて、今活用が進んでいるという話もお聞きしています。 そんな中、私たちは、市が率先して住民の暮らしを応援しようという姿勢が今こそ重要だと考えます。 そこで、高齢者の移動手段確保に向けた取り組みは現在どんなふうに進んでいますでしょうか。お聞きいたします。 ○副議長(倉田博之君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) スクールバスへの住民混乗制度や、交通事業者による免許返納者の運賃割引など、高齢者などの移動しやすい環境整備に取り組んでいるところでございます。 また、バスの利用が困難な方に対する移動手段といたしましては、高山地域では、通常のタクシーに加えまして、タクシー事業者による福祉車両による輸送、福祉有償運送として、NPO法人などが移送サービスを実施されております。 支所地域におきましては、市が福祉有償運送による外出支援事業を高山市社会福祉協議会に委託して実施をしているところでございます。 ○副議長(倉田博之君) 上嶋議員。 ◆13番(上嶋希代子君) 介護保険の認定を受けた方たちも、今そういう方で支援を受けていらっしゃるということですが、それらのサービスの対象外となる方もおられることも事実です。 例えば、今までは要支援の1でそのサービスを受けておられたけれど、元気になり、自分で歩けるようになったために福祉タクシーを利用できないと。要支援の1のままですが、受けられなくなったという方もありました。その方は80歳以上で、心臓に疾患がある方です。 高齢者が出かけにくくなればなるほど人との交流がなくなり、まちは元気がなくなっていくのではないでしょうか。高齢者の健康にも影響することになります。 バスの運行回数をふやすという方向もあるかもしれませんが、バス停のところまで遠いという方もあります。荷物を、行きはいいけれども、帰りは持ってこなければいけないというようなことも、高齢者にとっては困難な1つの課題となっています。そういった方の外出困難の移動支援は、市は今どのように考えてみえますか、聞かせていただきます。 ○副議長(倉田博之君) 下畑福祉部長。   〔福祉部長下畑守生君登壇〕 ◎福祉部長(下畑守生君) 高齢者の方の移動支援につきましては、福祉有償運送という制度があるということを先ほどからお話をさせていただいておりますけれども、この福祉有償運送、まちなかについては、3つの法人の方が実施をしてみえまして、高齢者の状況によっては、この福祉有償運送が利用できますので、その法人の方と話をしていただいて、十分に利用できるようなふうにしていただいております。 それから、支所地域につきましては、外出支援事業をやっておりまして、できるだけ本人の状況を確認し、使っていただけるような支援をさせていただいておるところでございます。 ○副議長(倉田博之君) 上嶋議員、通告に基づいた質問のほうをよろしくお願いいたします。 続けてどうぞ。上嶋議員。 ◆13番(上嶋希代子君) 例えば、そのすき間を埋める形で、例えば、神戸町のお話をお聞きしたんですが、町内在住者で70歳以上の人も使えるということで、タクシー会社と共同してやっておられるということがあります。その中身を見てみますと、利用対象者は、神戸町内に住所を有し、現に生活をしている方で、次のいずれかの要件を備えた方ということで、70歳以上の方であるとか、身体障がい者の方とか、精神障がい者とか、そういう障がいを持った方も使えるというふうになっていますけれど、例えば、高山市内、広いと言いますけれども、例えば、こういうものを少しでも始めるというような方法が考えられないかというふうに提案をさせていただきますけど、そのことについてはどうでしょうか。 ○副議長(倉田博之君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) 高山市におきましては、自主運行バスを含めまして、公共交通体系、利用者の御意見を踏まえながら、利便性の向上や効率化に向けた一応見直しを進めております。 今、御提案のありました神戸町の例につきましては、私どものところは、今採用する考えはございませんけれども、いろんな福祉サービスの活用をしていただくために、御不便な点があれば、地域包括支援センターや、あるいはいろんなそれぞれの部署のところへお問い合わせをいただければ、いろんな面で御相談に乗っていきたいと考えております。 ○副議長(倉田博之君) 上嶋議員。 ◆13番(上嶋希代子君) また、いろんな困難さが出てくる方も、これから冬に向けて特に多いかと思いますので、またぜひそのときは具体的に相談したいというふうに考えます。 もう一つは、低所得者への灯油の支援の考え方はということですけれども、ことしも冬を迎える準備や気構えをしなければいけない時期になりました。昨年、国は、自治体が実行すれば交付金を出しますということで実行し、低所得者向け灯油等購入助成補助金が出た自治体もあったようです。 高山でも助成の期待がありましたが、残念ながら実施がされませんでした。毎年期待されている方も実際おられます。 高山は、高齢化率が、さっき言われましたように、30%を超えています。一馬力で頑張っている高齢者世帯もあります。低所得者は高齢者ばかりではありません。若い世帯も今は大変な状況が現実となっています。観光客がふえたし、駅も新しくなったと、一見まちは元気なようには見えますが、あすの心配をしなければならない家庭に目配せをした温かい市政を実現することが望まれているのではないかと考えます。 八次総でも、あらゆる市民の生涯にわたる切れ目のない総合的なとあります。こうした点から、灯油代の支援を含め、低所得者の方々の生活支援をどのように考えてみえるか、市長さんにお聞きをいたします。 ○副議長(倉田博之君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) 灯油代の話でよろしいんでしょうか。全般的な生活支援の話のほうがよろしい……。   〔「灯油代の」と呼ぶ者あり〕 ◎市長(國島芳明君) 福祉灯油につきましては、6月にも牛丸議員さんから御質問に対してお答えしているところでございまして、灯油価格等の急激な上昇に対する臨時的な対応として実施をしておるということでございます。 最近の灯油の価格の状況は、昨年度末には18リットル当たり1,000円を下回り、今年度に入って、6月以降、わずかに上昇が見られますが、依然として昨年同月を下回っている状況が続いていると見ております。 今後も、引き続き市内の灯油価格の動向、あるいは景気の動向などを見守ってまいりますけれども、現時点では灯油代の支援の実施は考えておりません。 ○副議長(倉田博之君) 上嶋議員。 ◆13番(上嶋希代子君) 考えていないということでちょっと残念なんですが、いつも出てくるんですけど、ためるだけの財政調整基金ではなく、使って喜ばれる税金の使い方が今本当に求められているのではないかと思います。それらの基金を使うということは全然考えにないんでしょうか。お聞きいたします。 ○副議長(倉田博之君) 亀山財務部長。   〔財務部長亀山裕康君登壇〕 ◎財務部長(亀山裕康君) 福祉灯油の施策を実施するかということと、財政調整基金をどういう目的で使うのかということはちょっと切り離してお考えをいただきたいと思いますが、今ほど市長がお話ししたように、福祉灯油の実施については、現在考えていないということでございますので、お願いいたします。 ○副議長(倉田博之君) 上嶋議員。 ◆13番(上嶋希代子君) 現在はそういうことですけど、またぜひ御検討をいただきたいというふうに思います。 2つ目に入ります。ひきこもり支援についてお尋ねします。 現在、国では、引きこもっている方、家族の方々への支援についていろいろ進められてきているところです。高山でもどうするといいのか、今問われているのではないでしょうか。 以前、議会で秋田県の藤里村の取り組みが紹介されました。ここでは、やはり専門的な知識を持った皆さんの熱心な取り組みによって調査がされ、取り組みが進んで就労につながったと言われています。 これは、12月議会で牛丸議員も質問しております。そのときに部長さんは、ひきこもりはデリケートな問題で、実態把握は困難だと。現在、福祉サービス総合相談支援センターを窓口として支援を行っています。今後、一般就労に従事するための基礎能力を形成する就労準備支援事業や生活困窮家庭での養育相談、また、見直しの機会の提供、学習支援といった事業の導入について検討していきたいというふうに御答弁をされております。 1番として、高山市での実態調査は今どんなふうに考えておられるでしょうか。 ○副議長(倉田博之君) 下畑福祉部長。   〔福祉部長下畑守生君登壇〕 ◎福祉部長(下畑守生君) ただいまひきこもりの方の実態調査はどんなことでということでございましたが、今ほど言われましたように、ひきこもりの方の相談支援に当たりましては、精神的な不調を来している方、それから、経済的な困窮に陥っている方など、さまざまな状況があるため、それぞれの状況に応じた相談支援が重要であると考えておるところでございます。 ひきこもりの方に対する相談支援の取り組みとしまして、市では、精神保健福祉士による心の健康相談、これを毎月1回開催しておりまして、ひきこもりに関する相談は、平成27年度においては、実数としまして4件ございました。 また、県の飛騨保健所の主催ではありますけれども、精神科医による心の健康相談を高山市保健センターで毎月1回、支所地域で年間9回開催しておりまして、ひきこもりに関する相談は、平成27年度には、実数として2件あったところでございます。 27年度開催の福祉サービス総合相談支援センター、こちらにおける相談の中でも、ひきこもりに係る関係がございました。生活困窮者自立相談支援では23件、それから一般相談では4件、障がい者相談では6件ということで、計33件の相談実績があったところでございます。 実態把握につきましては、先ほどからも、なかなかデリケートな問題で、人に知られたくないというようなことがあるかと思っております。 高山市は、大変地域コミュニティーの強い地域でございまして、支所地域などでは、地域の隅々まで見ながら知り合える地域でもございますので、そうした中で、民生児童委員さん、それから社会福祉協議会さん、こういった方々については大変多くの情報をお持ちでございます。ついては、皆さんに協力をお願いして、支援が必要と見込まれる方の情報収集に努めていきたいというふうに考えております。 どちらにしましても、民生児童委員協議会、それから、ひきこもりを支援されるNPO法人等もございますので、皆さんと早急に懇談を持って、実態把握できるよりよい方法について検討していきたいということを考えております。 先ほどの、高齢者の方の1号被保険者、65歳以上の方の認定率でございますが、介護認定率が17.9%、4,971人いらっしゃいます。それから、要支援の方は3.8%で1,062人でございます。それから、要介護の方でございますが、14.1%で3,909人という実数になっております。 ○副議長(倉田博之君) 上嶋議員。 ◆13番(上嶋希代子君) いろいろなところで窓口はあるということですけれども、引きこもってみえる方にしてみると、なかなかそこに至れないという事実もありますので、その辺のところも含めて、今後対策が必要かなというふうに思います。 今、岐阜県は、内閣府が平成22年に実施したひきこもりに関する調査結果で、岐阜県では9,500人ほどいるという推計がされたということでした。 ひきこもりの原因は、人間関係のこじれや仕事の失敗、そして学校でのいじめや学力、精神や身体疾患等の範囲が広く、また、年齢も若者から中高年までと幅が広いために、相談を受ける機関もさまざまであると言われています。 一方で、ひきこもりは長期にわたる支援が必要であることから、関係機関が連携した支援体制の整備が求められているということで、あわせて岐阜県では、6月に2名の支援体制をつくって、いっぽいっぽというところが今発足をして進められてきているそうです。 高山でも、団体や個人の方が引きこもっている方と向かい合ってこられているところも実際にあります。この取り組みの中では、アルバイトに出たり、就職したり、また結婚されたという方もおられているというふうに聞いています。 悩みは、支援できる人や、そして場所がない、資金が必要といった悩みが聞かれています。こういった悩みを持っておられますので、誰もが困ったときにSOSを発信できる環境と受けとめができる場所づくりが高山でも早急に必要だと考えます。 一日も早く高山市としても、経験を持っておられる方々の知恵や要望を集めて、この支援センターづくりに取り組んでほしいと考えますが、その辺の方向性はどんなものでしょうか。お聞きいたします。 ○副議長(倉田博之君) 下畑福祉部長。   〔福祉部長下畑守生君登壇〕 ◎福祉部長(下畑守生君) 市独自にひきこもり地域センターを開設することを考えてはという御質問かと思います。 議員今言われましたように、県のひきこもりセンターのほうが6月1日に発足したばかりでございまして、今、巡回相談ということで、飛騨のほうにも11月に予定されておりますし、来年の1月か2月にも2回目が予定されておるというところで、現在、県のほうとしましても、発足したばかりで、手探りで今そういった支援をどうしていくかというようなところを考えられているという段階でございますので、市は、県のほうと当然歩調を合わせながら調整していきたいと思っておりますし、先ほどから言っております総合相談支援センター、こちらのほうでまずは一元的に受けとめて、ひきこもり支援をさせていただいている最中でございますので、現在のところは、そういった市独自の支援センターをつくるということについては考えておりませんので、お願いをいたします。 ○副議長(倉田博之君) 上嶋議員。 ◆13番(上嶋希代子君) 御答弁では、今のところは考えてみえないということですけれども、今実際に取り組みながら、悩みながら支援している方もみえますので、その人たちの声も十分聞いていただけるようにお願いをしたいと思います。 3番目ですが、若者が住みたくなるまちづくりについてお伺いいたします。 午前中もそんなまちづくりを願っての質問がありましたけれども、私は、農業問題について質問させていただきます。 私たちが住んでいる高山市は、山もあり、川もあり、そして四季がしっかり楽しめる自然豊かなまちとなっています。今、高山市は、合併して東京よりも広く、約9万1,000人が住んでいるという地域です。このまちで安心して暮らしたい、また、ほかからも住みたいという人、若い人たちにも住んでもらいたいと願っているところです。それには、農業も山の仕事もそして畜産業も生活を安定させて、若い人も安心して住めるまちにする必要があると考えます。 農業、林業、畜産は、八次総に将来の目標が具体的に示されていますが、目標を実現するためにも若い人の就労が必要となってきています。ところが、ここにきて、若い人の就労にはなかなか難しいというのがTPPの参加問題です。これをストップさせないと、高山の農業、林業、畜産業とも本当に打撃が来ると心配されていると思います。TPPについては、高山市議会は2回意見書を出しましたので、明白な態度を表明しているところです。 そこで質問を、TPPの問題に高山市長としてはどう立ち向かおうとしておられるのか、まずお聞きしたいと思います。 具体的には、高山市が農業、林業……。 ○副議長(倉田博之君) 上嶋議員、通告に基づいての質問でお願いいたします。 ◆13番(上嶋希代子君) それは、どうしても農業については考えがあったのでお聞きしたんですけど、無理ですか。もし答えていただければありがたいと思います。 1つ目には、若者が農業、林業、畜産業に就労しようとするための施策の考えはどのようになっているか、お聞きしたいと思います。 市長さん、もし答えていただければお願いします。 ○副議長(倉田博之君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) 過去にもTPPに関することにつきまして考え方を述べさせていただいたことがありますが、今、情勢は刻々と変わりつつあります。その情勢を判断しながら、かつJA、あるいは農業団体の皆さん、そして何よりも農家の皆様方と具体的な話も詰めてまいりたい、そう考えております。 ○副議長(倉田博之君) 橋本農政部長。   〔農政部長橋本哲夫君登壇〕 ◎農政部長(橋本哲夫君) 若者が住みたくなるという施策について答弁させていただきます。 畜産業を含む農業につきましては、要はなりわいとして成り立つ、収入が確保できるということが就農をする上で、それが必然、まず大事だというところがございます。そのために、収入の面につきましては、新規就農者に対しましては、農業を開始するに当たっての資金不足に対応するために、国や県、市では、経営リスクの高い新規農業者、また3親等以内の経営を継承する、要は農業後継者、こういった方に対しまして一時給付金を助成する事業に取り組んでおるところです。 また、補助事業の中には、牛舎建設時の補助要件である頭数の増頭数の数を緩和するなど、そういった要件緩和なんかも行っておるところです。 また、新たに農業を始められる、後継者でない、新規参入者に対しましては、栽培技術、あるいは農業経営のノウハウ、こういったものがありませんので、そういったものを得るために、農業委員会ですとか農業者団体、岐阜県、JAひだ、高山市で構成する就農支援協議会を中心に、農業研修から就農までのサポート、または就農後のフォローアップなどに取り組んでおるところでございます。 ただし、畜産業につきましては、新たに始めるためには、施設の建設ですとか、あるいは家畜の導入などに多額の費用もかかりますし、また、収入が入ってくるにも時間がかかるということで、なかなか大変ハードルが高いという状況にありまして、実際、後継者、畜産に関する後継者は、農業後継者だけが担っているというのが現状になっております。 それと、次に、林業につきましては、自分で経営されるということではなくて、林業事業体に就業されるということでありまして、林業事業体に勤める方を確保、あるいは育成するために、今年度からは飛騨高山森の仕事人養成塾、これに取り組んでおりますし、また、継続して岐阜県林業労働力確保支援センターや県と連携しまして、緑の雇用事業による研修支援などを行っておるところでございます。 ○副議長(倉田博之君) 上嶋議員。 ◆13番(上嶋希代子君) 支援はいろいろされているということで、本当に新しく新規採用されて、高山に住んでいただけるようなこともぜひ考えられるといいというふうに思いますけど、今、その事業の中で、どれほどの人たちが定住というか、高山に住もうというふうに考えておられる方の実数がわかれば教えていただけませんでしょうか。 ○副議長(倉田博之君) 橋本農政部長。   〔農政部長橋本哲夫君登壇〕 ◎農政部長(橋本哲夫君) 平成27年度の新規就農者でございますが、市内、要は新しく農業を始められた方につきましては5名、また、農業後継者と言われる、うちで親について始められた方が12名、昨年は17名の方が新規就農をされておみえになっております。 ○副議長(倉田博之君) 上嶋議員。 ◆13番(上嶋希代子君) 17名の方が安心して暮らせるような農業ができるような行政としての支援をお願いしたいというふうに考えます。 それで、高山市は自然豊かなところですけれど、ぜひ自分たちのところでも自分たちの食べる分は確保していくというものも必要だと思いますので、2つ目に、農業、林業、畜産業の分野で地産地消を推進し、若者の就労を進める考えはどうなっているか、その辺もお聞きしたいと考えます。 ○副議長(倉田博之君) 橋本農政部長。   〔農政部長橋本哲夫君登壇〕 ◎農政部長(橋本哲夫君) 地産地消に、農業にとってもやっぱり大変ありがたいことです。特に地産地消につきましては、安心安全で鮮度がよく、また、生産者の顔が見えるということから、農林畜産業者の所得、こういった向上にもつながるというもので、メリットもたくさんございます。 ただ、大きい品目、たくさんある品目につきましては、販路もしっかりしておりまして、しっかり売ることができるものではありますが、少ない品目につきましては、なかなか販路を確保することが難しいという状況にございます。 若い方に農業についていただくに当たって、地産地消ということも大切ですが、いろいろな農業所得を向上するための施策の1つとして、地産地消が大切というふうにして考えておるところでございます。 ○副議長(倉田博之君) 上嶋議員。 ◆13番(上嶋希代子君) 農業を若い人たち、そして高山でずっとやっていきたいという人たちをふやすことが、人口が減少する中、そして食料自給率を上げるためにも、今、高山にとっても大変必要なときになっているというふうに思いますが、この辺のところは、市長さんのお考えはどんなふうですか、お聞きしたいと思います。支援の状況を、考えをお聞かせください。 ○副議長(倉田博之君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) 私ども、JAさん、あるいは県などとも一緒になりまして、特に主要産品でありますトマト、あるいはホウレンソウというようなものについては、積極的にその生産量を上げるということについて努力をさせていただいております。 また、生産量が少ない、ニッチとよく言われますけれども、そういう品目につきましては、今の状況の中では、産直市場だとか、あるいは宅配というようなところで販売が進められているというのが現実でございます。 例えば、給食センターでの活用というようなことを考えますと、どうしてもやっぱり大量で規格に合ったものじゃないとなかなか処理もしにくいということがございまして、その面について苦慮もしておるところでございます。 しかしながら、農業というのは国の基であります。その意味において、高山市におきましても、250億農業生産高、これを目指して、我々も農家の皆さんと一緒になって努力をさせていただきます。 ○副議長(倉田博之君) 上嶋議員。 ◆13番(上嶋希代子君) 今、市長さんもそういうふうに応援して、250億円でしたか、目指していけるようにしたいというふうにありましたけれども、先ほどのTPPの問題に触れますけれども、なかなか今の問題が、国会の中でもこれからなんですが、明確に態度表明はこれからだと思いますけれど、これが本当に若者が安心して農業、林業、畜産業に就農できるような高山市になるのかはちょっと心配なところがあります。 ちょっと私も調べてみたんですが、米の問題ですけれども、これは農水省の調査でもありますけれども、1つは、米の価格の暴落がありまして、米の生産調整の交付金削減で、稲作農家は窮地に今実際陥っていると。調べによりますと、稲作農家の家族就労報酬は、2014年度産米では10アール当たりマイナス9,424円、このため、各種の交付金、奨励金も加えても、10アール当たりマイナス1,977円になるという実態が載っていました。つまり、米をつくればつくるほど赤字経営になるというのが実態ということです。このような状況を放置して、若者が農業に就労できる環境は、できないどころか、農作放棄地が次々とふえる心配があります。 2年後には、安倍政権は、この交付金も撤廃する方針というふうに出していますが、高山市として緊急の対策をとる必要があると考えますが、本当に農業を守るという点では、市長の考えをもう一度お聞きしたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○副議長(倉田博之君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) これは、農業を守るということではなく、先ほど申し上げましたように、農業は国の基でありますから、基本的に我々の口に入るものが全国各地で生産される、その生産基盤がなければ国は滅びるわけであります。その意味におきまして、高山市も果たさなければならない役割は明確にわかってきます。その意味におきまして、何が必要なのか、そして、今度の生産調整撤廃、これらに向けて、どういう対応がされるべきか。 そして、先ほどブランドのほうからも話がありましたけれども、世界の政治情勢とか通貨の情勢によって影響の受けないような、皆さん方に支持されるおいしいお米をきちっとつくっていくことが水田経営の1つの基本になるのではないか。 その意味では、今、JAさんも含めながら、おいしいお米プロジェクト、一生懸命頑張っていただきますので、私どももそれに追随しながら支援をしてまいりたいと考えております。 ○副議長(倉田博之君) 上嶋議員。 ◆13番(上嶋希代子君) 先ほどはお米の話はしましたけれども、畜産業についても支援についてお聞きいたします。 私も、飛騨牛のブランドで確かに高山市の畜産業は勢いがあると、高値で今売られているということで言われていますけれども、実際、農家の皆さんのお話を聞きますと大変な事態があることがわかりました。特に畜産の場合は、子牛を買ってきて売れるまでに1年、1年半かかります。この間、収入は入ってこないという、だけど、飼料代、生活費は持ち出し状況だというのが実際です。市から貸付金の補助はありますが、若者が就労しようとするまでの意欲が湧くようなものではないのではないかと考えます。 だから、実際、高山の畜産業はふえるどころか、減ることが今みえてきます。ここにしっかりと対策をとらないのでは若者の就労は望めないし、経営が伸びないと。畜産農家の経営実態をしっかり調査され、もっとしっかりとした支援が必要だと考えますが、その辺の畜産に対する市長さんの考えをお聞きしたいと思います。 ○副議長(倉田博之君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) お話にございましたように、毎年、畜産の関係では頭数が減少しております。これを少しでもふやしていきたい、そして、畜産に携わる農家の方々をふやしていきたい、そして、それに携わる人々もふやしていきたい、これは高山市の大きな目標であります。今年度の予算でも御提案をさせていただき、お認めいただきましたが、畜産の施設の充実等にも力を入れていかなければいけないと思っています。 ただ、これも外貨との絡みがございまして、輸入飼料の高騰だとか、そういうことが非常に大きく影響いたしております。いわゆる飼料米、これらの転作関係につきましても積極的に進めながら、いわゆる飼料についての価格安定、これらにも我々は努力していかなきゃいけないだろうと思っています。 さらには、販売における流通の関係でありますけれども、これらについても、全農さんたちとか、力を合わせ、そして知恵を寄せ集めながら、農家の皆さん方との話し合いも進めてまいります。 ○副議長(倉田博之君) 橋本農政部長。   〔農政部長橋本哲夫君登壇〕 ◎農政部長(橋本哲夫君) 畜産農家の実態の数字を補足で説明をさせていただきますが、先ほど話をしたとおり、新しく畜産業に参入するには難しいところはございまして、実際始めているのは後継者です。 後継者と一緒に2世代で畜産業をやってみえる方の経営規模を説明させていただきますが、酪農につきましては、平成25年から27年の平均が814頭だったのが845頭にふえておりまして、2世代のところについては規模がふえておるというような状況もありますので、御報告をさせていただきます。 ○副議長(倉田博之君) 上嶋議員。 ◆13番(上嶋希代子君) 今、畜産のほうも、頭数はふえているけれども、新規で始めるにはお金もかかって大変だということもあって、ふえていないということだというふうに、畜産を始める人はいないということだと思います。 それぞれ御答弁をいただきましたが、今、JAと一緒に進めていくということも言われておりました。でも、農協のほうでも、今、TPPの問題については大変心配をされているところです。農家の実態をしっかり見つめ、対策を打たなくては、若者の就労どころか、農業の破壊さえ考えられてしまうというような中身もあります。 こういう危機意識が必要ということでありますので、こういう危機意識が市長にも行政全体にも十分にあるようにすることが必要だと思いますので、十分考えていただきますよう求めて、終わりにいたします。ありがとうございました。 ○副議長(倉田博之君) 以上をもって、上嶋議員の質問を終わります。 次に、牛丸議員。   〔24番牛丸尋幸君登壇〕 ◆24番(牛丸尋幸君) お疲れさまです。 通告しました内容について、市の考えを伺います。 今回は、とりわけ基本的人権というのを中心にした質問にいたしました。市の明快な答弁を求めるとともに、答弁の中でわかりにくい言葉があるという苦情をいただいております。余り横文字を使わずに、市民の皆さんがわかりやすい答弁を求めまして、質問に入ります。 第1は、高山市女性青少年会館高山市勤労青少年ホームについてであります。 7月に女性団体の方が使用の申し込みをされたことに対して、不使用、使用不許可だという連絡をいただくに至った経過がありました。その内容について伺いたいと考えます。 具体的には、使用申請は6月28日、そして実施日は7月8日。ところが、当日の7月8日午前11時ごろ電話で、施設が利用できない旨が、連絡がされた。理由を3つ述べられたということであります。 女性団体では、開催日当日の昼になっての突然の使用できない旨の連絡で、別の会場を探すことに奔走し、あるいは参加者に告知したり、個別に連絡したりなど、大変苦労したというふうに伺いました。そうしましたら、当日の午後2時過ぎになって、一転して、使用は許可する、こういう通知があったということであります。当日は予定どおり開くことはできましたが、余りにもひどい対応ではないかということが指摘されております。 高山市や指定管理者からは、混乱を招いたことに対する説明も謝罪もいまだにない、そういうことでありますが、一体どういう経過だったのか、どんな内容だったのか、不許可とした理由は何だったのか、明快な答弁をまずお願いいたします。   〔24番牛丸尋幸君質問席へ移動〕 ○副議長(倉田博之君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕
    ◎市長(國島芳明君) 経過につきましては、今若干お話になられたようでございます。 6月28日に女性団体から利用の申し込みがありました折、使用目的はミーティング、おしゃべり会ということでございました。一般的なグループ活動、こういう言葉は使ってもよろしいでしょうか、グループ活動と判断をいたしまして、指定管理者において使用許可を行いました。 後日、参加募集が新聞報道されました。その内容では、当初申請された団体と違う団体が主催していることや、参議院選の争点となる事項、アベノミクス、憲法改正、保育や労働など、生活に直結する施策について、自由に意見を交わし、理解を求めるといった内容でございました。 そのため、指定管理者から、規則で定めている会館を使用させることができない制限の政治的または宗教的活動に利用するおそれがあるときに当たるのではないかという、市に相談がございました。 市は、規定を遵守しなければならない旨を指定管理者に伝え、当初の申請状況と報道内容が違ったことにより、政治的活動の利用のおそれがあると判断をし、当初の使用団体に対し、使用できない旨をお伝えしたところでございます。 しかし、その団体から、使用のできない旨の理由について、市に対して詳しく説明をしてほしいという連絡がございましたので、再度、活動内容を伺わせていただきました。 その結果、広く政治への関心や意識を高める意見交換会とのことでございまして、その活動は、特定の政党や候補者を支持もしくは反対、批判するようなものではなく、政治や選挙への関心を高める学習会、意見交換会であり、そういうような活動を一概に政治的活動と捉えてしまい、施設の使用を制限することは適当でないという判断をし、改めて予定どおり施設の利用をしていただいたものであります。 ○副議長(倉田博之君) 牛丸議員。 ◆24番(牛丸尋幸君) 今回の内容で、今説明がありました中で、1つは、団体名が違うというのは、団体自体が大変長い名前で、申し込みのときに、そこまで長い名前は書かなくていいと、最初の部分だけでいいと言われたので、そういう名前で書いたと。ところが、新聞発表は全体の名前になったので、それで違うということを言われて、そこで意見の相違があったようであります。 もう一つは、使用の制限の問題であります。 今の規則にあります内容で、政治的だということでだめだということでした。しかし、今言われるように、当初規則どおりにやれば不許可になる。ところが、その内容が特定の政党の支持、あるいは候補者の支持、あるいはそうでなければ許可してもいいという判断が、市ではしましたが、そのことはなぜ当初から指定管理者に伝えられていなかったんですか。 規則で書かれているのは、こう書かれています。政治的または宗教的活動に利用するおそれがあるときは使用を制限するんだと。その条文の解釈が、今言われたような解釈が伝わっていなかったということですね。規則どおりにやりなさい、最初指示する。だから、不許可にする。ところが、よく聞いたら、それは特定の政党の支持や候補者の支持ではない。だから、それは不許可にする理由じゃない。だから、許可した。こういう説明です。そうすると、条文の解釈がまともに伝えられていなかった。そのことがずっと続いていた。こういうことになりますが、指定管理者には、その条文の解釈については初めて今回伝えられたということでよろしいですか。 ○副議長(倉田博之君) 高原市民活動部長。   〔市民活動部長高原透君登壇〕 ◎市民活動部長(高原透君) まず、答弁させていただく前に、今回、このような事案が発生し、大変利用された団体の方に御迷惑をかけたことをおわびするものでございます。 なお、今の説明をしたかどうかという案件でございますが、たまたま今までそういった事案もなかったというようなことで問い合わせもありませんでしたし、今回、たまたまそういった件の中で迷ったということの中で説明をさせていただいたものでございます。 ○副議長(倉田博之君) 牛丸議員。 ◆24番(牛丸尋幸君) それはそうでしたら、まともに伝わっていないということですね。 指定管理者の制度でいくと、基本協定などで法令の遵守というのは決められている。法令の遵守の中には、市の条例や規則も当然入っている。それを遵守しなさいとなっている。それで、指定管理者がその協定で受けたときに、ここには政治的活動はだめだと書いてある。そのまま運用していいという打ち合わせをしているということですね。 この規則や条例の運用が、実際にどうやったらいいかという、そういうお互いの意思疎通、協定を交わしたときに、これはこういうふうにして対応しなさいよということすら説明せずに、ただ法令を遵守しなさいと言っているだけで、条例や規則の条文の解釈さえ説明せずに指定管理者制度を今までずっとやってきた。10年以上やっているでしょう、恐らく。そういうことがずっと続いて、更新するでしょう。指定管理者さん、5年とか3年で。そのたびにきちっと規則や条例の内容も説明せずに、とにかく今まで来たと。 そのために、指定管理者は、この規則の運用をどうしたらいいかわからずに、その条文のままやりなさいと指示されてやった、こういう経過だという理解でいいわけですか。 ○副議長(倉田博之君) 高原市民活動部長。   〔市民活動部長高原透君登壇〕 ◎市民活動部長(高原透君) 指定管理基本協定等を結びながら、一定期間、当然指定管理をしていただくわけです。当然内容についても、それぞれ御説明はするところでございますが、たまたま細かな条文の中までは今回は御説明していなかったということで御理解いただければということでございます。 ○副議長(倉田博之君) 牛丸議員。 ◆24番(牛丸尋幸君) この問題は憲法にかかわる問題です。 憲法21条では、「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」。要は、集会、結社、言論、出版からその他一切の表現の自由は、これを保障する。だから、その集会というのは、民主主義の根底として認められているものだと言われています。そういう憲法があって認めているにもかかわらず、規則で政治的なことはだめだと書くと。このこと自体が私は大きな問題ではないかと考えます。 運用上も間違えるわけでしょう。このとおりにやると、本来認められるはずの政治的な活動が全て禁止されるような規則になっている。 そこで、一体どのように法体系はなっているかというと、この憲法が保障した集会、結社、言論、出版、一切の表現の自由を保障するために、地方自治法244条では、地方自治体の公の施設に次のように書かれている。「普通地方公共団体は、正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない。」、正当な理由が必要なんです。それはなぜかというと、この表現の自由を保障するために、非常にそういうことを大切にして書いている。ところが、規則自体が政治的活動はだめだと、こういう書き方をしていますから、それだけを見ると、政治的にかかわることは全部だめなのか、こうなります。この表現の自由の問題でいうと、そういうことが市民の集会やそういう表現の自由を萎縮させると言われている。 要は、政治的活動はだめですよと書いてある。これを読むと、政治的なことは全部だめなのかと、こうなる。指定管理者も、政治的なことは全部だめなのかと、こうなる。 本当にそういう状況がありますので、私は、この政治的活動ということをだめだと否定するこの文章自体を見直すべきだと考える。政治的活動を禁止する根拠はない。正当な理由がありますか。政治的活動はやってはならないということを正当だという根拠はあるんですか。   〔「本当にそういうことができるんですか、この施設で、公共の施設でできるんですか」と呼ぶ者あり〕 ◆24番(牛丸尋幸君) 何を言っているんですか。私が言っているのは青少年……。 ○副議長(倉田博之君) 挙手の上、御発言をお願いいたします。 ◆24番(牛丸尋幸君) 挙手をして言ってください。 私が言っているのは、女性青少年会館の規則で書かれているけれども、余りにもこの表現は曖昧過ぎて、余りにも萎縮させてしまう。そういうのがあるので、見直すべきではないかと考えますが、いかがですか。 ○副議長(倉田博之君) 西倉副市長。   〔副市長西倉良介君登壇〕 ◎副市長(西倉良介君) 市民の皆様にわかりやすいようにということで少し説明させていただきますが、当会館、女性青少年会館につきましては、これ、設置条例がございまして、その目的としましては、女性の文化と教養を高め、青少年の健全な育成に寄与するためにこの会館を設置するというふうに書いてあります。この建物自体が1つの行政目的によって建てられた施設でございます。 その中で、その管理ですとか、事業ですとか、それらがしっかりと規定をされておるものでございます。事業に支障がない限りは使ってもらうということは広く認められているというふうに認識しております。 ただ、条例の施行、規則において、ここでお話しのとおり、使用の制限というものがございます。その使用の制限の中に、議員のおっしゃる政治的活動に利用するおそれがあるとき、または宗教的活動に利用するおそれがあるとき、そのほかには、営利を図る目的で利用する場合ですとか、風紀を乱すおそれですとか、いろいろあとあるわけなのでございますが、その1つとして、政治的活動に利用するおそれというのは、一般的には、じゃ、ここで立候補者が、要するに選挙運動をやるですとか、例えば文化会館において演説会をやるというような趣旨での政治活動というものは、本来の設置目的に支障があるので、これを制限しておるというふうに理解していただきたいというふうに思っております。 当然、そういったものはしっかりと指定管理に当たっては、事前にお互いに理解し合いながらやっておるわけですが、実際の事案としては、今までもあったとは思いますが、ケースがありまして、その都度その都度、判断しかねる場合は、当然市のほうに話がありまして、そこで協議しながら、しっかりとした判断をやっておったというふうに理解しております。 ただ、今回については、そうしたものが十分できなかったことによって、今のような事案になってしまったということでございまして、特段、権利、憲法に保障された自由を拘束したものであるとか、そうした理解まではしておりませんので、よろしくお願いいたします。 ○副議長(倉田博之君) 牛丸議員。 ◆24番(牛丸尋幸君) 少し整理をしておきますが、基本的な考え方として、憲法で表現の自由が保障されている、集会、結社の自由が保障されている。地方自治法で、公の施設の利用については、正当な理由がなければ制限してはだめだと。 今言われたのは、女性青少年会館に設置目的があると。しかし、設置目的の中に、政治にかかわることだって、女性の文化、教養の中で政治のことを勉強するということはあり得る。だから、今言われたように、そういう範囲内で、設置目的の中での政治的活動は許される。だから、許されたということです。 ただ、一体その政治的ということでどこまでが認められるかということが1つの争点になります。 公民館を決めた社会教育法という法律があって、公民館というのはどういうふうに認めているかということになると、こういうことが書かれている。社会教育法の公民館の運営方針というのがあって、公民館については、「特定の政党の利害に関する事業を行い、又は公私の選挙に関し、特定の候補者を支持すること。」、こういうことは運営上してはならない。 これについて、昨年、政府が答弁書を出しています。これは一体どういう中身なのか。これは御存じだと思いますが、昨年の6月19日に出したのは、公民館の政治的中立性を確保するために設けられているものであり、例えば、特定の政党に特に有利または不利な条件で利用させることや、特定の政党に偏って利用させるようなことは許されないが、公民館を政党または政治家に利用させることを一般的に禁止するものではない。要は、貸す側が特定の政党に有利だったり不利だったりする貸し方、あるいは特定の政党に偏って利用させるような貸し方をしてはだめだと。借りるほうが政治的な活動をしてはならないという説明ではない。貸すときに、各政党なりに平等に貸しなさいよ、偏ってはだめだよという、そういうふうに公民館の運営についての社会教育法は理解しなさいということなんです。 そうすると、今の女性会館でも、貸し側が偏った貸し方、特定の政党を支持だとか、あるいは特定の候補者を支持するというようなことで貸すようなことはだめだけれども、一般的な女性が教養だとか、あるいは文化のために政治的なことをやることについて禁止することは根拠として何にもない。だから、この規則が政治的にということはだめだという言い方自体が全く問題があるのではないか。 表現の自由を規制できるのは、幾つかの事例があるということで言われています。これは憲法の解説書ですけど、要は、表現の自由を規制するには幾つかの基準があって、1つは、ある表現行為が近い将来、ある実質的害悪を引き起こす蓋然性が明白であること。要は可能性がある。要は、実質的害悪があるのか。その実質的害悪が極めて重大であり、害悪の発生が切迫している。要は、すぐにでも起きると、そのことによって。 もう一つは、当該規制手段が害悪を避けるために必要不可欠であること。要は、不許可にすることが、どうしてもしなければその害悪をとめることができない。こういう場合にだけ表現の自由を規制することができる。 だから、政治的活動はだめだという一般論で言うこと自体は、全くこのことに当てはまらない。だから、憲法の解釈からいっても、この書き方はおかしい。 もう一つあります。明確性というのが書かれている。要は、表現の自由を規制するには明確な理由が必要だと。1つは、法令の規定が漠然としていて、どんな表現を禁止しているか不明確なものは違憲だと。 もう一つは、法令の規定が本来許されるべき行為まで規制してしまうほど広い規制を定めている場合は違憲である。だから、明確にこういう行為はだめだ、誰が見てもわかると。 だから、判例ではこうなっている。一体その明確というのはどういうものなのか。通常の判断能力を有する一般人の理解において、具体的場合に当該行為がその適用を受けるものかどうかの判断を可能ならしめるような基準が読み取れるかどうかによって決定すべきだと。要は、その法令を見たときに、一般的な判断能力の方が読めば、この具体的なのはだめよと、この具体的なのは許されるとわかるような中身の明確性がないと、そういう表現の自由の規制が必要だと。これが一般的に憲法解釈だと言われている。 余りにも政治的なことはだめだというような今の規則の表現は、私は、憲法の表現の自由からいっても許されない。だから、そこは見直して、もっと誰にでもわかって、そしてどこまでがだめなのかということを明確にした規則にしないと私はまずいと考える。 答弁をお願いします。 ○副議長(倉田博之君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) その点につきましては、私も同じ考え方を持っておりますが、政治的活動といいましても大変幅が広うございます。ですから、お使いになられるとき、あるいは申請をされるときに、どういう内容でこれらを使うかということについて、やはり貸す側と、それから借りる側というのが意思疎通をして、それで、その段階で判断をすべきだと、私はそういうふうに思っています。余りに細かく切り詰めしますと、余計にそこで弊害が出てくる可能性もあります。 政治活動という全体的な言い方はしてありますけれども、先ほど申し上げましたように、判断としては、特定の政党とか特定の政治目的に加担するというようなものが、そこの意図で行われているかどうかということでありますから、当初の目的が途中でその内容が変わってくれば、当然そこでストップするべき事態も起こってくると思います。 ただ、わかりやすくというお話でございますので、市民の皆さんにわかりやすいというような表現をするためにはどうしたらいいか、少し研究をさせていただきたいと思います。 ○副議長(倉田博之君) 牛丸議員。 ◆24番(牛丸尋幸君) 確認しますが、そうすると、今の政治的ということの規則で禁止している中身というのは、公民館について政府が答弁書で言った、いわゆる特定の政党に特に有利に、あるいは不利な条件で利用させることや、特定の政党に偏って利用させることは許されない、この範囲で女性青少年会館も考えるという理解でいいのか。 市長が言われる、具体的な、だめだという、先ほど言われた理由の考え方、もう少し明快にお願いします。 ○副議長(倉田博之君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) ですから、特定な政党や候補者に利益をもたらす、じゃ、どの程度が利益をもたらすのか、細かく刻んでいかないといけない話になります。私どもは、そうではなく、特定の政党や候補者を支持、もしくは反対、批判するようなものであれば、これはいけない。こういう書き方しか仕方がないだろうと思っています。どの程度が利益があるのかどうかなんていう細かいところまでは、私も表現できないと思いますし、もしそれをすれば、また牛丸議員さん、またいろいろなことで文句言われると思います。 ○副議長(倉田博之君) 牛丸議員。 ◆24番(牛丸尋幸君) 研究するという答弁ですので、それを待ちますが、そうすると、もう一つ伺っておきたいのは、私もいろいろ調べましたら、この政治的活動を規制している規則がもう一つありました。 高山市庁舎の開放に関する規則でも、政治的活動を目的とするときは不許可だと、こうなっていますが、それも同じ考え方でよいということですか。確認しておきたいと考えます。 ○副議長(倉田博之君) 亀山財務部長。   〔財務部長亀山裕康君登壇〕 ◎財務部長(亀山裕康君) そのように考えております。   〔「わかるように答弁してください」と呼ぶ者あり〕 ◎財務部長(亀山裕康君) 同じような考え方かという御質問でしたので、そのように考えていますということでございます。 ○副議長(倉田博之君) 牛丸議員。 ◆24番(牛丸尋幸君) もう一つ、この関係で伺っておきたいのは、規則がこのように明快に、今の場合でいきますと、規則で女性青少年会館の場合は、政治的または宗教的活動に利用する場合はだめだというふうに規則で決めている。 実は、この女性青少年会館がつくられたのは1995年の3月議会でした。当時の論議を見てみましたが、条例を提案されるときには、この政治的、宗教的活動を規制するという提案内容は一言もなかった。条例には書かれていないから、その論議はしませんでした。 条例に書かれていたのは、女性青少年会館の不許可の理由は、会館の管理上支障があると認めるとき、施設等を損傷するおそれがあると認めるとき、公益または良俗を害するおそれがあると認めるときと。前3号に掲げる場合を除くほか、会館を使用させることが適当でないと、こういうことで書かれていて、何ら提案説明ではなされずに、規則になったら政治的、宗教的活動はだめだと、こういう規則をつけているというやり方。 要は、条例審議のときには議会は全然そのことは知らされない。ところが、規則を市長がつくると、そういう中身が入ってくるということ自体が条例と規則の関係で許されるのか。条例審議のときにはそういう説明をせずに、規則に入れるというのであれば、それは余りにも議会軽視じゃないですか。条例審議のときにこういう行為はだめだ、きちっと説明してやるというのが本来のあり方で、規則になったら新たな規制を加えるようなやり方というのは、余りにもやり方としてはいかがなものかと考えますが、そういうこともきっと説明して、そして必要なら条例に入れると、必要なものは。最低限でもそういうやり方でないと、本来のあり方ではないんじゃないかと考えますが、条例と規則の関係について伺います。 ○副議長(倉田博之君) 西田企画管理部長。   〔企画管理部長西田純一君登壇〕 ◎企画管理部長(西田純一君) まず、基本的な条例と規則の関係について申し上げたいと思います。 条例と規則の関係につきましては、地方自治法のほうで定められておりまして、条例で定めることとされているものとしましては、義務を課し、または権利を制限すること、分担金、使用料、加入金及び手数料に関する事項、罰則に関する事項などがございます。また、規則で定めることができるものとしては、児童手当の支給など法律に基づく事務に関して規則で定めることとされている事項、契約事務や会計事務など地方公共団体の長が行う事務のうち、規則で定めることとされている事項、次が、条例において規則で定めることとされた事項、条例を施行するための申請書類等の様式、こういったものでございます。 本案件のように、今おっしゃられた案件のように、条例で定めることとされている事項について、条例の委任を受けて規則で定めるということは基本的には可能でございますが、今おっしゃられた議員の指摘の条例と規則の関係について申し上げますと、条例上は使用の不許可のところにおいて4号上がっておりまして、最後の4号のところで、前3号に揚げる場合を除くほか、会館を使用させることが適当でないと認めたときという条文で議会のほうへかかっていて、それが規則の中へいったときに使用の制限ということで、これは市長決裁でありますが、第7条の中に1号として、政治的または宗教的活動に利用するおそれがあるときという御指摘ではないかと思いますが、一般論としては、条例の規則委任の部分に関しては範疇内ということは言えるんじゃないかと思いますが、ただ、その内容の部分について、議会へお諮りした内容と、その後、規則で定める部分はお諮りしませんので、そこの関係の中で、やはり今おっしゃられたような御指摘があるような内容というのは、極めて、基本的に規則で定める内容というのは、今申し上げましたように、申請書類の様式であったり、基本的には決まったことが多いものですから、今のようなケースというのはそんなには出てこないと思いますけれども、できる限り条例で定めることは基本的な事項の考え方を示しておりますので、それを規則委任する際に、条例の趣旨としておるところを逸脱しないよう慎重に行うべきであるということは言えようかと思います。 ○副議長(倉田博之君) 牛丸議員。 ◆24番(牛丸尋幸君) 表現の自由を規制する問題でありますから、きちっと議会でも審議して、規制が正しいかどうかも議会として判断しながら決めていくというのが本来のあり方だと考えます。だから、そういうことを規則の中で一方的といいますか、市長の判断だけで入れてしまうことはいかがなものかと考えますので、今後対応を求めておきます。 それで、次に、女性青少年会館の使用許可の申請方法、このことについて伺います。 現在、女性青少年会館を申請するには、女性青少年会館施設使用団体登録申請書、メンバー表を出すことになっている。その中には、メンバー表には、氏名、性別、自宅住所、電話番号、これを記入して申請することになっていますが、一体この申請方法はいつから導入されたものですか。 ○副議長(倉田博之君) 高原市民活動部長。   〔市民活動部長高原透君登壇〕 ◎市民活動部長(高原透君) ただいまの使用団体登録申請書の開始した時期ということでございますが、調べたのではございますが、記録等が見当たりませんでした。それで、当時、かなりさかのぼって職員等に聞き取りをした結果、平成16年ごろからこの申請書を使用していたのではないかということでございます。 ○副議長(倉田博之君) 牛丸議員。 ◆24番(牛丸尋幸君) それで伺います。 申請方法については、先ほどから言っている条例と規則に書かれている。女性青少年会館の規則のほうで、第5条には、条例の第5条第1項の規定により、会館の使用許可を受けようとする者は、高山市女性青少年会館使用申請書、これを指定管理者に提出しなければならない。こう書かれている。様式もあって、パソコンから出せます。それで出した様式は、ただの1枚ですよ。それで、これでありますけれども、使用施設目的、人数、時間、団体名、申請者の住所。 ところが、会館へ行くとこちらに変わるんですよ、会館の受け付けでは。施設使用団体登録申請書になって、2枚に。それで、このメンバー表という余りにも細かい、メンバーの名前まで書くようになっている。 規則で定めたことが12年ぐらい守られずに、申請書がこういうふうに変えられてきている。このことについて、市は何も言わずに来た。規則を守っていない申請のやり方をずっと認めてきた。指定管理者がかわっても、かわるというか、更新しますよね、5年か3年で。それでもこの方法をチェックせずに認める。こんなことが行われていること自体が余りにも異常じゃないかと考えます。 市は、そういうチェックをなぜしてこなかったんですか。協定で法令を遵守しなさい、規則の中には申請書まで様式明記されているのに、それと違うやり方を現場がやっているという状況を12年も放置してきている。 一体なぜこんな長期にわたって、こんな事態が続いてきたのか。どういう経過なのか、答弁を求めます。 ○副議長(倉田博之君) 高原市民活動部長。   〔市民活動部長高原透君登壇〕 ◎市民活動部長(高原透君) 今、御指摘いただきました申請関係のものでございますが、おっしゃるとおり、申請書につきましては規則のほうに掲載し、これに基づき申請をしていただいております。ただ、今、御指摘の使用団体登録書でございますが、これは適正な施設管理を図るために導入した様式という形で現在も使われておりますが、おっしゃるとおり、この部分につきましては、規則等の定めに少し合いませんので、この辺につきましては早速整備したいと思いますし、これまで指定管理者とのお話の中でもそこまで至ることはないということで大変申しわけなく思っております。今後しっかりやらせていただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○副議長(倉田博之君) 牛丸議員。 ◆24番(牛丸尋幸君) それで、まさにこういう一人一人の団体のメンバーを全員、氏名、性別、自宅住所、電話番号まで書く。こういうことをすること自体が、表現の自由である集会を、団体登録して集会しようということの規制にもつながるんじゃないですか。知られたくないという権利もあるでしょう。そういう権利も踏みにじって、こういうふうにしてやっているというのが実態です。 それで伺いますが、個人情報の関係でいうと、違法な手段で収集した個人情報、これは許されませんね。 市の個人情報保護条例でいうと、こういうふうに書かれています。第28条の2項には、「指定管理者が個人情報を取り扱う場合には、当該管理業務の範囲内で、個人情報の保護について実施機関と同様の義務を負う」と。要は、指定管理者も高山市と同じ義務を負うと。実施機関というのはどうなっているかというと、第6条で、「実施機関は、個人情報の収集、保管及び利用に当たっては、その所掌する事務の目的達成に必要な最小限度の範囲で行わなければならない。」。要は、規則の範囲ですよ、最低限度というのは。それを超えて、個人情報をこんなに集めるというやり方は、本当に異常だと言わざるを得ない。個人情報に対する感覚が少しずれているんじゃないですか、こういうことがずっと続くというのは。指定管理者に個人情報保護の、市のこういう責務は伝えられているんですか。そういうことを指定管理を受けたときに説明しないんですか。余りにも私は、個人情報に対する感覚がずれてしまっていると感じざるを得ない。 市長、いかがですか。 ○副議長(倉田博之君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) 今回の場合、特定な目的によって設置をしております施設でありまして、そこに利用していただく方々は、あらかじめ登録をしていただいた団体の方に活用していただくということが主な、いわゆる目的の中の1つではないかというふうに思っております。 その意味において、どういう団体の方がこの女性青少年会館を活用できるのかということについて、私どもが知り得る権利はあると思います。義務もあると思います。 しかしながら、その中で、今おっしゃったように、個人情報の活用ではなくて、それをいただいて、それをきちんと誠意で判断するための資料として持つわけでありますから、個人情報のいわゆる乱用にはつながらないと考えております。 ○副議長(倉田博之君) 牛丸議員。 ◆24番(牛丸尋幸君) いや、私が言ったのは、収集するのも、高山市の個人情報保護条例によると、収集するのも最小限にしなさいよ、書かれている。ところが、規則ではそこまで定めていないのに、規則以上に余りにも中身が多過ぎる。 さらに言えば、高山市には登録団体の制度が幾つかあります。福祉センターがあります。福祉センターの登録申請書はそんなことはないですよ。登録団体の代表の名前と活動の内容と目的と会員数ですよ。こんなメンバー表まではないです。それでも貸し出しが行える。 生涯学習施設である公民館等の場合でも、確かにここにはメンバー表はある。しかし、名前だけですよ。性別、住所、電話番号までない。 だから、規則でやっている範囲での団体登録が収集する情報というのはそれだけで十分やれている。ところが、規則を違反した個人情報の収集のされ方が余りにも広過ぎる。 これが余りにも市長の答弁は、あたかも必要なように言われるのは、他の登録制度から見ても異常だと。そういうことは真摯に、まずかったらまずかったと認めて、見直すなら見直すという、されるべき。何か言い逃れのように聞こえる、本当に。そういうことが私は大きな問題だと。 だから、正直に認めて、やっぱりまずかったんだと。これは、個人情報を収集するのにも最小限と言われるよりも逸脱しておる。認めて、きちんと対応する。そういう素直なというか、やり方をしていただきたい。いかがですか。 ○副議長(倉田博之君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) 先ほど私どもの担当部長から、この件については反省しながら、それの見直しを今していくというふうに答えております。その点については、素直に私もそのとおりだと思っております。 ○副議長(倉田博之君) 牛丸議員。 ◆24番(牛丸尋幸君) 続いて、他の指定管理者施設での条例、規則の遵守状況はということで、大変、1つの今の例ですけれども、230を超える指定管理施設がある。一体それぞれが条例や規則の遵守状況がしっかりされているのか、非常に私は心配になりますが、その辺はどういうふうにチェックなりされていますか。 ○副議長(倉田博之君) 亀山財務部長。   〔財務部長亀山裕康君登壇〕 ◎財務部長(亀山裕康君) 指定管理施設の運営に関しての条例、規則等の遵守のチェックということですが、この件についてどのような形で現在やっているのかということは、本議会の冒頭でもちょっとお話をさせていただきましたが、基本的には、それぞれの施設を所管する担当課において、指定管理者に対し、法令等を遵守して指定管理を行うよう指導してもらうとともに、運営状況の確認であるとか、指定管理者との意見交換等をしっかり行っているところでございます。 また、その上で、外部の方を委員とする審査会というのを設けておりますので、その中で業務の実施状況も点検していただきながら、運営に関する評価や助言をいただいているというところでございます。 全ての施設において遵守されているというふうに理解はしておりますが、今ほど御指摘いただいたような事例もあるということでございますので、いま一度、指定管理施設の運営について、条例の遵守というようなことを視点に置きながら、しっかり指定管理者と連携をとりながら、よりよい施設運営ができるように周知徹底をしてまいりたいというふうに思います。 ○副議長(倉田博之君) 牛丸議員。 ◆24番(牛丸尋幸君) 今ほど言われた外部の評価委員会、このことで伺います。 27年度、昨年度の指定管理者の実績評価のシートが出されています。この女性青少年会館を外部の評価委員会がどう評価しているか、見てみました。 その評価シートの第7項目に指定管理者の評価というところがあって、適正な管理という項目には、評価に対する内容で次のように書かれています。基本協定、仕様書などを遵守し、利用者ニーズに応えた事業を展開しており、利用しやすい環境づくりに努めている。こうなっている。規則に違反した登録制度をずっと実施しているのに、そのことが外部評価委員会ではなかなかチェックできない実態になっている。ですから、外部評価委員会がそういうことも含めて本当に評価しないと、外部評価委員会の役割さえ果たせない、そう考えます。 もう少し、こういう現実にはこの評価が出ていることに鑑み、この外部評価委員会の評価の仕方についても、もう少し検討する必要があるのではないですか。いかがですか。 ○副議長(倉田博之君) 亀山財務部長。   〔財務部長亀山裕康君登壇〕 ◎財務部長(亀山裕康君) 今の外部の評価審査会での評価のあり方ということだと思いますが、確かに、規則に定めている様式どおりの申請行為がされているかどうかとか、今の勤労青少年ホームに見られるような運用をしているかどうかというところまでの評価はしていただいておりません。現実問題として、全ての施設をそこのところまで外部の方々に評価してもらうということは難しい問題でございますので、まずもって担当課のほうでしっかりそこのところをチェックするようにお願いをすると、改めて指導していきたいというふうに考えております。 ○副議長(倉田博之君) 牛丸議員。 ◆24番(牛丸尋幸君) いずれにしましても、表現の自由という憲法で保障された問題であり、あるいは個人情報の保護の問題であり、大切な中身でありますから、担当課のチェックも、今までは12年にわたってされずに来たという実態があるわけですから、その辺は厳しく見直しを求めて、次に行きたいと考えます。 職員の皆さんの不祥事についてであります。 まず伺います。 市長は、9月議会、本議会の初日の市長発言で、再発防止の取り組みの強化のことを述べられて、具体的にどうするかは述べられなかった。一体その具体的な考えについて、まず伺います。 ○副議長(倉田博之君) 西田企画管理部長。   〔企画管理部長西田純一君登壇〕 ◎企画管理部長(西田純一君) 再発防止に向けた取り組みでございますが、今おっしゃられましたとおり、7月13日に、まず、全管理職員に対して、服務規律の確保と公務員の倫理の確立について、部下職員に指導徹底するよう、まず指示をしたところでございます。 取り組みとしましては、職員研修としまして、新たに係長職を対象に、事務処理の確実な執行を統括する能力を強化する研修を実施するとともに、昨年度から実施しております課長級の研修におきましても、職場での不祥事や事故防止のために、必要な知識の習得を重点的に行う研修を実施していくこととしております。 不祥事の再発を防止するためには、このような指導の徹底や研修の実施を通して、今後も不祥事の防止に向けて緊張感を持ち、継続して取り組んでいくことが必要だというふうに考えております。 こういった取り組みを強化していく中で、各職場でのリスクマネジメント、片仮名で言うなということであれば、危機経営、こういったことを各職場で徹底して強化していきたいというふうに考えております。 ○副議長(倉田博之君) 牛丸議員。 ◆24番(牛丸尋幸君) さまざまな研修等をされるようでありますが、大事なことは、なぜそれだけ続くのか。どんどん続いている。 私が本当に疑問に思うのは、今の7月に発表された不祥事について中身を見ると、ことしの2月に保育関連の不祥事の発表がされて、そのときに結局、今の7月に発表されたというのも起きていたわけでしょう。2月の保育の不祥事のときにはもう起きていた問題。ところが、そのときには明らかにならない。後になって明らかになってくるというのは、その不祥事が起きたときの対応で、もう少し全体的にどうなのかと。なぜこんなに起きるのかと。ほかにもないのかとか、そういう総点検的なやり方、あるいは何が原因なのか、職員の皆さんの声も聞いてみる。そんな対応をして取り組まないと、また続くのではないかという気がしてならない。 なぜそういう、2月の時点でも明らかにならないという実態なのか、不祥事が続く原因についてはどのように考えているんですか。そこをもう少し切り込んで対応をもう少し考えないと、続くのではないかという気がしますが、その辺はいかがですか。 ○副議長(倉田博之君) 西田企画管理部長。   〔企画管理部長西田純一君登壇〕 ◎企画管理部長(西田純一君) 不祥事と一言で言いますが、不祥事にもいろいろございます。 ただ、2月とか今回のようなところについては、大体職務を怠ったというところが基本的にあろうかと思っております。 それで、こういったことにつきましては、今、議員もおっしゃられたとおり、日々の職場でのいろいろな報告であったり、連絡であったり、チェック、日々の職場での仕事の環境の中でのやっぱりチェックというのが、これは再三、先ほどおっしゃられたとおり、あったときには、子育てのときにも、各全部署において、そういうことがないかチェックはもちろんさせていただいておりますけれども、そういったことが、さっき申し上げましたように、危機経営という視点でいきますと、そういうことが絶えず起きないように、ある時点、ある点でチェックするというよりは、日常の業務の中でもそういった意識を持ってやってもらわなきゃいけないですし、そのためには、各職場において、上司と部下職員、仲間の中でちゃんとコミュニケーションをしっかりとって、その中で、ついつい言いそびれてしまうようなことがないようにとか、そういった職員の信頼関係の中でそういったことも防いでいけるというふうに思いますので、やはり私ども企画管理部としましては、各職場がコミュニケーションがしっかりとれて、職員間の風通しがよくて、働きやすい環境をつくっていく。そのためにはいろいろなこともしなきゃいけないと思いますけれども、そういったこともしっかりしていき、かつ危機管理、危機経営意識も持ってもらうと。その両輪でこういう不祥事の再発防止も努めていきたいというふうに考えております。 ○副議長(倉田博之君) 牛丸議員。 ◆24番(牛丸尋幸君) 職員の皆さんは、市職員になられたときに、いわゆる宣誓をされます。どういう宣誓かというと、高山市の職員の服務の宣誓に関する条例では、第2条で、「新たに職員となった者は、任命権者又は任命権者の定める上級の公務員の面前において、宣誓書に署名してからでなければその職務を行なってはならない。」。宣誓書の内容は、「私は、ここに、主権が国民に存することを認める日本国憲法を尊重し、且つ、擁護することを固く誓います。私は、地方自治の本旨を体するとともに公務を民主的且つ能率的に運営すべき責務を深く自覚し、全体の奉仕者として、誠実且つ公正に職務を執行することを固く誓います。」。そういうふうで宣誓され、それで職務に仕える。 私は、地方自治体の役割というのは、よく言いますけど、地方自治法の第1条の2に書かれているように、住民の福祉の増進を図ること。それを憲法にのっとって進めるという、そういう思いで職員の皆さんは臨まれる。 私は、本当にやりがいのある仕事だと考えますが、だから、そういう職員の皆さんが、先ほどの組織論で協力する能力が、意思がなくなってしまって、組織がだめになっていくよみたいな話がありましたが、本当にみんなで力を合わせて、市政運営をしていくということでは、私は本当に職員の皆さんに頑張っていただかなきゃいけない。 ところが、市長が、7月20日の新聞の報道によると、この不祥事問題で次のように発言したと報道されている。処分の厳罰化を示唆、高山市長、職員不祥事続き。これは、7月20日付新聞報道、飛騨版です。内容は、市職員の不祥事が相次いでいることを受け、高山市の國島市長は、19日、職員の処分を今後厳罰化する可能性を示した。部長級の職員と市政の方針を話し合う幹部会で、通常の処分を超える処分を考えないといけないと話した。こう報道されていますが、まずこれは事実ですか。市長に伺います。 ○副議長(倉田博之君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) 一言一句そのとおりに話したかどうかは記憶にございませんが、その趣旨をお話ししたということは記憶にございます。 さらに申し上げれば、私自身、今の思いの中でも、市民の皆さん方からいろいろお話を聞くにつれ、このままではいけない、その中での1つの方策として、処罰の問題も、これは取り上げなければならない、そういう意図で発言したと今も思っております。 ○副議長(倉田博之君) 牛丸議員。 ◆24番(牛丸尋幸君) 私は、これは安易に言うべき発言ではないと考えます。安易に言われたかどうかわかりませんが。 大体、地方公務員法では、第27条で、「すべて職員の分限及び懲戒については、公正でなければならない。」。当然、罪は罪としてあります。しかし、罪に合った罰則、そういう基本的考え方がある。だから、今行われている罰則というのはそういう意味で、ある程度そういうことも十分検討して公正な罰則ということでされておると考えます。だから、それを厳罰化していくということが公正なのかどうなのかという十分な判断をしないと、それは本当に、私は、どうしてこういう発言が出るのかと、新聞記事を読んだときに、厳罰化でなくなるなんていうことはあり得るのかな。 私、議員をかなりやっていますけど、今までに厳罰化でこういう市政がうまくいったとか、不祥事がなくなったという話を聞いたことがない。 市長は、そういう例か何か知ってみえるんですか。 ○副議長(倉田博之君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) 誘導的な御質問なので、余り詳しくは答えませんけれども、1つの例というふうにお話を先ほどもさせていただきました。 基準が、こういうことをやったときにはこういう基準だと、全てのものに基準で、全国一律でそういうことが行われているということではございません。それぞれの自治体の判断に委ねられている部分もございます。 厳罰化という言葉が適当かどうかはわかりませんが、このままの処分でいいのかということについて、市民の皆さんから厳しい御意見をいただいているというのも事実でありますので。その部分を表現しております。 ○副議長(倉田博之君) 牛丸議員。 ◆24番(牛丸尋幸君) 私は、先ほども言ったような宣誓をされてなられている職員の皆さんですし、何とか協力し合って働ける職場づくりということをもう少し力を尽くしていいのではないか。職場の雰囲気なり協力体制なり、それぞれの労働条件なんかも含めて、本当にみんなが協力し合って、市民のための市政をしようという形になるような職場づくりをしないと私はいけないと考えます。 例えば、先ほど女性青少年会館の話をしましたけど、結局申し込みだって、規則にないような、いわゆる厳しい内容ですよ。個人情報をいっぱい書いて出せという。何か不都合があると、そういう厳しい内容にするというやり方が、この厳罰化という考え方が市政の中にも反映されて、何か都合の悪いことがあると厳しくしていくというその内容が、市民にとって不利になるような厳しさになっては、市政のあり方としてはまずいのではないのか。 だから、そこをよく考えていかないと、職員の皆さんの問題としてされたとしても、市政全体にそういう考え方が浸透していくと、さまざまな弊害が出てくる可能性も考えられるので、ぜひその辺は、もっとほかの方法、もっと何とかできる方法を十分検討していただきたい、そう考えますが、いかがでしょうか。 ○副議長(倉田博之君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) 牛丸議員は、一面的なことから全てにそれが影響するというような表現をされますけど、先ほどから申し上げておりますように、それは1つの手段として使うということであります。それが全てに影響していくというような飛躍した言い方は、私はちょっと困ります。そうではない。 ただ、私もさっきから言っていますように、この問題は個人の資質の問題でもありますし、いろんな課題が出ております。しかしながら、現実としてこういうことが幾つも起こってくる、これを防がなきゃならない、何とかしなきゃならない。そして、市民の声の中から、あの処分で本当によかったのかというようなことを聞いております。 その辺のところは、今、部局のところに指示をして、どういう処分のあり方、このままでいいのか、あるいはもう少し考えなきゃいけないのか。 これまでも、いろんな処分のあり方について見直しをしてきておりますので、それを指示させていただいているということでございますから、御理解いただきたいと思います。 ○副議長(倉田博之君) 牛丸議員。 ◆24番(牛丸尋幸君) いずれにしても、公正な内容での取り組みを強く求めて、次に行きます。 あと、発注者と受注者の指示のあり方でいうと、市がこの不祥事を発表した資料の中を読むと、口頭で施工業者に工事発注を行ったと書かれている。一体、発注が口頭というのはあり得るのか、許されるのか、まずそこを伺いたいと考えます。 ○副議長(倉田博之君) 村田水道部長。   〔水道部長村田久之君登壇〕 ◎水道部長(村田久之君) 御答弁させていただく前に、まず、このたびは、私ども水道部におきまして、このような不祥事が発生しましたことに対しまして、深くおわびを申し上げます。 御質問の施工業者への指示のあり方ということでございますが、工事の発注は契約書や請書、それから、工事中の変更等は指示協議書でということで、書面主義によって業務を進めております。 ということですので、それらを口頭で行うといったことはございませんし、許されていません。 ○副議長(倉田博之君) 牛丸議員。 ◆24番(牛丸尋幸君) ですから、私がお聞きしたいのは、あり得ないことなんです、口頭発注なんていうのは。 書面主義。だから、書面主義でないのに、今回、口頭での工事発注が行われて、業者もやったということになると、本来だったら業者の皆さんも、そのやり方はおかしい、もっと正しいやり方でしてくださいだとか、ここにはなかなか指示がない、この問題ではずっと指示が市からないものでという問題もあったようでありますが。 だから、業者の皆さんがおかしいと思ったときに言える環境、いわゆる市のやり方はおかしいんじゃないかというようなことが言える窓口なり環境、そういうものを整えながらいくということが大事だと考えますが、先ほど若干、公契約条例の中で論議がありましたけど、そういうことができる環境。そして、そのことを行ったことによって、業者の皆さんが不利益を受けるようなことではまずい。だから、業者の皆さんが不利益を得ずに、おかしいことはおかしいと言えるという環境づくりをもっとしていくことが私は大事なことだと考えますが、いかがですか。 ○副議長(倉田博之君) 村田水道部長。   〔水道部長村田久之君登壇〕 ◎水道部長(村田久之君) 受入業者の皆様との対応につきましてでございますが、今、議員もおっしゃられたとおりであると思います。 私どもとしましても、施工業者の皆様からの相談対応につきましては、担当者だけに限定せず、係あるいは課の職員誰でも対応するようにしておったところではございますが、今回を教訓に再度徹底をしたところでございます。 今後も、業者との良好な関係づくりに努めてまいりたいと考えております。 ○副議長(倉田博之君) 牛丸議員。 ◆24番(牛丸尋幸君) 水道部長からありましたが、高山市全体の発注の関係でも、そういう窓口なりつくる、業者の皆さんがおかしいことはおかしいと言えるところを全体としてつくっていく、そのことも必要だと考えますが、全体として、市政としてはどうなのか、もう一度伺います。 ○副議長(倉田博之君) 亀山財務部長。   〔財務部長亀山裕康君登壇〕 ◎財務部長(亀山裕康君) 先ほど公契約条例のところでも触れさせていただきましたし、その前に、いろんな契約に関する課題がある中で、どう解決していくかというようなお話のところでも触れさせていただきましたが、まず、そうした契約についての基本的な考え方であるとか、方法論であるとかということを互いに共有して、お互いにそれぞれの立場で議論をできるという環境がまず必要だというふうに思っております。 窓口というような形では設けることはなかなか難しいかもしれませんが、私たちの所管する部、それから、それぞれの担当課において、そうした形で各業者の方々等と対応できるような体制は整えていきたいというふうに思っております。 ○副議長(倉田博之君) 牛丸議員、残り時間の御配慮をよろしくお願いします。 ◆24番(牛丸尋幸君) 業者の皆さんが不利益を得ない、そこを前提にしないと風通しはよくなりませんので、そのことを強く求めて、最後の市民が主役の市政について伺います。 市長は、市民が主役ということをよく言われます。市民の暮らしの実態把握、さまざまな課題がありますけれども、市として積極的にそういう把握する取り組みをしていく必要性があるのではないか。さまざまな課題が出ている。 地方自治法の話は先ほどからも出しましたが、こういうふうになっている。地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担う。自主的で総合的にやるんだと、こういうことになっているものですから、そういう立場からいけば、さまざまな課題について、やっぱり実態を把握して、自分たちでこの課題をどう解決するのかという、その方向を見出してやっていくためにも、私は、実態把握というのをもう少しさまざまな課題で……。 ○副議長(倉田博之君) 残り時間1分です。 ◆24番(牛丸尋幸君) まだいいんでしょう。困るんですけど。 実態把握すべきです。そのように考えますが、その辺の考えを伺います。 ○副議長(倉田博之君) 西倉副市長。   〔副市長西倉良介君登壇〕 ◎副市長(西倉良介君) 行政が施策ですとか、また事業を実施する場合に、住民福祉の増進に直接影響、効果があるような事業展開をするためにも、実態把握に努める必要はあるというふうに考えております。 実際に、それぞれの所管が抱えておるいろんな審議会ですとか、外郭団体の皆様、さらには意見を聞く会ですとか、そういったものはございますし、さらには、市長も足を運びながら、対話集会ですとか、いろんな機会を設定させていただいております。 さらには、役所自体にも総合窓口を始めとして、いろんな相談窓口でお話を聞く機会もございます。そうした住民の声をしっかりと把握する。また、片方で、アンケートですとか、いろいろ数値的な統計もありますので、そうしたものも分析する中で、そうした実態を把握し、直接的な事業政策に反映する。 それ以外、関係団体、また関係する委員の皆様等々が実際に歩かれたりとか、事業を推進する中でお聞きしている声、そうしたものも吸い上げる中で、そうした実態把握に努めるべきだというふうに考えておりますし、今現在、そういったものを積極的にやらせていただいておるつもりでございます。 今後も、そうしたもので実際に把握し切れないものがもしあるのでしたら、新しいそうした手段ですとか方法、そうしたものは十分検討させていただきたいというふうに思っております。 ○副議長(倉田博之君) 発言時間30秒です。 ◆24番(牛丸尋幸君) 市民の一人一人がやっぱり基本的人権を持ってみえる、そこを尊重して市政を運営していく。職員の皆さんも一人一人人権を持ってみえる、そこを尊重しながら市政運営をしていく。そのことは大変大事なことだと考えます。そのことを強調して、質問を終わります。 ○副議長(倉田博之君) 以上をもって、牛丸議員の質問を終わります。  ―――――――――――――――― ○副議長(倉田博之君) 休憩します。     午後3時35分休憩  ――――――――◯――――――――     午後3時50分再開 ○議長(水門義昭君) 休憩を解いて一般質問を続行します。  ――――――――――――――――
    ○議長(水門義昭君) 次に、沼津議員。   〔4番沼津光夫君登壇〕 ◆4番(沼津光夫君) それでは、明るい一般質問をやらせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 それでは、通告にしたがいまして、私の五、六年来の夢でありました(仮称)高山土地家屋財団の設立についてということで、あくまでも私の夢と構想でございますので、その辺をよろしくお願いしたいと思います。 まずもって、私の近隣の地区の話をしますが、私は丹生川町町方というところに住んでおりまして、全部で19班ほどあります。昔は組といいましたけれども、そこの中の第5班におりまして、戸数が16戸ほどございます。昔からの農家が2戸、あとは新興住宅街ということで、私を含めて次男、三男、そういった方々がそこに家をつくって、現在住んでおるという状態でございます。 その中で、俗に言う後継者、跡取りですね、実際の話、数件しかないというのが実情でございまして、ちょうど私が皆さんにお祝いしていただきましたけれども、ことし還暦ということで、60歳をもうすぐ迎えますが、その中で大半が、先輩が約10歳ぐらい上で、下が10歳ぐらい下と。20年前は子どものほうが大人より多くて、大変にぎやかな班でしたけれども、現在の状況は、東京に長男が行って帰ってくる見込みがないとか、あとは、高山でアパート、またうちをつくって住んでみえるというような家庭が大半でございまして、実際、私も含めてですけど、これからどうなるのかということを想像したときに、もう20年もたつと、現実的には我々の住んでいる家はもう空き家になるような形でございます。 他地域についても、皆さん、ちょっと自分の住んでみえるところを思っていただければ、大半がそういった環境にあるんじゃないかなということを思います。特に高山市内を見ますと、大半が高齢化で、とある町内会長に聞きますと、「もうずっと俺が町内会の役をやらならん。」、「どうしてや」と聞いたら、「俺より若い者がおらんのや」というような状態でございまして、そういった高山の実情をこれからどういうふうにしたらいいのかということを五、六年前からよく思うようになりました。 たまたまことし、名古屋のほうへ私用で行ったときにちょっと話を聞いたんですが、昔は、市内にマンション、またそういったところに住んでおって、郊外で一戸建てをつくるというのが最終的な夢で、そのために一生懸命お金をため、またローンを組んでうちを建てるのが1つのパターンでしたけれども、最近は、一戸建てを売って、まちの中のマンションまたはアパートに住みたいという方が大分ふえてきています。 実質的には、核家族になって跡取りがいない、その中で、子どもも大きくなって、たまにしか孫を連れて帰ってこない、そんな状態が現実だと思います。 そういったところで、私が今思っておるのは、高山に土地家屋の財団を設立して、その中で、実際、そういった一戸建てのうち、また土地、山、いろんな雑種地等の土地を一元的に管理していったらどうかということを1つの夢として、こういった思いはあります。 それにつきましては、特に、後から3つほど質問がありますけれども、それに関連しますので、まず1つ目に、今、都市整備のほうで実際やってみえます空き家対策、要は空き家調査ですけれども、その調査されている目的と、今後の計画はどのようにされていくのかということを1つ目の質問とさせていただきます。   〔4番沼津光夫君質問席へ移動〕 ○議長(水門義昭君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) 御質問がありました空き家等の調査につきましては、昨年度中より各町内会に御協力をいただいたり、あるいは水道の使用状況などのデータを集めまして、空き家等の建物の抽出をいたしました。3,000戸以上に上ってまいっております。 現在は、委託事業者並びに市職員が実際にその建物を訪問しまして、家屋の状態や管理の状況などについて調査を行っているところでございます。10月末には調査結果が出てまいりますので、その後、空き家所有者への活用などの意向も含めましたアンケート調査を実施させていただく予定でございます。 これらの状況も踏まえまして、今年度末までには、高山市における空き家等対策を総合的かつ計画的に推進するための計画、いわゆる空家等対策計画を策定することとしております。 現在、庁内の関係課のほか、不動産や法律など各専門分野の団体の方々から御参画をいただいております高山市空家等対策協議会の連携の中で、次年度より取り組むべき施策などにつきまして、具体的な検討を進めているところでございます。方向性の案ができましたところで、議会や市民の皆様の御意見なども伺いまして、計画に反映してまいります。 ○議長(水門義昭君) 沼津議員。 ◆4番(沼津光夫君) 現在、空き家調査が実施されて、10月末にもアンケート調査をされるという話で、皆さんもちょっと自分のふるさとに帰って想像していただきたいと思うんですけれども、現状は、今空き家になっておる家もありますし、近い将来、空き家になる家も想像できると思います。 そんな中で、こういった調査が行われて、今後どのように利活用したり、また賃貸ができるような形になるかというのが一番私は大きな問題だと思っています。 その中で、1つの考え方は、今までにも除雪問題とか、あと、位置指定道路についていろいろ質問してきました。その中で、特に懸念されるのは、位置指定道路の中の空き家対策というのが今度大きな問題になってくると思いますし、除雪も、だんだん住民も少なくなってくると、実際、今までボランティアとかいろんな形でやったものをどうやってやっていくのかというのも大きな問題になってくると思います。 その中で、例えば、もう倒壊寸前のような空き家については、特にまちの中ですけれども、ある意味地権者の、また所有者の同意があれば、壊して除雪の排雪する場所にするとか、いろんな方法がまた考えられてきますので、何とか今の空き家の調査を有効に利用する方法をまた模索していっていただきたいということを特に思います。 その中で、2番目の質問でございますが、土地を市に寄附したい等の事例があるかどうかということで質問したいと思います。 これは、2年ぐらいさかのぼるんですけれども、町内の役員さんの方からちょっといろんな相談を前に受けまして、その中の一例をちょっと紹介したいと思いますが、場所によっては違うと思いますけれども、町内は、いろんな会費等のお金で町内運営をしておるんですけれども、たまたま私のふるさと丹生川の町方というところは、地区外万雑、要は町内に住んでみえない方からも税金、わずかなお金ですけど、もらって、それで町内の運営費に充てておるというのが実情でございまして、たまたま、埼玉県でございましたけれども、町方地内に山林を持ってみえる方が町内会長のところへ訪れて、毎年500円ほどの地区外万雑を払ってみえたらしいんですが、毎年500円を払うのは面倒くさいので、何とか10年分、5,000円を納めるので、頼むということで、町内会長のところへ見えたらしいんです。町内会長は1年が任期ですので、毎年預かって500円ずつ、10年間払える自信がないので、それはちょっと、毎年払ってもらいたいというお話をしたところ、その方は、もはや土地は要らないので寄附するということで、町内としても、その土地を寄附されても、たまたま町内で持っておる山に隣接すればいいんですけれども、飛び地でしたので、何とか市でその土地をもらってくれないかという相談を受けましたが、それはちょっと無理ですというお話をした中で、実質的には、ほかにもそういった事例が水面下に隠れて、ないかもしれませんが、そういった事例があるのか、市の対応を聞かせていただきたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 亀山財務部長。   〔財務部長亀山裕康君登壇〕 ◎財務部長(亀山裕康君) 市民の皆様等から、所有する土地を寄附したいというような申し出につきましては、年に数件ほどございます。そうした場合には、その申し出があった土地につきましては、市が事業を進める上で必要である、あるいは今後必要となる見込みがあるなど、市として必要な土地なのかどうかというような点を個別に検討させていただきまして、寄附を受け入れるかどうかという判断をいたしております。 今ほど事例も出されましたけど、そうした事例についても同じような対応をということになろうかと思います。そんなようなことがございましたら、また一度御相談いただければというふうに思います。 ○議長(水門義昭君) 沼津議員。 ◆4番(沼津光夫君) いろんな事情があって寄附されるというようなお話があります。高山市として寄附された場合は、普通財産としてどう管理していくかというのは1つ大きな問題で、今ほど財務部長言われたように、必要かどうかという判断がなかなか難しいところじゃないかということを私は思っています。 そこで、初めの話に戻りますが、(仮称)高山土地家屋財団というお話ですが、私の思いをちょっとここで述べさせていただきたいと思うんですが、そういった寄附されるというような土地もございます。 高山市には土地開発公社という形がありまして、あくまでも土地開発公社は公共用地の先行取得が主でございますので、そういった寄附される家屋について、土地についていただくという、買うということはなかなか難しい話が現実的にはありますので、そこで、高山市、それから弁護士、そして各金融機関、不動産業者の方々、また土地家屋調査士さん、それから司法書士さん、そういった団体をつくって、そういった今みたいな空き家対策、それから土地の寄附、農地は実際できるかどうかわかりませんが、実際は耕作放棄地みたいな土地があって、例えば、事例で言いますと、今そういった地区外の所有者がみえまして、もう誰も借り手がないような、土地が草だらけになって大変な状態も現実にはあります。そういったものをこれからどう管理していくのかということが1つの大きな問題で、上水道課のほうで水源を守るための条例もできました。あくまでも水源のところについては、いろんな環境の話、水質の話等で制約はかけられますが、水源でない土地につきましては、要は海外の投資家みたいな形で土地を買収されたり、そういった危険も現実には想定されます。 そういった中で、この美しい高山市を保全するためにも、そういったものを今後考えて、先ほど市長言われたように、空き家対策をこれからどうするかということを起爆剤として、総合的に考えていくべきじゃないかと、そういうことを五、六年前から常々思って、きょう初めてこういった形でお話しさせていただきました。 そういった財団を設立して、将来をよりよく対応するために市長さんの考え方を聞きたいと思いますし、先ほど空き家対策の中で、リフォームできるものについてはUターン、Iターン、Jターン、いろんな意味で利用可能な話、それから核家族化をできたら近いところでとどめるというお話、それから、特にまちの中につきましては、危ない家を壊して、そこに、先ほど言いましたマンション等をつくることによって、1つの産業の見出し、そういったところへ移り住んで、自分のうちを借家として安く提供してもらえる基盤づくり、そういったことも総合的に考えていけるんじゃないかということを思っています。そういった意味で、市長の考え方をお聞かせください。 ○議長(水門義昭君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) 空き家を始めまして、市内における不動産の有効活用、これは行政としても最大限進めていく必要があると思います。 先ほども答弁で申し上げました都市の空家等対策計画へ、今いろいろ幾つか御提案もございました。これらも盛り込んで、何らかの取り組みをしていかないといけないと、そういうふうに感じておるところでございます。 五、六年前からお考えになってみえました当財団の関係でございますけど、私も今回初めてお聞きしましたので、まだ少し研究が足らないところであります。資産価値の低い不動産を抱え込んでしまうというような結果になってしまうとか、あるいは債務保証等のリスクとか、いろんなことがあろうかと思います。行政だけで取り組める内容でもないというふうに今感じておりますので、いろいろ不動産事業者の団体の方々ともよく意見交換をさせていただいて、御提案の点について調査させていただこうと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(水門義昭君) 沼津議員。 ◆4番(沼津光夫君) なかなか簡単にはできる話ではありませんし、長い時間をかけてこれから検討していけばいい話だと私は思っていますので、皆さん方のアイデアを十分出し合って、住みよい高山市にするためには、まずこの空き家の調査を有効に利用しながら、どう考えていくかということも1つ考え方ですので、よろしくお願いしたいと思います。 それでは、次の質問に移らせていただきます。 2番目の、山の日の制定に伴う市の観光対応ということで質問したいと思います。 先般、市長の諸般の報告の中で、山の日のガイドツアーのお話がございました。1番目の質問でございますけれども、ことし、オープン式からちょうど3回ほど乗鞍に登る機会がございまして、特にふるさとである乗鞍へ登っての思いでございますが、以前と比べて大変観光客が少ないと。昨年は一時期の半分ぐらいになって、年間12万人ですか、かなり低い数字になっておると。では、ことしはどうなんだろうということで思っていますが、昨年、8月のデータがまだ出ていませんので、7月末でほぼ昨年並みと。昨年はどうかというと、過去最低という実績でございますので、7月末現在ではほぼ横ばいだろうなということを思っています。 行って特に思ったことは、市内は大変外国人の方を見かけるものですから、ここが本当に高山市なのかという、ちょっと目を疑うこともありますけれども、外国人の観光客の誘致を積極的に行えば、もうちょっとにぎわう山岳観光ができるんじゃないかと思いますので、それについて質問させていただきます。 ○議長(水門義昭君) 清水商工観光部長。   〔商工観光部長清水孝司君登壇〕 ◎商工観光部長(清水孝司君) 旅行形態やニーズの変化、近年のバス運行に関する規制の強化などによりまして、乗鞍岳を訪れる観光客の数は、平成27年には約12万人と大きく減少しております。 市におきましては、各観光協会と連携をいたしまして、乗鞍を始めとする周辺地域への周遊型観光を積極的に情報発信し、誘客に努めております。増加する外国人観光客をターゲットとしました外国語のパンフレットの作成ですとか、案内板の整備などにも取り組んでいるところでございます。 乗鞍への外国人観光客の誘客につきましては、今年度から丹生川町の飛騨乗鞍観光協会が飛騨高山国際誘客協議会に参画されたこともありまして、海外に向けて乗鞍岳をPRする体制がより充実をしたところでございます。 本年も、3月に香港においてトップセールスを行っているほか、この11月には、台湾で開催されます台北国際旅行博への参加をしまして、会場でのPRのほか、現地旅行会社へのセールス訪問ですとか商談会もあわせて行うこととしているほか、海外の旅行会社やメディアを招聘いたしますVJ事業に視察地としてもコースに組み込んでいただくなど、積極的な誘客活動を展開してまいります。 ○議長(水門義昭君) 沼津議員。 ◆4番(沼津光夫君) 一昨年でございますけれども、ちょっと私用で立山アルペンルートということで、大町から関西電力の下のトンネルを通って、宇奈月のほうへ1回行かせていただきました。大変びっくりしたのは、大町のトロリーバスのバス待ち場にすごいお客さんがみえたこと、それから、雨降りにもかかわらず、トロッコ電車に大変多くのお客さんが乗って、宇奈月駅から出発されたことというのがちょっと印象に残っておりまして、その反面、もうちょっと南へ来る、今の高山から松本へ抜ける、上高地はまたちょっと別としまして、大変お客さんの数が少ないんじゃないかなというようなことを痛感しましたので、特に思っています。 その中で、前もちょっとお話ししたんですけれども、昔、乗鞍にパノラマバスというバスがございました。要は、天井がガラス張りで、全部が見えるというバスなんですけれども、例えばバス会社がそういったバスを限定的に走らせていただいて、なぜかというと、この飛騨は谷底が深いものですから、谷底と上は見えるんですが、観光客にしてみると、展望のいいところは山の上に行かないと、なかなか普通のバスでは展望がきかないということがありまして、できたら紅葉を見るにも、花を見るにも、そういったバスも1つのPRで、お客さんを呼べる1つの糧になるんじゃないかなということをちょっと思っています。 そんな中で、2番目の質問に行きますけれども、乗鞍の話ばっかりで申しわけございませんが、乗鞍には自動車利用適正化協議会というのがございます。これは、もともと乗鞍スカイラインが岐阜県の道路公社、要は有料道路だったということで、当時、丹生川、それから高山、上宝の1市2村が集まりまして、有料化が済んでからどういった形で乗鞍を守っていくかという形でできた協議会でございます。 その中で、大きな話はマイカー規制でございますので、当然有料のゲートはなくなりましたので、平湯峠のところに門をつくって規制するというのが主の目的で、それから、もう一つは、長野県側は、乗鞍の自然融雪を待って7月1日のオープンということですし、元来、乗鞍スカイラインは5月15日にオープンということで、除雪をして早めて5月15日からオープンするというようなことがございまして、除雪もこの適正化協議会で行っておるということです。 その中で、乗鞍フォーラム、それからEV自動車の実証実験というのが現状は行われておりますが、これにつきましては、例えば市もしくは観光業者などが実際やったほうがいいんじゃないかということを思いますし、観光客が、先ほど言ったように、だんだん減る中で、どういった形で今後対応されるのかということを質問します。 ○議長(水門義昭君) 浦谷環境政策部長。   〔環境政策部長浦谷公平君登壇〕 ◎環境政策部長(浦谷公平君) 乗鞍自動車利用適正化協議会では、乗鞍岳の貴重な自然環境を保全し、快適な利用環境を確保するとともに、地域振興と環境教育の場として利用するため、観光事業者の方々も参加する中で定めた乗鞍自動車利用適正化方針に基づき、乗鞍スカイラインのマイカー規制実施のほか、地域振興策を含むさまざまな取り組みが行われております。直近では、乗鞍スカイラインの歩く利用の促進策として、9月1日より新たにバス停留所が2か所設置され、今後の来訪者の増加が期待されているところでございます。 お尋ねの乗鞍フォーラムにつきましても、当該適正化方針に基づき、マイカー規制実施方法等の見直しを目的に、高山市民を始め広く関係者が参画して、自動車利用の適正化を視点に、乗鞍の保全と利用のあり方を考える機会として開催されているもので、当該協議会にとって意義がある場であると考えております。 また、EV実験研究事業、これは電気自動車、いわゆるEVをレンタカー方式の形で乗鞍スカイラインへ乗り入れることにより、環境や地域振興への影響に関して調査研究する事業でございますが、これも当該適正化方針で定めるマイカー規制実施方法等の見直しの一環として実施されているもので、将来的なEVの乗り入れを視野に実験研究が行われてまいりました。平成24年から平成26年のEV実験研究事業の結果では、事業採算性の向上等が課題であるとの報告が行われております。 当該協議会では、これまでの結果を踏まえ、専門部会の1つである振興部会において、有識者や観光事業者の皆様などの御意見を伺い、EV実験研究事業の新たな方向性について、レンタカー事業者等の民間事業者による実施なども含めて今年度協議し、来年度の実施に向けて取り組んでいくこととなっております。 市としましても、当該協議会に参画する中で、今後とも乗鞍岳における環境保全に努めながら、自然資源の適正な利用による地域振興を図ってまいるところでございます。 ○議長(水門義昭君) 沼津議員。 ◆4番(沼津光夫君) 今ほどお話がありました乗鞍フォーラムにつきましては、私の個人的な考え方でございますけれども、今までやってきたことは、それは認めて、せっかくのこの高山市、乗鞍だけではなくて、御岳、それから白山、飛騨山脈の多くの名峰が幾つかございます。それを含めて総合的に考えるようなシステムを1つ考えたらどうかなということを個人的には思っています。 それを今の適正化協議会がやるのではなくて、市の会計の中で何とかいい方向に持っていけたら、もうちょっと観光を含めていい形になるのではないかということを個人的に思いますので、検討していただきたいと思いますし、あと、EVは、今お話がありましたように、要はマイカーがだめで、EVはいいというわけじゃなくて、EVもマイカーなのかというと、今、レンタカーというお話ですので、レンタカーならいいんだろうということを、まず適正協の中でうまくお話しできれば、タクシーはいいわけですので、その辺も1つの起爆剤になるんじゃないかということを思います。 それと、最近の山のお客さんというのは、観光じゃなくて登山目的が大半だということをちょっと聞いておりますので、お客さんも、最近山へ来るのは観光じゃなくて登山を目的に来るお客さんが大変ふえておるという時代のニーズに合わせて、その辺とうまくマッチングできればいい話になるんじゃないかと、そんなことを思っています。 その次に、ことしの3月議会でしたか、地方創生事業で、松本市と連携した観光事業というのが繰り越しで事業化されておりますけれども、実態はどのようになっておるのか、教えてください。 ○議長(水門義昭君) 清水商工観光部長。   〔商工観光部長清水孝司君登壇〕 ◎商工観光部長(清水孝司君) 本年度実施をしております山岳観光推進事業は、飛騨山脈一体をメインとして、隣接する松本市と連携して山岳観光プロモーションを展開し、観光客の増加を図ることを目的とした事業で、地方創生加速化交付金を活用して取り組んでいるものでございます。 事業の主な内容は、山岳観光に関する新たな旅行商品の造成及びプロモーションの実施、ポスターやパンフレットなど告知ツールの作成、旅行情報誌などメディアへの記事掲載などを専門事業者への委託事業として実施するもので、実施に当たっては、公募型のプロポーザルにより委託事業者を選定し、7月から具体的な取り組みを行っているところでございます。 これまでにポスターやパンフレットを作成し、東京や名古屋でのプロモーション活動を実施しているほか、7月発売の関東、東海、関西地区の旅行情報誌に特集記事として山岳観光の魅力を掲載したところでございます。 旅行商品の造成は、これから秋の紅葉シーズンに向けての企画を中心に、商品として販売を現在行っているところでございます。 山岳観光は、本格的な登山から四季によって変化する景観、山の営みによる温泉資源など、さまざまな魅力がございますので、今回の取り組みの中でモニタリング調査も行うということを計画しているところでございます。 来年度以降につきましても、松本市及び関係事業者と連携をし、積極的に山岳観光の魅力を発信していきたいと考えているところでございます。 ○議長(水門義昭君) 沼津議員。 ◆4番(沼津光夫君) 先ほどは乗鞍の話だけしましたけれども、7月までの入り込みの概算でございますけれども、五色ヶ原が昨年比の87%ぐらい、これ、7月末でございますけれども、奥飛騨温泉郷が昨年度比で105%、高山市内につきましては6.4%の増というような形で、山岳観光がちょっと薄いのかなというようなことを思います。 その中で、今お話がありましたように、事実上はプロポーザルで、7月にポスターやパンフができたということで、実際それが出てくるのが大分後でございますので、継続的にPRをしていくと。 先ほどちょっとお話がありましたけれども、できるかできないかわかりませんが、EVのレンタルがもしできれば、うまい話でまたちょっと夢がかなえられるのではないかなということも個人的には思っていますので、またその辺を、なかなか難しい問題だと思いますけれども、総合的に横の連携をとっていただいて、何とか山の観光を有意義に活性化できる方法を取り組んでいただきたいと思いますし、また、来月でしたか、松本市の議会の方も視察に見えるということで、課題が山岳観光ということでございますので、その辺も含めて連携をとりながら、うまく活用していただきたいと、そんなことを思いますので、よろしくお願いします。 それでは、3番目の質問に入りますが、青線、赤線と言われる長狭物、ちょっとこの間叱られまして、ちょっと聞きなれない言葉だということで、ある言葉では法定外公共物、地元の言葉では筋骨と言われるものでございます。青線というのは水路をいい、赤線というのは道路、昔の街道、道路をいいますので、そういうことで御理解していただきたいと思います。 まず、青線、赤線などの民間への払い下げはどのように行われているのかということで、実際は、ちょうど合併するときの前でございますが、平成15年4月1日が一番早いところで、高山市が平成17年3月31日に法定外公共物の一括譲渡ということで、国のほうからもらっております。それがもう十何年たちましたが、実際民間への払い下げはどのように行われたのか、教えてください。 ○議長(水門義昭君) 東基盤整備部長。   〔基盤整備部長東泰士君登壇〕 ◎基盤整備部長(東泰士君) 法定外水路、法定外道路の用地を民間へ払い下げる際は、まず払い下げを希望される方から水路や道路としての用途を廃止する申請をいただきます。その後、現地の状況などを調査しまして、現状で水路や道路としての機能がないこと、将来にわたって水路や道路の用地として必要のないこと、また、隣接する土地の関係者の承諾書、町内会などからの確認書が得られていることなどの条件を満たしているかを確認した上で用途を廃止する手続を行います。用途が廃止されますと、法定外の水路や道路は払い下げが可能な普通財産となりますので、申請に基づいて払い下げをしているところでございます。 ○議長(水門義昭君) 沼津議員。 ◆4番(沼津光夫君) 実情はいろいろケースバイケースだということはよく知っておりますが、1つの事例ですけれども、1つの道路として、たまたま申請者が自分の土地に入っておる青線、赤線を払い下げるという事例が大半だと思います。ただ、現実には長狭物という名前ですので、細く長いものでございます。 例えば、道路全部を一括して丈量して、その部分だけをやれば割と格安でできるんですが、その部分だけやろうとすると、隣接者の立ち会いとか同意とか、いろんな意味で経費が大変かかるものですから、1つは、高山市内の地籍調査という話にもちょっと連結する話ですけれども、そういった意味で、1つの払い下げを有効にやっていけるというのも、財政上も1つ整理もつきますし、そこの町内、また地区についても1つの整理ということで、幅広い意味でまた考えていただきたいと思います。 2番目の質問でございますが、市道の未登記処理、これ、維持課のほうでやってみえると思うんですけれども、大変未登記物件が多いわけでございますけれども、今年度の青線、赤線の交換の事例というのはあったでしょうか。 ○議長(水門義昭君) 東基盤整備部長。   〔基盤整備部長東泰士君登壇〕 ◎基盤整備部長(東泰士君) 今年度は、現在まで市道の未登記処理において、法定外水路、法定外道路等、現在の道路の土地を交換した事例はございません。 ○議長(水門義昭君) 沼津議員。 ◆4番(沼津光夫君) 私も長いこと道路行政をやってきまして、なかなか青線、赤線については、昔は国有地ということで、払い下げというのはなかなかできなかったのが実情ですが、法改正によりまして、先ほど説明したように、平成15年4月1日から、平成17年3月31日で高山市の管理ということで、赤線についてはそういった形になっておると思います。それを有効に活用しながら、地元のために何とか交換、もしくは払い下げをスピーディーにやっていただきたいということを常に思いますので、よろしくお願いします。 3番目に、市有地と民地との交換、今の青線、赤線を含めてのことでございますけれども、そういうことができないというようなことをちょっと聞いておるんですけれども、実態はどのようになっておるか、教えてください。 ○議長(水門義昭君) 東基盤整備部長。   〔基盤整備部長東泰士君登壇〕 ◎基盤整備部長(東泰士君) 市有地と民地の交換の御相談に対しましては、基本的には寄附及び払い下げをお願いし、承諾を得まして土地の整理を行っております。 ただ、今後、市が必要とする土地である場合、交換等の御希望の対象の土地が今後市が必要とする土地である場合、あるいはつけ替えなどによって水路や道路の機能や安全性などが明らかに向上する場合、また、過去に行われた交換の約束が確認できるような場合には、現地の状況なども慎重に確認の上、市有地と民地を交換することとしております。 ○議長(水門義昭君) 沼津議員。 ◆4番(沼津光夫君) 先ほども申しましたけれども、なかなかそういった条件があるものですから、簡単に交換ができないというのが実情だと思います。ある意味、法改正によって多くの財産を国からいただいたわけですので、1つの考え方とすると、長狭物、要は細長いものについては一括処理できるような方法も今後考えていただきながら、地域の有効な土地として利用することも考えていかなければ、要は歯抜けになるんですよね。 例えば、Aという人が払い下げ申請をして、長狭物が市有地になると。その隣に行くと、またそのまま残ってしまうというような話で、先ほどの財団の話にもまた戻りますけれども、そういったことも含めて、今後、土地の有効利用というのも1つの形になります。例えば、自分の土地に筋骨が入っていますと、融資を受ける場合に、制約的にお金が借りられなくなるというようなことも現実にはございますので、そういったことも含めて、総合的に長狭物、要は青線、赤線、それから筋骨、市有地の交換、これも含めて、今後有効な方法で考えていただきたいということを述べまして、私の一般質問を終わります。 ○議長(水門義昭君) 以上をもって、沼津議員の質問を終わります。  ================ △閉議散会 ○議長(水門義昭君) 以上で本日の一般質問を終わります。 残余の一般質問につきましては、明日午前9時30分から続行したいと思いますので、御了承願います。 これをもちまして、本日の会議を閉じ、散会します。     午後4時32分散会―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。         高山市議会 議長  水門義昭               副議長 倉田博之               議員  松山篤夫               議員  牛丸尋幸...